みなさんは海外旅行がお好きですか? 島国に住む日本人にとって、一歩日本を離れると、そこには言葉も文化も違う国が待っており、どの国に行っても異国情緒を楽しむことができます。
世界パスポートランキングによると、日本のパスポートは世界のパスポートの中でも第4位にランクインしています。これは日本のパスポートさえあれば、ビザなしで気軽に旅行に行ける国が多数存在することを意味しています。 極端な話日本のパスポートを持ってさえいれば、早速明日にでも海外旅行に出発することができるのです。
しかし世界には、日本のように簡単に海外旅行にいけない国も多数存在しています。今回は、日本人が多く訪れる国でありながら、現地の人にとって海外に行くのが難しい国についてのお話です。
2016年日本からの訪問者数は過去最高!身近な異国ベトナム
ベトナム観光総局によると、2010年以降ベトナムを訪れる日本人は毎年増え続けており、2016年には過去最高となる約67万人がベトナムを訪問しました。東南アジアの独特な雰囲気を楽しめるだけでなく、数多くの世界遺産や日本人の口に合う食事など、ベトナムは私たちにとって魅力的な国であることは言うまでもありません。
日本からベトナムに行くには、15日以内の滞在であれば入国時にパスポートの残存期間が6ヶ月あればビザなしで入国が可能です。
しかし、ベトナム人が日本に来る場合には、ビザの取得が必要です。個人で観光に来る場合には、旅券と申請書の提出に加え、訪問の目的によって預金残高証明書や日本にいる知人との関係証明書などを提出することが義務付けられています。
2014年よりベトナム旅行会社を通じて訪日するパッケージツアーの利用が可能になりましたが、訪問先や滞在先などを自分で選ぶことはできず、ある程度のまとまった資金を持っていないと参加をするのも難しいのです。
次は、「世界で一番行きたい国」に選ばれたこともあるあの国。
「世界で一番行きたい国」第1位にも選ばれた微笑みの国ラオス
過去にニューヨーク・タイムズの「世界で一番行きたい国」で1位に輝いたこともあるラオス。
親日的な人が多く敬虔な仏教徒の多いラオスは、他の東南アジア諸国に比べると観光客も少なく、より落ち着いた時間を楽しむことができます。ラオスのゆったりとした時間を求めて日本からも毎年4万人近くの訪問者が訪れています。
日本人がラオスに行く場合には、先にご紹介したベトナム同様15日以内の滞在であれば、入国時にパスポートの残存期間が6ヶ月あればビザなしで入国が可能です。
しかしラオス人が日本に観光に来るのは簡単なことではありません。こちらも訪問の目的別にビザの申請が必要となり、往復航空券の予約確認書や、日本にいる知人との関係性を証明する資料、所得証明書などの提出が義務付けられています。また日本と比べてはるかに平均所得の低いラオスの人たちにとって、日本に観光に来ることは簡単なことではありません。
次は旅人の憧れでもあるあの国。
旅行好きなら一度はその洗礼を受けてみたい!魅惑のインド
インドに行くと世界観が変わると言うのは旅行好きの間ではよく言われていることです。インドに行くとその後インドが大好きになるか、はたまた二度と行きたくないとなるかの両極端に分かれると言われているほど、日本人にとって魅惑がいっぱいの国がインドではないでしょうか。
そんな旅行好きを唸らせるインドですが、インド人の訪日者数は年間9万人にも届かないほどで、またそのほとんどがビジネス目的なのです。理由は他の国と同じく、ビザの手続きが煩雑なこと。またそれに加えベジタリアンが多いインドでは、短期観光目的で来る場合にベジタリアン向けの日本食がなかなか見つけられないというのもネックになることがあるそうです。
今回ご紹介した国の人達が旅行に行きにくい理由はビザの取得の難しさや煩雑さにありますが、国によっては治安の問題や、他の国との国境問題など、個人の力では解決することができない理由がある場合もあります。
日本人にとってたくさんの魅力が詰まった外国。パスポートがあれば気軽に旅行に出かけることができる、というのは決して当たり前のことではなく、とても恵まれたことなのです。自由に旅行ができる権利を自然と手にしている私達が、渡航先で振舞うべき言動、伝えるべきメッセージは一体どんなことなのか、今一度考えてみませんか。
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