ベトナムの棚田
日本では、丸山千枚田などの棚田が、日本の原風景として愛されています。実は棚田があるのは日本だけではありません。アジアの国々の風景もみてみましょう。
中国 雲南省
昆明から7〜9時間バスに揺られた先にある雲南省南部に、世界最大と言われる棚田があります。16,603ヘクタール、東京ドーム約3500個分にのぼります。なんと5,000段以上あるところもあるそう。
少数民族であるハニ族が、海抜が1500m以上の山岳地帯に棚田をつくりはじめたのが7世紀頃のこと。稲作に適した雨と霧の多い温暖な気候の中、赤米をつくり続けてきました。田を耕すのに、水牛や牛、アヒル、魚に働いてもらうそうですよ。
「大地の彫刻」、「雲の梯子」とも称えられ、世界文化遺産に登録されています。2月から3月は田んぼに水が張られ、そこに反射する太陽、雲海が発生しベストシーズンだそうです。
インドネシア バリ島
こちらも世界文化遺産に登録された棚田です。5つの棚田と水寺から成り立ちます。
9世紀からずっとこの美しい地が残ってきているのは、スバックという水利システムのおかげ。ひとことで言えば、平等に水を分配するシステムです。精神の世界、人間の世界、そして自然を結びつけるトリ・ヒタ・カルナ哲学を体現したスバックが、バリニーズを群島の中で最も収穫量の多い米農家にしているとのことです。
ベトナム イエンバイ省
ベトナムで一番美しいと言われるのがイエンバイ省ムーカンチャイの棚田。国家遺産に指定されています。青モン族という青い衣装をベースにした人々の手によるものです。
水面が輝く田植え時期である5月下旬~6月頃、稲穂が黄金色になる収穫時期の9月頃が見どころということです。
タイ チェンマイ県
米どころで知られるチェンマイには、大小さまざまな棚田があちこちでみられるそうです。そのなかで、メーチェム郡のものが、最も美しく、規模が大きいと知られています。
このメーチェム郡には、標高2565mとタイ王国で最も高いドイ・インタノン山があります。この山にも棚田がつくられていて、田植えや稲刈り体験ができるようです。眺めるだけとは違って、体にも記憶がしっかり残る旅になりそうです。
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