会う人、会う人、皆濃ゆく、景色よりも人々が印象に残る沖縄離島巡りの旅

Posted by: 鳴海汐

掲載日: Aug 26th, 2018

10年ほど前になりますが、八重山諸島をまわったときのこと。目鼻立ちがくっきりして、地元民と間違えられる友人と一緒だったせいか、よく現地の人から話しかけられる旅でした。そうしていると、思いがけない話をきくことになるもので・・・。

沖縄島巡りの濃ゆいエピソード

10年ほど前になりますが、沖縄の八重山諸島をまわったときのこと。目鼻立ちがくっきりして、地元民と間違えられる友人と一緒だったせいか、よく現地の人から話しかけられる旅でした。そうしていると、思いがけない話をきくことになるもので・・・。

夜這いの風習が残る島

沖縄島巡りの濃ゆいエピソード

石垣島でバーに入ったときのこと。「明日は〇〇島にいくんです!」と、本州からの移住者だというマスターに話したら、返ってきたのが仰天エピソードでした。

「あそこの島は、夜這いの風習が残っているんだよ。だから、島に赴任する小学校の先生は男ばかりが選ばれている。最近になって、体が大きくて、武術をマスターした女の先生が送られることになった。この人なら大丈夫だろうってことで。それでもやっぱり夜這いをしかけた男がいた。先生が住んでいたのはアパートの3階。外壁をよじ登って忍び込んだそうだ。先生はすぐに気づいて、その男をぶん投げた。島に病院がないから、ドクターヘリで運ばれたって話。」

その話にのけぞった筆者たち。翌日宿に着いて、部屋の鍵を確認すると、ついていませんでした。同じ宿の女性たちに、この島夜這いがあるらしいですよ!と声をかけるも、へーそうなんだーとリアクションが薄く、恐怖を分かち合えず悶々とします。

何かあったらすぐ起きられるようにと思って床につき、何事もなく朝を迎えました。マスターの話が本当だったかは謎のままです。

ノニの実の匂い

沖縄島巡りの濃ゆいエピソード

民宿で、よかったらもいでいきなさい、と言われていただいたノニの実。健康食品だし珍しいからと喜んでいただきました。

どうやって食べようかねー、と話しながら嬉々として道を歩いていたら、通りがかりのおじさんに話が聞こえていたようです。「それ、腐ったら猫の死体の匂いがするから」といったことを言われました。恐ろしくなって、申し訳ないけれどすぐ捨てました。

最西端の島まで

沖縄島巡りの濃ゆいエピソード

日本の最西端である与那国島に行ったときのこと。ガソリンスタンドの女性と世間話をしました。地元の人かと最初は思いましたが、青森出身とのこと。

「少しずつ西に引っ越しをしていたら、ついに与那国まで来ちゃった。流れ、流され、こんなところまで」と。

「もうこの先は台湾になっちゃいますね」と返しました。

ちなみにこの島をドライブで周ったとき、イベントに呼ばれたらしきピエロも同様に観光していて、どこのスポットにいってもピエロが合流してきて恐ろしかったのも、島の印象に繋がっています。

ヒッピーの行きつく島

沖縄島巡りの濃ゆいエピソード

同じ宿の旅行者に誘われて、連日飲み会をやっているという島人の家に行きました。サトウキビ農家のおじさんの家です。ちょっと不用心かなと思いながらいくと、そこには30人ほどが車座になっていました。

独特のムードを漂わせているのは、地元でサトウキビづくりをしている人たちでした。中には東京を捨ててきたことを後悔している若者も。通常、サトウキビはユイマールで組になって作業するもの。しかし、独自路線で活動する人もいます。長髪でスカートをはいた目力の強い男性が、そのロマンを熱く語っていました。島はヒッピーの行き着く場所らしいです。

結局、そこの家の主が、泡盛を飲み過ぎてべろんべろんなのに、海まで車でドライブすると言って収拾がつかなくなり、引き上げてきました。

会う人、会う人、皆濃ゆく、景色よりも人々が印象に残る旅になりました。

[All Photos by shutterstock.com]

PROFILE

鳴海汐

Shio Narumi ライター

イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。

イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。

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