横浜の外国人墓地と言えば、言わずと知れた山手外国人墓地です。
しかし中華街で生涯を全うした華僑のための墓地も存在していることをご存じですか?
南山手の住宅街のなかに埋もれるように佇む「中華義荘」をご紹介します。
5000人以上の中国華僑が埋葬されている墓地
横浜が開港した頃、通訳として日本にやってきた中国華僑たち。最初は西洋人と一緒に山手の外国人墓地に埋葬されていました。
しかし1873(明治6)年、中国人はべつの墓地に埋葬することが決まり、1892(明治25)年にこの地に墓地が作られました。
華僑たちは棺を故国に送棺するのが習わしで、ここは仮埋葬の場でした。
かつては遺体を納めた棺をならべる安霊堂があり、何年かに1度「柩船(ひつぎぶね)」が仕立てられて盛大な葬列が行進したそうです。香港に遺体の搬送専門の船舶があったとのことですから、その船に載せたのでしょう。
しかしこの風習も関東大震災や日中戦争など、きびしい時代の波に洗われて廃れていきました。
現在、ここは永眠する死者たちの安らぎの地となっています。
現存する横浜最古の近代建築という声も!
「中華義荘」の中心は「地蔵王廟」です。
中国南方の建築様式で建てられており、中庭を囲むようにしてレンガの壁が積まれています。主要材は広州から船で運ばれましたが、軸部や外壁、屋根材は横浜で現地調達されました。建築当初は居留地特有の「ジェラール瓦」で屋根が葺かれていたそうです。
正門の両脇には「慈雲照五嶽」「佛像奇扶桑」と書かれた聯(れん)が掛けられています。
異国の香り漂う仏像
廟内には、地蔵王菩薩坐像が鎮座しています。
建築資材同様、広東から運ばれたそうですが、顔立ちから異国の香りがしますね。清朝官人風の帽子にインド風の法衣という出で立ちも日本離れしています。製法も独特で「脱活乾漆」という日本では見られない技法でつくられているそうです。
重々しい静寂につつまれた納骨堂
3階建ての安骨堂(納骨堂)。独特な近寄りがたさがあります。
無数の扉に遺骨が納められているのです。
しんとして、ここだけ時間が止まったかのようです。
純和風の墓石がならんで
牌楼(ゲート)や廟まで備えた中国そのままの「中華義荘」ですが、墓石は純和風で拍子抜けします。
しかし「広東省」「浙江省」など中国の地名が刻まれていますし、墓碑銘は中国名です。
生年が20世紀初頭の古いものが多く、言いしれぬなにかを感じます。
奥側には関東大震災の犠牲者を祀った合祀墓もみられます。
いかがでしたか。
地元では「南京墓地」とよばれているこのスポット。
観光客が立ち入らない山手の奥の奥であなたを待っています。
[Photos by DAMBALA Tell-Kaz]
Tell-Kaz Dambala ライター
舞台活動を経てライター道へ迷い込む。フランスのアヴィニオン演劇祭への出演経験あり。取材旅行ばかりでプライベートな旅行をしていないのが目下の悩み。ああ、自分の好きなところへ行きたい。
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