ティータオルという言葉を聞いたことがありますか?これは平たくいえば、大判のふきんのこと。イギリスでお茶の道具を拭くために発展したという歴史があるので、「ティー」が入っているんですね。アメリカでは、ディッシュタオルと呼ばれることもあります。フックにひっかける紐がついているものが多いようです。
ティータオルのやわらかな歴史
(c)Shio Narumi
18世紀、リネンで作られた柔らかい質感のティータオルは、高位の女性の間で大流行。おっちょこちょいな使用人に任せるかわりに、彼女たちは率先して、高価なボーンチャイナを拭いていたんですね。またティータオルに美しい刺しゅうを施す習慣もありました。これらは家宝として、代々受け継がれていきました。
当時のティータオルは、ほかのテーブルリネンたちとマッチするようにデザインされていました。トータルコーディネートの一部だったのです。ティーポットの保温のため、紅茶のしずくで汚さないため、そしてパンやケーキの保管のためにも使われました。
産業革命の後は大量生産の消費財となり、素材には綿も使われるようになります。
ティータオルは布なので用途がさまざまなのはお伝えした通り。かの有名なゴッホは、高価なキャンバスを使い果たしたとき、赤いボーダーが入ったティータオルの上から描いたそうですよ。
その土地らしい柄がある
筆者はイギリスでは買っていないのですが、他のヨーロッパの国々の、比較的シンプルなものをいくつか手に入れました。ほとんどがリネンとコットンの混合です。
ケルト模様/アイルランド
(c)Shio Narumi
これはアイルランドでみつけたティータオルです。ケルト十字、四つ葉のクローバー、ケルティックハープなど、ケルトらしいモチーフがちりばめられていて、アイルランドのナショナルカラーの緑がよくマッチしています。
マリメッコのUnikko(ウニッコ/ケシの花)/フィンランド
(c)Shio Narumi
マリメッコ好きの友人からもらいました。ウニッコは赤のイメージが強いですが、こんな落ち着いた色合いも。縦と横の端にそれぞれ紐がついているので、タオルを垂らす長さが調整ができるのも便利です。
ブラックオリーブ模様のティータオル/ドイツ
(c)Shio Narumi
ドイツのデパートで買ったものです。ドイツにオリーブのイメージはないですが、オリーブオイルを作っているそうです。今、知りました。こんな風にその国を知るきっかけになることもあります。
(c)Shio Narumi
上下に紐がついているので、迷わずさっとフックに掛けられます。
イギリスの美術館のミュージアムショップ、みやげ店には、必ずあるティータオル。色鮮やかなパターンや、一枚の絵画のようなアーティスティックなものが並んでいます。日本で、その土地のデザインを施したハンカチ類を売っているのと同じ感覚なのではないでしょうか。
よく使うもので、持ち帰るのに軽く、手ごろな価格
(c)Shio Narumi
シンプルなティータオル/バルト三国
今回ご紹介するなかで、最もシンプルなのが、この3枚です。一番手前の白いラインが入っているのは、ラトビアで買ったリトアニア製で、リネン100%のティータオル。ストライプの入った奥の2枚はエストニアで買ったものです。リトアニアはリネンで知られる国なので、バルト三国ではリネン類を買うことを決めていました。
ふきんって、食洗器があっても、ちょっとした洗い物に使うものですよね。さらにファブリックと捉えたら、かごに敷いたり、ランチョンマットにしたりなど色々使えます。
スーツケースに入れるにも軽く、変形可能、割れる心配なし。そして手ごろな価格の生活雑貨です。
スーパーやデパートで、シンプルなものを買うのもいいし、お土産屋さんで旅を思い出すようなデザインのものを買うのもいいと思います。イギリスの有名ミュージアムショップだと、1枚£6-8(約871円~1162円/2018年11月15日現在)くらいで扱っていますよ。
参考
[Radical Tea Towel]
[Photos by shutterstock.com]
Shio Narumi ライター
イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。
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