マデイラ島はリスボンより約1000キロの大西洋モロッコ沖に浮かぶ島です。ヨーロッパでは有名なリゾート地の1つで、ヨーロッパ主要都市から直行便があります。
1年を通して気温が20度前後の常春。花が咲き乱れ、山や海にも囲まれる自然豊かでのどかな島ですが、おしゃれな人が多く町中は整っていて美しい印象です。
2年間バレエ教師として島のバレエ教室で働いた筆者が、色々な魅力の詰まったマデイラ島を紹介します。
自然豊かな島の様子
マデイラ島では、常に海がそばにあります。夏に友人たちに会うといつもみんな洋服の下には水着を着ていて、いつでもビーチに行けるように準備していました。
街中でも水着のまま歩いている人を見かけることがあります。そして1年を通して暖かいのでどの時期でも泳ぐことができます。
印象的だったのは、1月1日にみんなが泳いでいたことです。上記の写真は1月1日に撮影したもの。
マデイラ島は原生林に囲まれる緑豊かな島でもあります。多くの山でハイキングを楽しめます。白い雲に囲まれていて、まるで空の中にいるような印象です。
Port moniz 天然のプール。溶岩で作られた天然のプールです。
マデイラ島のお酒
マデイラワインがとても有名な島。
しかし夜飲み屋に行くと島の住民がよく飲んでいるのはPonchaと呼ばれるカクテルです。レモンと蜂蜜、アグアルデンテというサトウキビからできた蒸留酒で作られています。店で手作りされることが多く、木の棒で混ぜながら作られます。生搾りのレモンがたっぷりと入った甘くて酸っぱく強いお酒です。
このお酒がマデイラの生暖かい風にとてもよく合います。レモンが基本ですが、イチゴやパッションフルーツなど他の果物で作っているお店もあります。
飲み屋さんが賑わうのは、だいたい夜12時以降。9時や10時に飲み屋に行っても、閑散としていて楽しめません。ぜひ、12時以降に飲み屋に行ってみてください。
人々の生活
マデイラ島はいつものどかでゆっくりとした時間が流れています。
この街では人々はゆっくりとご飯を食べ、cafeに行き、仕事をし、夜は飲みに行く。
同じ24時間のはずなのに東京にいたときは時間に追いかけられていると感じていましたが、この島では時間はそこにいつもたっぷりとあります。
例えば10時からダンスの練習の約束をしていても、10時にみんなが集まりまずはcafeでエスプレッソを飲み、結局練習が始まるのは1時間後の11時くらいということがよくありました。
ゆっくりとした流れということですごく田舎を想像されるかもしれませんが、街中はとても綺麗で整っており、ファッションに関心がある人が多い印象です。
冬のないマデイラ島ですが冬のファッションを暑い中着こなす人も多くみられます。
島では花祭り、カーニバルと大きなお祭りが年に2回あります。花祭りでは島の多くの女の子たちがパレードで花をイメージしたような綺麗な衣装に身を包み、踊りながら行進します。
そして島のエキゾチックな花で飾られた台車、道にも生花で作られたオブジェなどが並び、街中が花で包まれます。そのパレードはテレビで中継され、島中が盛り上がるイベントです。
カーニバルは毎年2月に行われ、サンバを踊りながらのパレードです。マデイラ島では、多くの人がサンバを踊ることができます。
サッカーのクリスチャーノロナウドの出身地のマデイラ島。彼はもちろん島の英雄です。
彼の噂話、小さい頃の話、それはいつもみんなの話題になっていました。ポルトガル代表の試合があるときは、島全体がとても盛り上がります。
筆者の教えていたバレエ教室では、代表戦があるときは生徒がほぼ全員休んでいました。両親がサッカー観戦で送り迎えができないからです。そしてポルトガル代表が負けてしまった翌日は島全体が暗い雰囲気に包まれます。
マデイラ島で過ごして
マデイラ島での2年間で筆者は、ゆっくりとした流れの中で人々と時間をかけて関わることを学びました。
早く結果を出そうとしていた自分にその結果よりも過程を楽しむことを教えてくれたと感じています。
それは原生林がまだ残るような太古からの自然の中で、その時間の流れを人々は感じているかもしれません。
そして現在の都会の雰囲気も中心地にはあり、太古の流れ、現在の町、その2つが共存する島です。
色々な魅力の詰まったマデイラ島。
その雰囲気を一度ぜひ感じてみてください。
[All Photos by Saki Goda]
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