旅の目的は「たったひとつ」で良い

旅の目的は「たったひとつ」が潔いと思いませんか。
あれもこれもと盛りだくさんは、大人には野暮というもの。情報が氾濫している現代だからこそ、余計なものは削ぎ落として、自分の「たったひとつ」を選び取るのが粋。旅の荷物はシンプルに、期待だけを詰めて。

私たちがまだ訪れたことのない、未知の場所や絶景。
笑顔で迎えてくれる、あたたかい地元のひと。
生産地ならではの、新鮮で美味しいもの。

珠玉のように散らばる日本各地の魅力を発信する「ONESTORY（ワンストーリー）」。「ONE=1ヵ所」を求めて日本を旅するメディアから、私たちの「たったひとつ」が見つかりそうです。

ピンク色のベールが日本を覆う

日本が美しいのは、四季があるから。待ちに待った春が来ますよ。春は魔法のベールで日本全国をふわりと覆い、優しいピンク色に染め上げます。

寒さに顔が強張る冬は、終わりました。空を見上げると、春の光とピンクのベール。ピンクのベールは幸せの香りがして、誰もの頬が緩みます。年間で一番幸せを感じる季節が、来ましたよ。

恋する女性のように、うつむいて咲く「カンヒザクラ」

世界遺産登録の「今帰仁城跡(なきじんじょうあと)」は、城壁のディテールが美しい沖縄屈指の名城。美しい城壁とカンヒザクラの共演が見事な桜の名所でもあります。濃い桃色の花弁が下向きに咲く「カンヒザクラ」は、頬を染めてうつむく恋した女性のよう。1月下旬から2月中旬が見頃で、2019年1月26日（土）～2019年2月11日（月）に今帰仁グスク桜まつりが行われます。

心にビタミン補給！見渡す限りの菜の花畑。

愛知県「渥美半島菜の花浪漫街道」と名付けられたこのエリアでは、1月中旬から3月下旬にかけて1千万本を超える菜の花が咲き誇り、黄色い絨毯を敷きつめたような菜の花畑に出会えます。黄色は明るさと元気をくれる色。心にいっぱいビタミン補給が出来ますよ。2019年1月12日（土）～2019年3月31日（日）に渥美半島菜の花祭りが行われます。

W（ダブル）桜。雄大な桜島を彩る桜

桜の数は12種、800本ほど。南国に多い「ヒカンザクラ」・ピンク色の「カワヅザクラ」・県内では珍しい「伊豆の踊子」など早咲きの桜は2月中旬〜下旬より開花。他の桜も次々と後を追って咲き、4月下旬まで多彩な桜が咲き誇ります。2019年3月下旬〜2019年4月上旬頃、開花にあわせて吉野公園桜まつりが開催。桜島と向き合うための特等席と言われる吉野公園で、「桜島」と輪郭を彩る「桜」のW（ダブル）桜が鑑賞出来ます。

世界的な植物学者の桜

世界的な植物学者牧野富太郎博士にちなんだ、高知県の牧野公園。博士は桜を殊の外愛したそうで、園内には約300本の桜が植えられ「さくら名所100選」に選定されています。桜は3月上旬から4月中旬にかけて次々と開花し、長い期間お花見が楽しめるのが特徴。毎年3月下旬から4月上旬にかけては「牧野公園さくらまつり」を開催。

今回のたったひとつは、日本を染め上げる美しい春色の絶景。私たちが旅へ向かわずにいられないのは、日常で求められない「たったひとつ」に出逢うためなのです。

青山 沙羅

sara-aoyama ライター

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。