「フラッシュパッカー」という言葉を聞いたことはありますか?フラッシュパッカーとは、簡単にいえば予算の増えたバックパッカーのこと。冒険心はありながらも、「節約」を至上命題とせず、快適さにより多くのお金を遣う個人旅行者のことです。自覚はなくても、「旅好き」を自認するあなたは、実はフラッシュパッカーかもしれません。
「フラッシュパッカー」とは?
海外航空券も海外ホテルも簡単にインターネットで予約ができるようになり、もはや海外個人旅行が当たり前の時代になりました。定住することなく旅をしながら働き、世界各地を転々とする「デジタルノマド」も増えています。
そんななかで近年注目されつつあるのが、「フラッシュパッカー」という旅の新語。まだまだ一般的な語ではないので、初めて聞いたという人も多いことでしょう。「フラッシュパッカー」とは、端的にいえば、「予算の増えたバックパッカー」のこと。
バックパッカーは、できる限り節約に徹するというイメージがありますが、フラッシュパッカーはそうではなく、ある程度の「快適さ」をお金で買おうとします。
たとえば、バックパッカーが安宿やドミトリールームに泊まることが多いのに対し、フラッシュパッカーは中級ホテルなどに泊まります。食事にしても、安食堂や自炊を選びがちなバックパッカーに対し、フラッシュパッカーは、「楽しむ」ことを重視し、おしゃれなレストランにも足を踏み入れるのです。
デジタルツールを駆使
バックパッカーよりも予算が多いことに加え、フラッシュパッカーは、スマホやタブレット、パソコンなどのデジタルツールを駆使することに特徴があります。
フラッシュパッカーの「フラッシュ(flash)」には、「光るもの」「見せびらかし」などの意味があり、それは彼らが光りもののデジタル機器を多用するからだともいわれています。
フラッシュパッカーの明確な定義はない
以上のことから、フラッシュパッカーは、バックパッカー同様、その土地ならではの体験に貪欲な冒険心は備えつつ、快適に過ごせるようより多くのお金を払い、デジタルツールを駆使するスマートな旅人であるといえるでしょう。
その一方で、フラッシュパッカーに明確な定義があるわけではありません。バックパッカーは10代後半~20代前半に多く、フラッシュパッカーはより経済的にゆとりのできた20代後半~30代に多いともいわれますが、単純に年齢で区切れるものではありません。
また、節約旅行をしながらも、時には中級ホテルやおしゃれなレストランを利用する人もいますし、バックパッカーでもデジタルツールを活用している人はいくらでもいます。バックパッカーとフラッシュパッカーは明確に区切れるものではなく、両者のあいだを行き来している人も少なくないのが現状でしょう。
フラッシュパッカーは、自己定義。「自分はフラッシュパッカーだ」と思えば、そうなのです。
贅沢旅行とバックパッカーの両方を経験して
これまでさまざまな旅行スタイルを経験してきた筆者は、団体旅行者でもなく、バックパッカーとも違うフラッシュパッカーは、現代の「旅好き」の多くが行き着く場所なのではないかと感じます。
会社員時代の筆者の海外旅行は、おもに贅沢旅行でした。取れる休みが限られていたため、1年に1~2回海外に出かけ、高級ホテルに泊まるなどして散財する。旅をするために仕事をしていたようなものでしたから、「現実逃避旅行」だったともいえます。
その後、仕事を辞めた筆者は、バックパッカーに転身しました。5ヵ月ほどかけてアジア横断旅行をしたため、1泊1000円未満の安宿やドミトリーにも泊まりましたし、インドで20時間以上寝台列車に揺られたこともあります。
そして、トラベルライターになり、旅行をする機会が増えた今、実は「自分はフラッシュパッカーなのではないか」と思います。
一度に贅沢をするよりは、同じ予算で何度も旅がしたいと思うので、必要以上の贅沢はあまりしませんが、安さを追求するバックパッカースタイルの旅にも疲れを感じ、一定の快適さをお金で買うようになりました。仕事柄もあって、旅先にもノートパソコンを持参し、デジタル機器を活用しています。
筆者のように、「いわれてみれば、自分はフラッシュパッカーではないか」と感じる元バックパッカーは、かなり多いのではないかと思います。
フラッシュパッカーは進化系バックパッカー
「フラッシュパッカー」は、旅に「辛さ」は持ち込みたくないけれど、むやみに贅沢をするわけでもない。自分がしたい旅のスタイルがわかっていて、お金をかけるべきところと、そうでないところがわかっている、現代のスマートな大人の旅のスタイル、という気がします。
その意味で、フラッシュパッカーは「バックパッカーの進化系」といえるのかもしれません。
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旅のスタイルについては、『【性格占い】旅のスタイルであなたの性格がわかる!?』『昭和と平成の海外旅行トレンドを徹底比較!日本人が憧れてきた不動の旅行先は?』などぜひご一読を。
Haruna ライター
和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。
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