【カフェオレ天井落とし】って!?名古屋喫茶はここまでスゴイ「喫茶ツヅキ」

Posted by: TOSHI

掲載日: Mar 12th, 2019

「脚立の上からカフェオレを淹れる、有名な店がある」と生粋の名古屋人から聞きました。「わざわざ脚立の上からカフェオレ淹れてくれるって、きっとなかなかの人だ」と興味を抱き、ご本人を取材しました。どんな方でしょう!?

喫茶ツヅキ焙煎室
(C)TOSHI

「脚立の上からカフェオレを淹れる、有名な店がある」と生粋の名古屋人から聞きました。「わざわざ脚立の上からカフェオレ淹れてくれるって、きっとなかなかの人だ」と興味を抱き、ご本人を取材しました。どんな方でしょう!?

看板にも、ちゃんと書いてある「日夜研究するコーヒー野郎の店」

喫茶ツヅキ外観
(C)TOSHI

名古屋市中村区。こちらの2階に、「カフェオレ天井落とし」で有名な「喫茶ツヅキ」があります。

喫茶ツヅキ看板
(C)TOSHI

「ユニーク珈琲を日夜研究する コーヒー野郎の店」

看板にも、ちゃんと書いてあるんですよ。

喫茶ツヅキペイント
(C)TOSHI

ちなみに創業は昭和21年(1946年)、70年以上の歴史がある老舗です。

看板に偽りなし!「コーヒー野郎」が日夜研究、「カフェオレ天井落とし」が生まれるまで

カフェオレ天井落とし考案者
(C)TOSHI

こちらが、脚立の上からカフェオレを淹れる、「カフェオレ天井落とし」を考案されたオーナーの都築憲幸さん。2代目になります。

日本全国の喫茶店めぐりをしている時に、東京・銀座の喫茶店でコーヒーとミルクを別々に入れるカフェオレに出会い、衝撃を受けました。

それから、高いところから淹れるカフェオレのパフォーマンスが始まったのです。

カフェオレ天井落とし実演1
(C)TOSHI

今では、脚立と別々のポットを使い、コーヒーとミルクを同時に、約2.5メートルの高さから、カップに注ぐカフェオレのパフォーマンスが人気。高い位置から淹れることにより味はまろやか、泡は「30分も消えないほどふわふわ」。

カフェオレ天井落とし実演2
(C)TOSHI

そして何より、このパフォーマンスでお客さまが喜んでくださるので、これからも脚立からカフェオレを淹れます、とのこと。

――インドではチャイを高くから注ぐ人がいて、味がまろやかになるそうです。アジアではお茶を使ったパフォーマンスがあるらしいですが、脚立の上から、この高さでカフェオレを淹れているのは、おそらく世界でもここだけではないでしょうか。

都築:そうでしょうね。うちはカップも違うからね。

――いろいろ秘密がありそうですね。カップも違う?

カフェオレ天井落とし実演3
(C)TOSHI

都築:このパフォーマンスは昭和48年(1973年)からやっているの。高さがだんだん上がって・・・(立ちあがって)これくらいの高さになった。

――そんなに以前から!

都築:好評で、テレビに出てから全国からもお客様が来るようになって。でも、ある程度から、それより上にポットが上がらなくなったんです。

――伸び悩んでいた時期が。

都築:それが、名古屋の世界デザイン博覧会(1989年)で外国製のいいカップを見つけて、それを使うと、もっと高いところから淹れても、カフェオレがこぼれないことに気がついたんです。

――発見ですね。ずっと模索してらっしゃったんですね。

都築:カップにもこだわるようになって、それから、数メートル上に上げるのに、数年かかりました。

――数年かけて高さを上げたんですか!そんな話、初めて聞きましたよ。

まさに看板に偽りなし。「コーヒー野郎」が「ユニーク珈琲を日夜研究」して、「カフェオレ天井落とし」が生まれたのです。

今では3代目がその技を受け継ぎ、運がよければ、親子共演が見られる場合もあるそうです。

【あの人も】今や全国、世界から人が。そしておいしい「喫茶ツヅキ」

喫茶ツヅキパフェ
(C)TOSHI

ここは取材が多く、有名人もたくさん来店しました。憧れのあの人が来た、珍しいパフォーマンスが見られるお店ということで、今や日本全国、そして、世界のいろいろな国から人が来るそうですよ。

それと、「喫茶ツヅキ」は、非常においしいお店です。

喫茶ツヅキカフェオレ
(C)TOSHI

こちらのカフェオレも、凄く美味。脚立の上から淹れることによって、ミルクがよりまろやかになる感じで、温度がちょうどよくなるんです。

熱いのではなく、とてもあたたかくて、とても優しくて、ミルキーなカフェオレでした。

実はカフェオレは別に好きではなかったのですが、ここのだったら毎日でも飲みたいです。今まで飲んだ中で一番おいしいカフェオレだったのです。

これをフランス人に話したら、もの凄くびっくりされました。でも本当なのですよ。

喫茶ツヅキコーヒー1
(C)TOSHI

素材もいいのでしょう。パフェの生クリームやアイスクリーム、フルーツ、幻のコーヒーといわれるコピ・ルアック、みんなおいしくて感心しました。モーニングもあります。

都築:うちはコーヒー、パフェ、サンドイッチ・・・すべて「生きている」ことがモットーです。

この日、おじいさんからお孫さんの3世代、5人で来ていた方がいて、20代くらいの女性が「カフェオレ天井落とし」を体験していましたが、「ちっとも怖くなくて、楽しかった」と言います。

おじいさんから、「ここのフルーツ、おいしいねえ」と言われた都築さんはとても嬉しそうで、しばらく話をしていました。

喫茶ツヅキコーヒー2
(C)TOSHI

その時、「名古屋って本当にいい街だな」とあらためて思いました。そして、「名古屋にはきっと、独特の喫茶文化があるのだ」という気がしたのです。

筆者は他県の出身の、名古屋市民ですが、有名な名古屋モーニングもほとんど食べたことがありません。考えてみれば、ほぼコーヒー代、ドリンク代のみのお得な値段で「朝食」が楽しめるなんて、家族全員で朝から来てもいいなんて、豊かですね。

生の名古屋人の生活を少しでも体験できた、近くの素敵な旅でした。

「喫茶ツヅキ」
住所 愛知県名古屋市中村区太閤通6-1 ツヅキビル2F
電話 052-482-0001
公式サイト http://kissatuzuki0.wixsite.com/kissatuzuki
公式ブログ http://ameblo.jp/kissatsuzuki/
PROFILE

TOSHI

toshi ライター

取材なら、どこに行っても、誰に会っても感動できるのが特技のライター、作家。「人は思い通りにならないけれど、自分が思いつきもしない、素敵な答えを言ってくれる」と、最近思います。クルーズ旅行を日本に広める活動の一端を担いたい。

著書「美しい人々 人間の美しさを追う」など。作家名は竹井夙(たけいとし)。

取材なら、どこに行っても、誰に会っても感動できるのが特技のライター、作家。「人は思い通りにならないけれど、自分が思いつきもしない、素敵な答えを言ってくれる」と、最近思います。クルーズ旅行を日本に広める活動の一端を担いたい。

著書「美しい人々 人間の美しさを追う」など。作家名は竹井夙(たけいとし)。

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