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あなたも知っておいた方がいい、海外ノマドライフの孤独

Posted by: 鳴海汐
掲載日: Apr 9th, 2019. 更新日: Apr 9th, 2019

ロンドンにやってきて、もうすぐ3か月が経ちます。「海外でノマドライフなんて優雅」「ストレスフリーっぽい」と思うかもしれまんが。良くも悪くもどこにも属していないだけに、ノマドは孤独なんです。リア充アピールのノマドブロガーも、案外淋しい生活をしていたりして!?

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そもそもなぜ、ロンドンでノマドをやっているのか

遡ること30年前、小学生の筆者は文豪に憧れました。毎日同じ場所に同じ時刻に通うことなく、温泉地などに好きなだけ逗留するというライフスタイルが非常に魅力的だったんですね。

「南の島のハメハメハ大王」の歌詞の、雨が降ったらお休みするという子どもたちについても、本来学校のあるべき姿なのでは?と結構大きくなっても思っていました。

WEBライターはたいてい、PCとネット環境、携帯電話があればどこでも仕事ができます。自分が面白いと感じたことを人に伝えたいという欲求もあったので、両方が叶う職業だと思いました。

2年前にTABIZINEでイギリス留学記事を書いてライターデビューをしたので、イギリスについては定期的に書いていきたいと考えていたのと、単純にイギリスが好きだということもあって、1年ぶりにやってきました。

語学学校に通うのは案外体力を消耗するので、今回は仕事のみのつもりで来ました。仕事の合間に好きな街をぶらぶらするだけでも幸せかと思ったからです。

現在の住環境

ロンドンは家賃が高く、1人暮らしの部屋は東京23区内の2倍くらいの料金になります。家賃のほかにも防犯上1人だと不安ということもあり、フラットシェアをしています。

以前に5人のシェアハウスにいた時、使いたいときにキッチンがうまっているのが結構なストレスでした。今回は、定員2名の物件です。しかもフラットメイトが家にいない時間が長いと聞いたのも選んだポイントでした。

さて、2人が家にいるときはどんな状況なのかというと。お互い会わないようにするんですね。物音を頼りに、相手が自室にいるのを見計らって、キッチンやバスルームを使うという状況です。

フラットメイトとバッティングしない生活。それを求めていたはずなのに、あまり行き過ぎると、案外寂しいものです。

そうなると、人との交流は外に求めることになるのですが、実態は・・・。

典型的な一日

取材も何もない一日をどんな風に過ごしているのかというと。

フラットメイトが家を出たころ、朝食準備にとりかかります。

その後、情報収集をしてから仕事を開始します。自室かリビングで作業するのは、外ではネット環境が安定しない時があるのと、家の方が落ち着くという理由からです。

ロンドンに来る前は、カフェで仕事をしようと思ってSIMでネットがつながるPCをわざわざ手に入れてきたというのに!PCが意外と重くて、持ち歩くと疲れてしまうのも、家で仕事をする理由です。

画面の中はだいたい日本語ページですし、たまに独り言を言ったりして、どっぷり日本語環境。

開運の願いも込めて家の掃除をし、大量に作ってある煮込み料理を温めてランチを済ませたあと、午後の仕事に入ります。

1日1回は外に出ないといけないかな、イギリスにいる意味ないな、と集中できず公園へ。運動不足解消の意味もありますが、公園に行けば人や犬に会えます。犬好きが伝わるのか、たまに犬が寄ってきてくれます。飼い主からハローと言われ、ハローと返す。会話はそこで終了です。

スーパーマーケットに行きます。ここは会話のチャンス。商品についてスタッフに訊いたり、レジ係の人と簡単な会話を交わしたり。なのに、ついついセルフレジを選んでしまうメンタリティ・・・。

調子がいいときは、会話しないと買えない対面式のパン屋さんに行きます。顔を覚えてくれていて、次はこのパンはどう?と提案してもらうのも楽しみのひとつ。でもパンが大きいので、1回買えば1週間以上もつという(笑)。

帰ってきて一人夕食を食べ、また仕事をしたりして一日が終わります。

日本の友達ともSNSでやり取りしていますが、人が1日に他人とコミュニケーションを取らなければいけない最低量が決まっているとしたら、全く満たせていません。

ヨーロッパ滞在の何が辛いかって、こちらが孤独を感じる夜は日本の夜中&早朝であることは挙げられますよね。

だから本当に、なんで来た?

これまでの留学で友達になった人の多くが既に自国に帰っています。こちらに残っている数少ない友達は忙しくてそんなに頻繁には会えません。たまに会えば、うれしくていっぱい話してしまいます。そんなハレの場から家というケの場に戻ってくると、揺さぶりで落ちこみます。

新規の友達を作ろうと思ってパーティーに行ったのですが、そんなに気が合わないと感じていたのにも関わらず、その場を抜け出すことができず、そして成果なく帰宅。

体調を崩して日系の病院に行くと、先生が親身になって筆者とじっくり向き合ってくれるのがうれしくて、にまにま。

そうなることが目に見えていてなんで海外まで来た?と思うかもしれません。

本来は割と一人でも大丈夫な方なんです。多分ノマドでも1か月くらいだったらいいんでしょうね。あんまり長くなるなら、どんどん友達を作らないといけないかと思います。

早く日本に帰れって感じかもしれませんが、もっと楽しかった!と感じてからでないと悔しいので、これから外に出ていきたいと思います。春も来たことですし。

[All Photos by shutterstock.com]

ノマドにまつわる体験談、以下の特集もぜひご一読を!
『【旅をしながら働く】特集〜トラベルライターの表と裏、旅先で稼げる職業まで〜』
『旅にまつわる【リアルなお金の話】特集!バックパッカー費用からノマドまで』

鳴海汐

Shio Narumi ライター
イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。


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