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寄り添う愛らしさを垣間見て。奈良『久米寺』

Posted by: kurisencho
掲載日: May 18th, 2019.

奈良県には地域の方に大切されている神社仏閣もたくさん。橿原神宮前駅を降りて、のどかな通りを歩いていき、細い道に入ると『久米寺』が見えてきます。時には観光地を離れて、周辺の空気に溶け込むかのように、静かにゆっくりと参拝するのもおすすめです。

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久米寺門前


目に光を。神々しく薬師如来坐像様。

久米寺境内2

畝傍山の南にある『霊禅山東塔院久米寺』は、真言宗御室派の京都仁和寺の別院です。推古天皇の眼病が良くなったお礼をきっかけに、聖徳太子の弟である来目皇子が創建されました。来目皇子も幼少期に眼病を患い、兄の聖徳太子が薬師如来様へ祈願し平癒したと言われています。境内には仁和寺から移建された重要文化財の多宝塔、薬師如来坐像、久米仙人像と、弘法大師空海とのゆかりも感じられます。

伝説!空飛ぶ久米仙人。

久米寺手水舎

「今昔物語」にも〈久米仙人伝説〉が伝わっていました。吉野山麓龍門ヶ獄で神通飛行術を使い自由自在に飛び回る久米仙人。東大寺建立の際には、聖武天皇の勅令により仙人は大木と大石を三日三夜のうちに東大寺大仏殿へ飛ばし集めたと伝えられ、百数年、久米寺に住んでいたそうです。ある日、久米仙人が空を飛んでいると、川で洗濯中の女性のふくらはぎに目がくらみ神通力の飛行術を失ってしまった・・・という、なんだかくすりと笑ってしまう人間味ある仙人様の伝説。手水舍の仏様のお顔にも何だか愛らしさを感じます。

春から花と踊りと喜びを。

久米寺猫

春にはゆきやなぎ、つつじ、あじさいと花が咲き、花あふれる季節の5月3日には〈久米寺練り供養〉が行われます。奈良盆地の農村では春の農休みの1日を村で楽しむという風習から続いているようです。本堂から護国道場までの100mの架け橋は、現世と浄土をつなぐ来迎橋。初夏の陽射しの中で、その橋を西方浄土から阿弥陀仏が二十五菩薩を従えてが練り歩く様は、一度はこの目で拝みたいものです。
10月16日~22日の〈久米仙人まつり〉では、仙人の躍り、長寿、縁結びなどの祈祷と踊りもあるようです。

生活にとけこむ。祈りの強さ。

久米寺梅

境内にふわりやって来てのんびりするどこかの猫。ご本尊に向かって響くのは、ご近所の方の観音経。お寺という祈りの隣には、俗世と近しい存在感で迎え入れてくれる仙人と近所の方々のまっすぐで深い信仰心。
「お経はおばあちゃんから教えてもろたんや。お経を唱えて、これからを頑張って生きていこうな」そう語るご近所のおじいさん。おじいさんのおばあさんの代からから続く観音経は、きっと今日も朝の久米寺に清々しく響いていることでしょう。
そして、もしかしたら、ふらりとやって来て参拝者の足元に寄り添ってくれる猫様は久米仙人様ではないでしょうか。そんなことを思いながら、時計の針の進みはゆるりと穏やかなことでしょう。

[All photos by kurisencho]
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『久米寺』
住所:〒634-0063
奈良県橿原市久米町502
TEL:0744-27-2470
交通:近鉄「橿原神宮前」徒歩6分、「橿原神宮西口駅」徒歩11分、「岡寺駅」徒歩14分
拝観時間:9時~17時
ご本堂拝観料:大人400円、中・高校生200円
参考(橿原市観光協会サイトSarara)
http://www.kashihara-kanko.or.jp/spot/022.html

kurisencho

kurisencho ライター
熊本県天草の凪いだ海と潮の香りの中で育ちました。東京に住むことで、新しいもの、昔からあるものの良さを再発見し、今まで見てきた世界が広がりました。デジタル化の中で生きるアナログの力を確信し、儚いけど美しい、人と風景の一瞬をとらえたいと思い写真を撮っています。


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