
ウィツタブルとは?

ウィツタブルは、ロンドンの南東の方角にある街です。電車で1時間20分ほどです。
英語では「Whitstable」と書き、日本語では、ウィスタブルと書かれていることもあるのですが、筆者の語学学校の先生もウィツタブルと発音していたので、ウィツタブルの名前で書き進みます。
イギリスで数十種類の牡蠣が獲れるなかで、ウィツタブル産の殻が丸く平たい「ネイティブ・オイスター」が王室御用達なのだそうです。
貝類は当たることがあるので、イギリス王室のメンバーは食べないという情報を目にしたことがあったのですが、調べてみると、現在の女王エリザベス2世は食べないけれども、チャールズ皇太子は食べているという記事がありました。
ウィツタブルの牡蠣の歴史は驚くほど長く、1600〜2000年くらい前のローマ帝国時代にはすでに名物とされていたのだそうです。
当時、ローマまで献上されていたウィツタブルの牡蠣ですが、今は、イタリアなど他のヨーロッパからも牡蠣のためにこの地を訪れる人が多いそう。
いざ、ウィツタブルへ


訪れたのは、浜辺にある、地元民らしき人々がたくさんで明るい雰囲気のレストラン。
さっそく席に着き、ネイティブ・オイスターがあるか訊いたところ、オフシーズンだと言う答えが。ショックを受けながら、とりあえず地元産の岩牡蠣をオーダーします。半ダースで£16です。

いい塩加減で、王道の牡蠣の味です。文句なく美味しい。スコットランドで食べたときよりも美味しく、日本でもときどき口にできるようなレベルの美味しさです。
レモンのほか、エシャロットと赤ワインビネガーや、トマトソースのようなものがついてきました。レモンがシンプルでベストです。
それにしても悔やまれるのは、ネイティブ・オイスター。改めて店員さんに訊いてみると、ネイティブ・オイスターは、先週は少しだけ獲れたと。やはり自然のものなので、9月から4月の間はきっかり獲れるわけではなくて、はじめと終わりは変動しがちだと。

焼き牡蠣や、カニのグラタン、シュリンプトーストなどもオーダー。塩がふりかけると、ちょうどいい塩梅で結構満足です。
こちらは大箱のレストランだったので、他のお店にはまだあるかもしれないと思い、はしごすることに。
Whitstable Oyster Company

たまたま通りかかった屋外のお店。規模が小さいだけに狙い目か、と思ったらやはり、ネイティブ・オイスターありました!岩牡蠣はひとつ£1、ネイティブ・オイスターは£1.5という安さ!
女子大生バイト風の店員さんが、後ろのスタッフに伝え、殻が開かれます。

なんだか身が痩せていますが、シーズン終わりだからでしょうか。
でも食べてみると、味は、先ほどの岩牡蠣と同じように美味しいのです。こちらは、ホタテの貝柱のような食感を感じました。一緒にいった友人も、「岩牡蠣はねっとり」と言っていて、食感の違いを認識しました。
シーズン真っただ中に、また食べてみたいです。
West Whelks / Whitstable Harbour Oyster Store
そのほかのお楽しみ

とても小さな街であるウィツタブル。海沿いには、北部の荒れた漁村みたいな雰囲気のところもありますが、街中のところどころにニットの飾りがついていて、素朴であたたかい印象です。
人が賑わうメインストリートでは、可愛らしいお店が並び、アート作品や雑貨を扱うお店を、多くみかけました。

また、マーケットでも雑貨屋さんが目立っていました。
Harbour Market Whitstable

ウィツタブルに来たら是非訪れたいのが、ウィツタブル城です。ティールームとして開放されています。入場無料で、カプチーノ大サイズが£2.65とお手頃価格。

建物だけでなく庭も素敵なんです。
Whitstable Castle
さて、毎年7月にウィツタブル・オイスター・フェスティバルが開催されています。今年は7月27日から29日に開かれますが、ネイティブ・オイスターは食べられません。牡蠣目当てでしたら、ぜひシーズン中におでかけください。
参考
[ONLINEジャーニー]
[25anse Wedding 2018年夏季號 【日文版】]
[Whitstable Oyster Festival 2019]
[ All photos by Shio Narumi ]
Shio Narumi ライター
イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。
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