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世界遺産のモスクに会いに!トルコ北西部の古都エディルネを旅した旅行記

Posted by: 春奈
掲載日: Jul 14th, 2019.

今回は、世界遺産のモスクに会いに、トルコ北西部の古都エディルネを旅した、筆者の体験記をご紹介。建造物の素晴らしさはもちろんのこと、トルコ人の温かいおもてなしに触れた体験など、心に残った旅の思いを記します。

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エディルネ3
ブルガリアとギリシャとの国境に近いトルコ北西部の町エディルネは、世界遺産のセリミエ・ジャーミィで知られる古都。一時はオスマン帝国の都として栄えた歴史から、オスマン朝時代を代表するモスクや石橋をはじめ、数々の歴史的建造物を抱えています。それでいて、外国人旅行者の少ないエディルネは、普段着のトルコが感じられる優しい古都でした。


イスタンブールから古都エディルネへ

エディルネ1

以前からずっと行きたいと思っていたエディルネ。筆者がトルコを訪れるのはこれが3回目ですが、過去2回のトルコ旅行では、時間が足りず、エディルネ訪問が実現できていませんでした。

ブルガリアとギリシャとの国境に近いトルコ北西部に位置するエディルネへは、イスタンブールからバスで3時間前後。イスタンブールからの日帰り旅行も可能ですが、忙しい旅にしたくなかったので、エディルネで2泊することに。

筆者が乗ったバスは所要3時間半でエディルネのオトガル(バスターミナル)に到着。そこからタクシーで市内中心部へと向かいました。

趣満点のエスキ・ジャーミィ

エディルネ2

エディルネに到着して真っ先に向かったのが、世界遺産の「セリミエ・ジャーミィ」ではなく、エディルネで最も古いモスク「エスキ・ジャーミィ」。「ジャーミィ」とはトルコ語で「モスク」のことです。

ジャーミィの敷地内に入ると、地元の女性が筆者の姿を見てにっこり。トルコの地方ではこのようなことがよくあります。トルコには客人をもてなす文化があるため、現地の人々は概して旅行者に優しく、モスクなどに入ると、にこにこと温かく見守ってくれることが珍しくありません。

エディルネ3

うれし恥ずかし気分でモスク内部に足を踏み入れると、厳かなムードに息を呑みました。天井はやや低めながら、たたみかけるような縞模様のアーチが迫力満点。おまけに、柱や壁面に施されたカリグラフィー(アラビア書道)のカッコイイことといったら・・・!

ほかに観光客はおらず、礼拝室には祈りを捧げる地元の人々が数名いるだけ。大勢の観光客が押し寄せるモスクでは絶対に味わえない、静謐な空気に飲み込まれました。

世界遺産セリミエ・ジャーミィ

エディルネ4

続いては、いよいよエディルネ観光のメインイベント、世界遺産の「セリミエ・ジャーミィ」。セリミエ・ジャーミィは、オスマン朝時代最高の建築家、ミマール・スィナンが手がけた建造物で、1569~1575年にかけて建設された壮大なモスクです。

当時すでに80歳だった彼は、セリム2世の命で「イスタンブールのアヤソフィのドームを超えるドームを造る」ことに専念。アヤソフィアをわずかに上回る、直径31.5メートルの大ドームを完成させました。

エディルネ5

大ドームと5つの半ドームの周囲を取り囲む高さ70メートルのミナレット(尖塔)は、「トルコで最も美しい」といわれています。スィナン自身も、セリミエ・ジャーミィを自身の最高傑作と称しました。

逆さチューリップを探せ

エディルネ6

迫力ある外観もさることながら、精緻な装飾が施された内部も圧巻。ドーム天井は、気が遠くなるほど細やかなアラベスクやカリグラフィーで彩られ、思わず見入ってしまいます。

エディルネ7

セリミエ・ジャーミィ内部で有名なのが、ミュエッズィン席の石柱彫られた「逆さチューリップ」の存在。「モスク建設のための用地買収になかなか応じなかった地主のひねくれた性格を表している」、「建設期間中に亡くなったスィナンの孫娘への哀悼の意を表している」など、その由来にはいくつかの説があります。

このほかにもモスク内部には全部で101のチューリップがあり、それぞれ色や形、大きさが異なるのだとか。

エディルネ8

さすがにエスキ・ジャーミィに比べると観光客の姿が増えたものの、イスタンブールのスルタンアフメット・ジャーミィ(ブルーモスク)に比べると、旅行者の数は圧倒的に少なく、終始穏やかな空気が流れていました。

イスタンブールから近いにもかかわらず、エディルネのモスクは、トルコのモスク本来の雰囲気が感じられるところがいいですね。

モスクと一体のセリミエ・アラスタ市場

エディルネ9

セリミエ・ジャーミィの下には、ちょっと面白い見どころがあります。それが、モスクとともに発展してきた屋根付きバザール「セリミエ・アラスタ市場」。

初めて訪れると、セリミエ・ジャーミィの入口がわかりにくく戸惑うのですが、実はこの市場の中から階段を上ると、直接モスクへアプローチできるようになっているのです。

エディルネ10

小規模ながら、セリミエ・アラスタ市場には、エディルネ特産のフルーツ石鹸など、お土産にぴったりの品々が。客引きも激しくないのでのんびり買い物が楽しめ、ついついカゴに入ったキュートなフルーツ石鹸をお買い上げしてしまいました。

ねじれた尖塔をもつユチュ・シェレフェリ・ジャーミィ

エディルネ11

こぢんまりとした町のわりに、見ごたえのあるモスクがいくつもあるエディルネは、さすが古都。エディルネを代表するもうひとつのモスクが、珍しいミナレットをもつユチュ・シェレフィリ・ジャーミィです。

1447年に完成したモスクで、設計はミマール・スィナンの師であるミュスリヒッディン・アー。トルコのモスクといえば、鉛筆のように尖った端正なミナレットが印象的ですが、ユチュ・シェレフィリ・ジャーミィには、珍しくねじれたミナレットがあるのです。

エディルネ12

トルコでたくさんのモスクを見てきた筆者ですが、ねじれたミナレットを見るのはこれが初めて。ねじれたミナレットの反対側には、ひし形のような模様が配置されたミナレットも。内部装飾も美しく、エディルネのモスクの多彩さに目を見張りました。

メリチ橋での素敵な出会い

エディルネ13

一日目に市内中心部の観光を終えたので、二日目は町外れに散歩に出かけることに。そのお目当てが、オスマン建築の傑作といわれるメリチ橋。セリミエ・ジャーミィを手がけたミマール・スィナン設計の石橋で、263メートルのも長さを誇ります。

「町の中心部からはちょっと遠いかな」とも思ったのですが、川の周辺はのんびりとした空気が流れていて、歩くのもまったく苦になりません。橋の周辺にはいくつかのカフェやレストランがあり、歴史ある石橋を眺めながら、まったりティータイムを楽しむことに。

エディルネ14

筆者がカフェに入ると、すでに席に着いていた三世代のトルコ人家族がにっこり。7歳くらいの男の子は「ハロー!」と挨拶してくれました。

チャイを飲みながらしばらくぼうっとしていると、おもむろにトルコ人ファミリーのお父さんが近付いてきて、英語で「娘があなたと話したがっているけれど、いいですか」と。「イエス」と答えたところ、来年高校に進学するという大人っぽい娘さんが席にやってきて、英語でおしゃべりをすることになりました。

エディルネ15

トルコでは、観光業の関係者を除けば英語を話す人は必ずしも多くありません。過去に筆者が出会った流暢な英語を話すトルコ人は、獣医さんなど、いわゆるエリートかそれに近い人々です。「この家族も裕福な人々なのだろうな」と思っていたら、なんと娘さんは「来週学校の研修旅行で、ドイツとチェコに行くの!」とのこと。

イスタンブール在住のそのご家族は、エディルネに別荘を持っているそうで、お母さんは英語が話せないようでしたが、娘さんを介して「よければ別荘に遊びに来て」と誘ってくれました。さすがに別荘にお邪魔する時間はありませんでしたが、トルコの人々のホスピタリティー精神はすごい!筆者が飲んでいたチャイの代金まで払って下さり、おじいちゃん、おばあちゃんも含め、みんな笑顔で手を振りながら去って行かれました。

エディルネ16

イスタンブール旧市街を歩いていると、旅行者慣れした観光業関係者が何らかの下心を持って話しかけてくるケースが多いですが、一般のトルコ人は、温かく、しかし押しつけがましくないおもてなしの心をもっている人がたくさん。メリチ橋での素敵な出会いは、今回のトルコ旅行で最良の思い出のひとつになりました。

普段着のトルコが感じられるエディルネ

エディルネ17

実際に訪れて感じたエディルネの魅力は、普段着のトルコが感じられること。見どころの多い大都市イスタンブールも魅力的には違いありませんが、トルコにおいてはある意味特殊な世界です。

エディルネ18

しかし、エディルネは世界遺産のモスクを擁していながら、外国人観光客の姿は意外なほどに少なく、現地の人々の日常生活がすぐそこにあります。地元客で賑わうロカンタ(大衆食堂)に足を踏み入れれば、無料でチャイを振る舞ってくれるなど、トルコ庶民の優しさに触れられることでしょう。

[All photos by Haruna]
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春奈

Haruna ライター
和歌山出身。東京での会社員時代に、旅先でドイツ人夫と出会う。5か月間のアジア横断旅行の後ドイツに移住し、ライターに転身。約2年半のドイツ生活を経て、現在は日本在住。「歴史地区」や「旧市街」と名の付く場所に目がなく、古い町を歩き尽くすのが大好き。世界のリアルな「ワクワク」を多くの人に伝えたい。


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