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文化庁の「歴史の道百選」に、10月29日新たに追加された大分県国東半島にある「六郷満山の峯入りの道」。厳しい修行が行われる「信仰の道」として知られますが、一般の人でも歩ける登山ルートも整備されてきています。代表的な一部のルートをご紹介!
文化庁が選定する「歴史の道百選」
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都道府県の教育委員会の協力を得て選定委員会が結成され、歴史の道に関する調査や整備、活用事業における実績を踏まえて選定される「歴史の道百選」。地域の文化財への関心と理解をさらに深めてもらおうという目的で、立ち上がったプロジェクトです。
1996年に78カ所が文化庁より発表され、残りの選定のために再び各都道府県が各候補地を文化庁へ申請。2019年10月30日までに、追加分36件が発表となり、最終的に114件で完成となったそうです。
六郷満山(ろくごうまんざん)の峯入りの道
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2019年10月29日、「歴史の道百選」に新たに追加が発表された、大分県の「六郷満山(ろくごうまんざん)の峯入りの道」。選定されたのは、大分県の豊後高田市と宇佐市、国東市に跨るエリアで、
・宇佐市の宇佐神宮~御許山
・豊後高田市の長安寺~天念寺~無動寺~椿堂
・豊後高田市から国東市にかけたの前田~中山仙境~大不動岩屋~岩戸寺
・国東市の文殊仙寺付近
の4カ所。国東半島の険しい山道や岩場を歩き、六郷山の寺院や岩屋を巡利ながら行法する道です。明確な記録が残っている江戸時代よりも以前から修行が行われたと推測されているそうです。
「六郷満山の峯入りの道」にある有名スポット
天念寺耶馬
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国の名勝に指定されている「天念寺耶馬」。天念寺の背後にそびえる厳しい修行の道で、修行では鎖場をつたいながら断崖に架けられた無名橋を目指します。古代遺跡や遺構が集まっている場所で、六郷満山の峯入りの道の中でも、最も険しい行程のひとつとされています。
厳しい修行の場であり、滑落などの恐れもあるため、現在は関係者以外立ち入り禁止に。天念寺から見上げると、耶馬の岩峰や無名橋などを見ることができます。
中山仙境
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国東半島にある「中山仙境」も、国の名勝に指定されているひとつで、一般の人が歩ける登山ルートも。山頂からは周防灘までを一望する絶景を眺めることができます。桁橋状の無明橋や細い尾根を往く馬の背など、六郷満山最古の古文書に「大魔所」と記されるほどの、厳しい修行の道として知られています。
住所: 〒872-1201 大分県豊後高田市夷
一般の人向け「国東半島峯道ロングトレイル」
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国東半島には、「六郷満山の峯入の道」をベースにした登山道や遊歩道が、「国東半島峯道ロングトレイル」として整備されています。一般の人が歩けるよう再構成されたコースで、現在は「豊後高田コース」として4コース、「国東コース」として6コース紹介されており、今後新たに選定される予定です。歴史的な修行の道を歩きながら、修行の雰囲気を味わいつつ、大絶景や神社の神聖な空気を楽しめそうですね。
【参照】
豊後高田市公式サイト: https://www.city.bungotakada.oita.jp/events/detail/482
豊後高田市観光協会公式サイト: https://www.showanomachi.com/special/rokugomanzan.html
Kyodo News Wire: https://kyodonewsprwire.jp/release/201910292802
[photos by 豊後高田市 and Shutterstock.com]
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