
昔は断崖と深い自然に阻まれた人が近づけない滝だった

「いのしし飛出し注意」の看板が可愛い、浄蓮の滝のバス停留所。

浄蓮の滝は、バス停「浄蓮の滝」や無料駐車場わきの階段を降りた先にあります。階段はちょっと急なので、足元に注意!
滝の名は左岸山中にあった寺「浄蓮寺」に由来しています。明治末期、安藤藤右衛門翁により、私財を投じて遊歩道が拓かれるまでは、たやすく人が近づけない神秘的な滝だったそう。

筆者が訪れたのは梅雨の最中ということもあり、天城の緑がしっとり美しい季節でした。苔むした石塀がいい風情を醸し出しています。天城の山々に抱かれたここ湯ヶ島の自然は、昔から数々の文人墨客を惹きつけてきたそうです。

筆者は苔ガールではないのですが、思わず触りたくなってしまうほど美しい苔があちこちに・・・。ふさふさです!

不動明王を祀っている小さなお堂。

かたつむりにも遭遇しました。

現在は休業中でしたが、ニジマスや名物のあまご(天女魚)を釣ることもできるようです。あまごは、その姿の美しさから「清流の女王」と称され、釣り人のあこがれなのだとか。ちょうど前日の宿の夕食にお刺身でいただいたのですが、サーモンのように美しいピンク色をしていて、淡白ですがほの甘い旨味を感じ、とてもおいしかったです。
>>>前日の宿「湯ヶ島たつた」についてはこちら
天城山中第一の大滝!「浄蓮の滝」

5分ほど降りていくと、右手に狩野川が見えてきました。滝の音も聞こえます。ちょっとワクワク。

滝が見えました!すごい迫力。筆者が訪れた日は雨続きの中日だったので、すさまじい水量!

興奮しながら近づいていくと、浄蓮の滝が全貌を現しました!柵のすれすれまで近づくと、写真を撮るのも不安になるほどの水しぶき。ものすごいマイナスイオン(と感じるような清涼感)です。一身で心置きなく受け止めていると、身も心も、そして服も、しっとりしてきました(笑)。
浄蓮の滝は高さ25m、幅7m、滝壺の深さは15m。天城山中第一の大滝です。ただ、この日の滝の迫力は、雨の日続きだったためちょっと特別。

滝の目の前にあるお土産屋の方が「普段はこんな感じよ」と見せてくれた浄蓮の滝はこちら。

最初は滝の迫力に圧倒されていましたが、しばらくすると、滝のまわりに生い茂る緑、特にシダのような植物が独特の雰囲気を演出していることに気づきます。まるで海外のジャングルのよう。これは、県指定天然記念物のハイコモチシダ。1917年に国内で初めて浄蓮の滝で群落が発見されたため、別名ジョウレンシダというのだそう。
さらに、滝の右手に見える崖には、規則的な柱状の割れ目、柱状節理が見えます。これは、約1万7000年前に鉢窪山が噴火した際、流出した溶岩流によって浄蓮の滝が造られた名残り。
滝そのものの美しさもさることながら、こうした独特な自然もあいまって、浄蓮の滝の幻想的な雰囲気をつくり出していると言えるでしょう。

石川さゆりさんの「天城越え」の歌碑もありました。
浄蓮の滝七不思議ツアー、お土産店、浄蓮の滝センターも

浄蓮の滝を見学した帰り道には、わさび田もあります。名物の希少な生わさびをはじめ、生わさびをその場をおろしてトッピングしてくれる、わさびラムネやわさびアイスなどがそろう「丸岩安藤わさび店 浄蓮の滝売店」も見逃せませんよ。

毎週土曜10:00〜12:00にワンコイン(大人1人500円、小学生以下無料)でガイドツアーも開催されているようです。浄蓮の滝には伝説もあるようなので、七不思議ツアー、気になりますね〜。所要時間は30分、予約不要です。問い合わせは、伊豆半島ジオガイド協会まで。
駐車場近くには、浄蓮の滝センターもあり、食事処やお土産コーナーも。中伊豆の定番土産「猪最中」も売っていましたよ。こちらも要チェックです!
浄蓮の滝
JR三島駅から伊豆箱根鉄道へ乗り換え、終点修善寺駅より東海バス河津行きまたは昭和の森会館行きでバス停「浄蓮の滝」下車
(伊豆箱根鉄道 三島駅から修善寺駅 約40分
東海バス 修善寺から浄蓮の滝 約35分)
※駐車場は市で管理する、浄蓮の滝無料駐車場をご利用ください。
※駐車場にあるトイレは24時間利用可能です。浄蓮の滝観光センター
住所:静岡県伊豆市湯ケ島892−14
電話:0558-85-1125
営業日:金・土・日・月曜日
営業時間:
売店 8:30~16:30
食堂 10:30~14:30(オーダーストップ)
https://www.j-taki.com
[All Photos by Aya Yamaguchi]

Aya Yamaguchi 統括編集長
インターネットプロバイダ、旅行会社、編集プロダクションなどを経てフリーに。旅と自由をテーマとしたライフスタイルメディア「TABIZINE」編集長を経て、姉妹媒体「
イエモネ」を立ち上げる。現在は「イエモネ」「TABIZINE(タビジン)」「novice(ノーヴィス)」統括編集長。可愛いものとおいしいものとへんなものが好き。いつか宇宙に行きたい。
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