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奄美大島の伝泊(でんぱく)宿泊ルポ1~新年の休暇はオンザビーチの極上宿へ

Posted by: 鈴木幸子
掲載日: Dec 21st, 2020. 更新日: Dec 21st, 2020

しまのタカラ、人から人へ、伝える宿・・・。鹿児島県奄美大島の伝統的な古民家に泊まり、島で暮らすように旅する「伝泊(でんぱく)」を体験してきたのでリポートいたします。伝泊とは造語で、島に古くから伝わる伝統建築・伝説・文化を次の世代へつなぎ、島を守りたいという想いから名付けられています。

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伝泊の種類は4タイプ


2020年12月現在、伝泊の宿は奄美大島、加計呂麻島、徳之島の3島に30棟、宿の種類は、下記の4タイプがあります。

1. 一軒貸しの「伝泊・古民家」/15棟
2. 新築ヴィラ「ザ・ビーチフロント・ミジョラ」/13室
3. 伝泊ホテル・赤木名(まーぐん広場2階)/9室
4. 伝泊フレドリー(伝泊ホテル別棟/個室ドミトリー)/3室

今回の宿泊ルポでは、個室タイプの2、3、4をご紹介します。伝泊ホテル以外はほとんどの部屋にはキッチン付き。島内のオリジナル体験プログラムの内容も充実しています。

日本では珍しいオンザビーチのリゾートヴィラは5つ星以上の快適さ


まずは昨年夏にオープンした新築のモダン伝泊「ザ・ビーチフロント・ミジョラ」から。
海に囲まれた島国・日本。オーシャンビューを売りにしたホテルは数多くあれど、他国のリゾートのような、部屋からすぐに海に飛び込めるようなオンザビーチのリゾートホテルには、なかなかお目にかかれません。しかし、このミジョラは、何もかもが南国のイメージどおり。世界の5つ星ホテルに引けを取らない設備とホスピタリティを備えています。建築を手がけたのは、アジアンリゾートを知り尽くした同島出身の建築家・山下保博氏です。

室内と海を隔てるのは大きなガラス窓だけ


ご覧ください、客室にいながらにしてのこの絶景。穏やかな海と沖に浮かぶ島影は、奄美大島の美しい自然を切り取った一枚の絵画のよう。夢見たとおりの南国の風景が広がります。


独立型のヴィラ13棟はすべてオンザビーチ。部屋のテラスの下は海、という絶好のロケーションです。海まで伸びるコンクリート壁や広い屋外デッキによって、プライバシーもしっかり守られています。


泊まった部屋は13号室。室内インテリアは、コンクリートと木だけを使い、無駄なものは一切省いた印象のミニマムなデザインです。ヴィラは奄美の浜辺でよくみられるウノアシ貝の形をイメージし、天井は奄美大島の伝統的な穀物倉庫「高倉(たかくら)」の屋根を模して作られています。時間とともに刻々と移ろう室内の光と影。最も美しく変化していくのが天井です。


参考までに、こちらが200年以上昔の高倉の天井です。


海を眺めながら湯船に浸かれるお部屋もあります。


浴室もすっきりとした内装。バスアメニティはオーストラリアの自然派イソップ社製品、化粧品は島に自生するショウガ科の植物を使ったボタニカルスキンケア「シェルゥーム」のものを用意。


テレビはありません。高速Wi-Fiがつながります。寝心地のよいベッドはイタリアのマニフレックスを使用。リネン類も上質、パジャマは肌にやさしい「Y’s for living」です。

朝、「ヒョロロロロロ~」という野鳥アカショウビンの声で目を覚ますと、目の前には海!


夕方はこんな景色を堪能できます。

オシャレな家電や器で気分も上ります


徹底的にこだわったという、選りすぐりの最新キッチン用品の数々とバスアメニティも旅気分を盛り上げてくれます。クリエイティブな新感覚家電バルミューダなど、使ってみたくなるものばかり!


食器はもちろん、シャンパングラス、白ワイン用、赤ワイン用、ビールを注ぐタンブラー、箸置きに至るまで、細かな部分にオーナーの趣味の良さと心遣いが感じられます。


たとえば、スキューバダイビングから部屋に戻る16時頃に、シャンパーニュに合うおつまみを用意しておいてくださいとお願いすると、母屋となる「まーぐん広場」のキッチンから届いているではないですか!ドラマチックな夕日を楽しむ準備も万全です。


各ヴィラには、セメント敷きと板張りの広いデッキがあって、海から上がってきたときに塩水と砂を流せるシャワーが。ハンモックやデスクも備わり、休暇を過ごしながら仕事をするワーケーションスペースとしてもぴったりです。朝食込で1部屋23,100円~(税込)。

お手頃に泊まれる、伝泊ホテル・赤木名(あかきな)


目いっぱい島の観光をしたい、ダイビングが目的、という人におすすめの宿が「伝泊ホテル・赤木名」です。もともと赤木名集落で親しまれていたスーパーマーケットを改装した建物で、1階は伝泊の総合フロントがあり2階が客室となります。1階には地元の創作料理を味わえるカフェレストラン、物産市場、ショップギャラリーなどがあって、食事や買い物をするにも便利です。何よりうれしいのは、伝泊スタッフが常駐しているので、観光情報や島民しか知らないレアな情報もゲットできること。


スタンダードシングル、デラックスツイン、ラジュジュアリーツインなど目的に合わせて、朝食込みで8,250円~(税込)。白壁と木目が生きる爽やかなインテリア。シングルでも天井が高いために狭さを感じさせません。上の写真は、ラグジュアリー・ツインの客室です。


奄美群島のことをもっと知りたい人には、2階に奄美関連の書籍を集めたライブラリーがあります。大島紬や画家・田中一村に関する資料も豊富です。日本一の充実ぶりとのこと。


ライブラリーから見る1階レストランと天井は実に美しく、アート作品のインスタレーションのようでもあります。伝泊フロントの頭上もぜひお見逃しなく。

ランドリー付きのドミトリー「伝泊フレンドリー」もあります!


もっと宿代を抑えて長期滞在をしたいという人は、清潔感のあるドミトリー「伝泊フレンドリー」へ。キッチンやランドリーも備わり、ドミトリーのイメージを覆すデザイン性の高い伝泊フレンドリー。こちらはシングルの部屋。奥にはベッドルームがあります。1人5,280円~(税込/素泊まり)。


こちらはキッチンエリア。置いているカップやお皿もかわいい!


シャワー室やトイレも清潔感漂います。


コロナ時代の旅は、密を避けられ、安心して心から寛げる奄美大島・伝泊の旅はいかがでしょう。遅いお正月休みを予定している方、新しい2021年に向けて、伝泊でココロとカラダのリセットをしてみませんか。

問い合わせ:奄美イノベーション
電話:0997-63-1910
https://den-paku.com/

ザ・ビーチフロント・ミジョラ
住所:鹿児島県奄美市笠利町大字外金久966-1

伝泊ホテル・赤木名
住所:鹿児島県奄美市笠利町大字里50-2

伝泊フレンドリー
住所:鹿児島県奄美市笠利町大字里940-2

[PHOTO by SACHIKO SUZUKI, 奄美イノベーション]

鈴木幸子

sachikosuzuki 旅行記者、エディトリアル・ディレクター
出版社勤務や地球の歩き方編集を経て2001年に独立。世界60か国以上を頻繁に取材し、一期一会のハッピーな記事を書いています。JTBるるぶ「アンコールワットとカンボジア」初版制作。著書『もち歩きイラスト会話集タイ/池田書店』、『みやざきの自然災害』ほか。有限会社らきカンパニー主宰。「らき」はギリシャ・クレタ島の地酒の名前です。


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