
「都七福神めぐり」とは

古くから民衆の間にあった七福神への信仰は、室町時代に京都で始まったとされ、近世に巡拝が盛んになったといわれています。京都では特に「都七福神めぐり」が親しまれています。
七福神とは、ゑびす神、大黒天、毘沙門天、弁財天、福禄寿神、寿老神、布袋尊の7人です。1月1日~31日の期間に、京都でそれらが祀られている、京都ゑびす神社、松ヶ崎大黒天(妙円寺)、東寺、六波羅蜜寺、赤山禅院、革堂(行願寺)、黄檗山 萬福寺をめぐりお参りすると、特に大きなご利益にあやかれるとされています。
巡拝はどこからはじめてもOK。各社寺で御軸、大護符(色紙・2,000円)、御宝印と呼ばれる御朱印帖(300円)が用意されています。社寺によって異なる全ての御宝印がそろった大護符を飾ると、7つのご利益に恵まれた1年間が過ごせるといわれています。
都七福神の七つの社寺
京都ゑびす神社(ゑびす神)

建仁2年(1202年)に禅の祖である栄西禅師が建仁寺建立の際、その鎮守として建てられたのが起源とされています。1月10日の「十日戎」は「えべっさん」として知られ、商売繁盛を願う多くの参拝客でにぎわいます。七福神めぐりには10日は避けたほうが良いでしょう。
■ご利益:商売繁盛、交通安全
松ヶ崎大黒天(妙円寺)(大黒天)

約400年前、江戸時代初期に開創された日蓮宗のお寺。比叡山の西南、松ヶ崎の山の麓に位置します。本尊の大黒天像は、年に6回ある(60日おき)甲子大祭の日に御開帳が行われます。
■ご利益:寿福円満、開運招福、商売繁盛
東寺(教王護国寺)(毘沙門天)

約1200年前、平安遷都と共に建立された官寺のひとつ。弘法大使空海が真言密教の根本道場とした大寺で、1994年に世界遺産に登録されました。御朱印をいただける食堂(じきどう)と御影堂は拝観無料です。
■ご利益:学業成就、財運、七福即生
東寺
住所:京都府京都市南区九条町1
電話:075-691-3325
金堂、講堂 8:00~17:00(16:30 受付終了)
宝物館、観智院 9:00~17:00(16:30 受付終了)
HP:
https://toji.or.jp
六波羅蜜寺(弁財天)
天暦5年(951年)、空也上人が当時京都に流行した疫病退散のために刻んだ観音像を本尊として創建。空也上人像をはじめ平清盛坐像など、重要文化財の名宝を数多く安置しています。
■ご利益:芸能、財福、知徳
赤山禅院(福禄寿神)
平安時代に慈覚大使 円仁の遺命により創建された、比叡山延暦寺の塔頭。鬼から都を守る方位の守護神として祀られてきました。福禄寿神は本堂の東側にある福禄寿殿に安置されています。都七福神の縁日が毎月7日に行われています。
■ご利益:延寿福楽、健康長寿、家内安全、商売繁盛
革堂(行願寺)(寿老神)
平安時代の寛弘元年(1004年)、行円上人により開山。戦乱や火災で幾度も焼け、場所を移しながらも、人々の熱心な信仰により都の中心に再建されました。西国観音霊場の第19番札所としてし知られる古刹です。
■ご利益:不老長寿、福財、子宝、諸病平癒
黄檗山大本山 萬福寺(布袋尊)
明時代の中国から渡来した高僧・隠元禅師により寛文元年(1661年)に開かれた黄檗宗の総本山。数多くある京都の寺院の中でも、中国的な雰囲気が漂います。布袋を弥勒菩薩の化現として信仰し、2、8月をのぞく毎月8日に布袋尊の縁日「ほていまつり」を開催。
■ご利益:諸縁吉祥、円満福徳
黄檗山大本山 萬福寺
住所:京都府宇治市五ケ庄三番割34
電話:0774-32-3900
拝観時間:9:00~17:00(受付は16:30まで)
拝観料:500円、中学生以下300円
HP:
https://obakusan.or.jp

2020年は新型コロナウィルスの感染拡大で大変な年でしたが、かつても「六波羅蜜寺」の空也上人のように疫病退散を祈願したことがあったのですね。そんなことを思いながら、それぞれの福々しい神様にお参りして、同時にお寺の歴史を学び、宝物を拝見して京都の新春を満喫するのもいいものです。
2021年に行かれる際は、感染防止のためマスク着用と手指の消毒を忘れずに!毎年行われているので、急がずコロナ終息後にゆっくり訪れてもいいですね。とびきりいい1年になりますように!
問い合わせ先
都七福神事務局(六波羅蜜寺)
電話:075-561-6980
[参考]
京都観光ナビ
ざ・京都
[All photos by Shutterstock.com]

ロザンベール葉
主に横浜・東京で育ち、縁あって京都に在住。美術書出版社勤務を経て、フリーランスライター歴20年余り。フランス人のパートナーと共に、フランスとイタリアを中心に気ままな旅をする。海はどこも好きだけど、「地中海」という響きに憧れる。マイペースが好き。
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