幻の和牛を求めて
鳥取駅から歩いて5分ほど、昔ながらの商店街の一角に佇むのが「たくみ割烹店」。“民芸のプロデューサー”として名高い吉田璋也氏が開いた和食店で、地元産食材を使った郷土料理を民芸のうつわで提供しています。
同氏による「鳥取民藝美術館」「たくみ工芸店」も隣接しており、“うつわを目で楽しみ、実際に使ってみる”という体験が可能。器好きにはたまらない場所と言えるでしょう。
店内は民芸調の味わい深い空間です。2階にはお座敷席も。観光客だけでなく地元の人も多く、ランチタイムはにぎわいを見せていました。
しゃぶしゃぶの元祖「牛肉のすすぎ鍋」
ランチメニューには、鳥取和牛を使用した「みそ煮込みカレー」「ハヤシライス」「すじ煮込み定食」(全て1,100円)などを用意。夜メニューも提供可能ということで、お店イチオシの「特選鳥取和牛オレイン55リブロース すすぎ鍋」(5,300円)をオーダーしました。
ちなみに「すすぎ鍋」とは、「火鍋子(ほうこうず)」という中国由来の鍋でいただく水炊きのこと。たくみ割烹店を手がけた吉田氏の本業は耳鼻科医。第二次世界大戦中に軍医として中国大陸に赴き、そこで出合った羊肉のしゃぶしゃぶ“シュワンヤンロウ”をヒントに「すすぎ鍋」を考案したのだそう。昭和37年(1962年)に同店のメニューに登場。諸説ありますが、これが現在のしゃぶしゃぶのルーツともいわれています。
そんな由緒あるすすぎ鍋を彩るのが「鳥取和牛オレイン55」。鳥取県は大正9年(1920年)、国内初となる和牛の戸籍を整備し、血統に基づいた交配の基礎を作ったという歴史を持ちます。そして昭和41年(1966年)、全国和牛能力共進会第1回大会において県産の「気高号」が1位に選出。全国各地の有名ブランド牛の始祖となったのです。
「鳥取和牛オレイン55」に認定されるには、「気高号との血縁を有すること」「鳥取県で最も長く飼養」などに加え、「脂肪中のオレイン酸が55%以上」という厳しい条件をクリアしなければなりません。ちなみにオリーブオイルの主成分として知られるオレイン酸ですが、多ければ多いほど肉質が柔らかくなるのだとか。
リブロースは赤身と脂身の境界がハッキリしていて鮮度の良さが一目瞭然です。特筆すべきはその柔らかさ。お箸で持つとちぎれそうなほど!
濃厚なのにさっぱり!これぞ最強の霜降り
熱々の出汁スープで肉をさっとすすいで、
ゴマだれにつけていただきます。口に入れた瞬間広がるのは、濃厚な肉の旨みとコク。甘い香りととろけるような食感もたまりません!霜降りながら脂感は驚くほどさっぱり。聞けば、オレイン酸の融点は16度と低いため、口溶けや風味が良くなるのだとか。
子孫ですらここまで超絶なおいしさなのですから、気高号さんご本人はどれほどのレベルであったのか気になって仕方ありません。
〆はラーメンorうどんから選択可能。牛肉の旨みがたっぷり溶け出したスープは滋味深く、麺と抜群のハーモニーに。
デザートはフルーツ、ヨーグルト、コーヒーからひとつチョイス。地元産の「花御所柿」は果肉がきめ細やかでジューシー。鳥取の郷土工芸品「牛ノ戸焼」の器とも美しく調和しています。
「鳥取和牛オレイン55」の年間販売頭数は400頭程度。流通量が少なく知名度は低いながらも、肉好きならば一度は食す価値大の逸品です。伝説の名牛のDNAを受け継ぐ、由緒正しきエリート牛を体感してみてはいかがでしょうか?
たくみ割烹店
住所:鳥取県鳥取市栄町652
電話:0857-26-6355
営業時間:11:30~14:30(L.O.14:00) 17:00~22:00(L.O.21:00)
定休日:第3月曜(8・12月は無休)
URL:
https://mingei.exblog.jp/i4/[All photos by Nao]
Nao ライター
メーカー、ITベンチャー勤務を経てフリーランスに。
学生時代から旅を続け、渡航国は現在50カ国。
特技は陸路国境越え。グルメレポート翌日に大学の最先端研究を取材したり、ロシア州知事にインタビューしたり。幅広い対応力とフットワークの軽さが自慢。日本ソムリエ協会認定資格ワインエキスパート保有。
【1日30個限定】松葉がにが当たるカプセルトイ「カニバーサリー 年末蟹ジ
Nov 15th, 2023 | TABIZINE編集部
カニの水揚げ量日本一、消費量日本一など「5つのカニ日本一」を誇る鳥取県。2014年に県名を「蟹取県」に改名し、「蟹取県ウェルカニキャンペーン」が毎年開催されています。10年目を迎える2023年は「カニバーサリー(カニ+アニバーサリー)」と称し、2024年2月末までカニバーサリーキャンペーンを実施。2022年にも実施された「蟹ガチャ」は、「松葉がに」に加えてベニズワイガニがセットで当たるカプセルトイとして、パワーアップして再登場しますよ!
【今買うべき映え土産】青い海を表現した色が美しすぎる鳥取県「岩美ブルーカ
Sep 16th, 2023 | 西門香央里
旅やお出かけに必須の「お土産」。全国各地には人気のお土産がたくさんありますよね。お店に行くと何を買おうか迷ってしまって時間が経過してしまうことも。ここではお土産にぜひ買ってほしい映える商品をピックアップして紹介します。今回は鳥取県岩美町の「岩美ブルーカレー」です。
【鳥取・島根おすすすめ土産】やさしい甘みに癒される「カントリーマアム(白
Feb 21st, 2023 | Sayaka Miyata
今回紹介するのは、不二家のカントリーマアムと、大山乳業農業協同組合の白バラコーヒーがコラボした「カントリーマアム(白バラコーヒー)」。地元鳥取だけでなく、全国的にもファンが多い「白バラコーヒー」を使用した風味豊かなカントリーマアムです。個包装されているので、ばらまき土産にも。お土産選びの参考にしてみてくださいね。
【山陰限定】松葉がにとしじみ醤油の旨味!「ベビースター松葉がにラーメン味
Feb 1st, 2023 | Sayaka Miyata
山陰の海の幸の王者といえば松葉がに。今回は、島根県や鳥取県のお土産にぴったりな、山陰限定の「ベビースター松葉がにラーメン味」を実食ルポで紹介します。「松葉がに」エキスと「しじみ醤油」を練り込んだ、魚介の旨味を味わえるベビースターは、甘くないお土産を探している人にもおすすめ! 個包装されているので、ばらまき土産にも。お土産選びの参考にしてみてくださいね。
おめでたくて可愛いお土産「因幡の白うさぎ」実食ルポ【鳥取県・島根県おすす
Dec 25th, 2022 | Sayaka Miyata
おめでたくて可愛い「因幡の白うさぎ」を紹介します。「福」を呼ぶ縁起のよい動物として古来親しまれてきたうさぎの形の焼きまんじゅう「因幡の白うさぎ」。出雲空港や鳥取空港で購入することができ、お土産にもおすすめです。購入場所や価格など気になる情報を実食ルポでお届けします。
【ご当地プリンランキング1位の「砂プリン」食べてみた】砂みたいなカラメル
Dec 24th, 2022 | Sayaka Miyata
今回紹介するのは、鳥取砂丘から50歩の場所にあるプリン専門店「Totto PURIN」の「砂プリン」。ジャリッとした食感で、まさに砂を食べているような不思議なプリン、一体どんな味なのかと気になるところですが、これがとてもおいしい! NIKKEI+1内の全国ご当地プリンランキングでも1位を獲得した逸品なんです。鳥取土産にもおすすめですよ。
【鳥取のお土産おすすめ5選】米子鬼太郎空港で買うなら!松葉がに・鬼太郎グ
Oct 23rd, 2022 | 石黒アツシ
旅の楽しみの一つといえばお土産選び! 街中や観光スポットにも魅力的な品々がありますが、鳥取県の米子鬼太郎空港のお土産ラインナップはなかなか魅力的。ご当地グルメの松葉がにのラーメンに、鬼太郎グッズ、某ランキングで全国1位お菓子も。鳥取土産を買うなら要チェック、今回は最新厳選5品をご紹介します。
【鳥取県のアンテナショップ】人気商品ランキングはコレだ! ぜ~んぶ白い!
Sep 23rd, 2022 | わたなべ たい
東京の有楽町や銀座は、日本全国のアンテナショップが集まる一大密集地なのですが、そんな東京で買える、ローカル色豊かな各都道府県の人気商品・お土産をランキング! 第5回目は、「とっとり・おかやま新橋館」を取材。鳥取県の人気商品・お土産を実食ルポで紹介します。
あなたは白バラ牛乳派!?東京・新橋で無料「人気牛乳飲みくらべ体験」が実施
Mar 30th, 2022 | TABIZINE編集部
東京・新橋にあるアンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」では、2022年4月5日(火)まで、「牛乳危機を救え!鳥取&岡山 牛乳飲み比べキャンペーン」が開催中です。これは、鳥取の「白バラ牛乳」と岡山の「蒜山ジャージー牛乳」を無料で飲み比べでき、さらにペアリングにおすすめのお菓子も味わうことができるという、なんとも素敵な催しです。牛乳廃棄を防ぐためにも展開されている同キャンペーン。あなたも全国的にも注目度の高い2種の牛乳を試してみてはいかがでしょうか。
【ご当地パン@鳥取】2022年3月に幕を下ろす伯雲軒「ブドーパン」を実食
Mar 1st, 2022 | kurisencho
「ご当地パン」の世界も時代とともに状況は変化するもの。鳥取県境港市で世代を超えて愛されている「ブドーパン」が、製造・販売元「伯雲軒」の閉業により、2022年3月に終売するという悲報が舞い込みました。東京では「とっとり・おかやま新橋館」に入荷するブドーパンの味を、寂しさもありますが感謝も込めてレポートします!