古代史にぐいぐい引き込む仕掛け
「歴史に憩う橿原市博物館」。“歴史に憩う”とキャッチフレーズごと博物館の名前になっている稀なるミュージアムです。その名前のとおり、橿原市の縄文から江戸時代までの2000年の歴史を映像やイラスト等を使って楽しく紹介し、見て、触って、学べる博物館でした。
古墳がどのように作られたのかわかりやすいイラスト展示があったり、古代米のオコゲがこびりついた釜などがあったり、なるほど・・とぐいぐいと歴史に引き込まれる仕掛けがいっぱいです。(※展示内容は変更される場合があります)
副葬品のあまりのオシャレさに見惚れる!
なかでももっとも目を引いたのが、新沢千塚古墳群内、第126号基から出土されたという金の副葬品(復元模造品)の数々です。こちらは冠の装飾品のようですが、リングやイヤリングなども多く展示されています。
フォルムといいデザインといい、シンプルながらその研ぎ澄まされた美しさに心奪われました。まさに珠玉の古代ジュエリーです!古代の人たちも、これらを身に着けて得意げに自慢していたのでしょうか。
どのように埋葬されていたのかのイラスト説明とともに音響効果も取り入れられていて、ワクワクしながら見学できます。
かつて、ギリシャ北部テッサロニキのヴェルギナ考古学博物館に行きましたが、そこにはアレクサンダー大王の父フィリップ2世の墓があり、その副葬品にも同じような感動を覚えました。とにかくシルバーの器やら装飾品のデザインが見事で、紀元前3世紀というはるか昔のものなのに、現代人の心にも刺さります!ここに来てその感動を再び思い出したのです。数千年の時を経てもなお輝く古代人のお宝は、私たちの宝もの。こんなものを見られる橿原市も日本の宝です。
新沢千塚126号墳は、5世紀後半頃に築かれました。埋葬施設からはペルシャや中国東北部、朝鮮半島など、海外からシルクロードを通じてもたらされた煌びやかな装身具、ガラス碗などが出土しています。オリジナルは国の重要文化財に指定され、東京国立博物館が所蔵しています。
今回は時間に余裕がなくサッと見ただけでしたが、「橿原のルーツ=日本のルーツ」、もう一度ゆっくりと見学に行きたいと思っています。最後に、こんなホッとできる投票もありました!
古代瓦の文様を写すカラー拓本(たくほん)
歴史に憩う橿原市博物館では、1回300円で、古代瓦(レプリカ)の文様を紙に写し色紙に貼って、お土産にできるカラー拓本体験ができます。
日本で屋根に瓦が使われたのは、6世紀末の飛鳥寺(奈良県明日香村)が初めてといわれていて、当時の丸瓦の文様を使って拓本をスタートします。
長机の上には、人数分の瓦とその模様を写す用紙と水スプレーが用意されていました。これに水をふりかけます。
その後、紙の上から好きな色をおいていきます。
乾いたら瓦から紙を外して、新聞紙に挟んで乾かします。
完全に乾いたら、ハサミで柄部分を切って台紙に貼り付けます。
これで完成!何度でもやりたくなりますよ。
住所:奈良県橿原市川西町858-1
電話:0744-27-9681
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
料金:大人300円
※土・日曜日限定で開館
㏋:https://www.city.kashihara.nara.jp/article?id=5c521ce965909e2ebea905de
お花見とともに古墳浴を!
歴史に憩う橿原市博物館から歩いてすぐのところに新沢千塚(にいざわせんづか)古墳群があります。なんと、辺り一面ポコポコと円墳が続いていて、周りには桜の木が!遊歩道も整備されていて古墳内を散歩しながら「古墳浴」できます。桜の季節にはぜひ、春風に吹かれて古墳浴を楽しんでみませんか。
住所:奈良県橿原市川西町786
開館時間:24時間
㏋:https://www.city.kashihara.nara.jp/kankou/own_bunkazai/bunkazai/spot/niizawasenzuka.html
お宿は飛鳥懐石をいただけるホテル「ザ・カシハラ」へ
橿原市観光のためのお宿なら、ぜひ「ザ・カシハラ」へ!とにかく部屋が広いうえに、お料理もおいしく、温泉付き!ギフトショップが充実しています。
こちらが、泊まったお部屋。普通のホテルとは比べものにならないくらいの広さです!
夕食は、飛鳥懐石をいただきました。写真はその一部。
こちらが名物「飛鳥鍋」!飛鳥時代はヤギの乳が使われていたようですが、ここでは味噌と牛乳のスープです。
デザートは前方後円墳型のチョコレートケーキ!!!!!たまらなく愛おしい古墳型にも恋をしてしまいました。
※新型コロナウィルス感染減少のタイミングで、日本旅行のツアーが開催される予定です。
[All Photo by SACHIKO SUZUKI]