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【八重山諸島・黒島】牧場が広がるのどかな小島。牛が草を食み、ウミガメが訪れる

Posted by: ロザンベール葉
掲載日: Apr 23rd, 2021.

石垣港からフェリーで約30分。八重山諸島にある黒島は、ハートの形をした小さな島です。牛の牧畜が盛んで「牛の島」として知られています。ウミガメが産卵に訪れるという美しい「西の浜」、八重山屈指のシュノーケリングスポット「仲本海岸」など豊かな自然に恵まれています。3月半ば、のどかな時が流れる素朴な島をサイクリングで周ってきました!

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黒島 牛


サイクリングに最適な平坦な島

黒島

八重山諸島にある黒島は、国内最大級のサンゴ礁域である石西礁湖に浮かぶ、周囲12km、最高標高13mというサンゴ礁が隆起してできた平坦な島です。1972年に全域が西表石垣国立公園に指定されています。

フェリー

石垣港離島ターミナルからフェリーでほぼ30分。フェリーは2社あるので時刻をホテルやHP、港で確認して下さいね。両社とも午前中に各2便。日帰りで周るのなら午前中に出発するのがベターです。※大人片道1,170円/往復2,230円

まずは港の目の前にあるカフェ・レンタサイクル「ハートらんど」で自転車を借ります(少し先にもレンタサイクル店が1軒あり)。平坦なので普通自転車で全く問題ありませんでした。電動自転車、ミニベロバイクもあります。筆者はまずは4時間借り、結局4時間を超えてしまったので1日分の料金を追加で払いました。午後のフェリーも各社2便のみなので、帰りの時刻も確認しておきましょう。

あるガイドブックには「島内をぐるっと回って約1時間40分」とありましたが、それぞれをゆっくり見たり休んだりすると4時間でも足りないほどです。

普通自転車、ミニベロバイク
2時間 500円(税込)/4時間 1,000円(税込)/1日 1,200円(税込)
電動自転車は全て倍の料金
詳しくはこちら

売店は集落にしかないので、事前に飲み物を用意しましょう。また食事をする場所が限られ、シーズンオフには休みだったりランチの時間を過ぎると閉めることも多いので、事前に確認するか持参した方が良いでしょう。筆者は島を周った後、遅いランチにこのレンタサイクルのカフェを利用しました。島内では、キャッシュレス決済やクレジットカードはほぼ使えません。

ウミガメが産卵に訪れる「西の浜」

黒島サイクリング

では出発です!まずは「西の浜」に向かいます。少し行くといきなり豊穣の森の趣です。野生の世界に迷い込んだかのよう。

黒島サイクリング

どんどん奥深くなっていきます。ここでびっくりしたのが、突然林の中からクジャクが出てきたこと!大きく羽を広げているではありませんか!まさか黒島にクジャクがいるとは思っておらず、感動しました。しかし、それは喜ぶべき事態ではないと後で知りました。

黒島 西の浜

出発してほどなく「西の浜」に到着。八重山ブルーが見えてきましたよ!一気に南国の楽園気分!

黒島 西の浜

幸いにも晴れていたので、素晴らしいエメラルドブルー!全長1.1kmの美しい砂浜が続きます。

黒島 西の浜

夏場にはウミガメが産卵に訪れることが確認されています。ウミガメは人の気配や明かりに敏感なので、夜には人は入れません。

ほかの島でしたが、夜に浜辺を散歩していたところ、ウミガメの産卵保護のため明かりをつけないよう、また夜に浜辺に立ち入らないよう注意されたことがあります。

こんな美しい海を見ると、産卵場所になるほどきれいな浜辺を残すため、海で遊ぶ時はゴミは捨てずに持ち帰り、いつまでも美しい海を守っていきたいと思わずにはいられません。

黒島研究所

ウミガメつながりで、次の見どころ「黒島研究所」です。NPO法人日本ウミガメ協議会付属の施設です。主にウミガメの研究をし、その成果を伝えるための展示室があります。

黒島研究所

資料展示室には、ウミガメのはく製が展示されていました。それぞれに詳しい説明がついています。サンゴやイルカの骨格などの標本もあります。

黒島研究所

飼育中のウミガメもいます。餌やり体験(200円・税込)もできますよ。ちなみにこちらでウミガメのイラストがプリントされた手ぬぐいを購入したのですが、ここでしか入手できないと思います。

黒島研究所

先ほど見かけたクジャクを発見!実は1979年にとあるリゾートホテルに持ち込まれたものが観賞用として各地に寄贈され、台風の時に飼育小屋が壊れて数羽が脱走。その後、天敵がいないため異常繁殖したのだと知りました。

今では八重山のほかの島にも生息。そのせいでトカゲ類が激減し、従来の生態系が破壊されているとのこと。黒島の畜産業にも悪影響が出ているそうです。クジャクを見られて喜んだのもつかの間、こんな問題が起きているのですね。

参考:黒島研究所「黒島に定着したインドクジャクについて」
黒島研究所:http://kuroshima.org/

黒島ビジターセンター

少し行くと「黒島ビジターセンター」があります。環境省の施設で、国立公園である黒島の自然や島の生活様式、民俗資料を展示しています。

黒島ビジターセンター

かつて島で使われていた農工具や生活用品が展示され、黒島についてわかりやすく紹介する映像もあります。

黒島最大の行事「豊年祭」の写真があり、その祭について館の方に少し尋ねたところ、年配の男性が来ていろいろと説明してくれました。実はその方が祭の中心人物なのでした。島について知りたい方はぜひ訪れてみて下さい。民具作りや三線体験もできます(予約不要。コロナ禍により不定)。

プズマリ

すぐ近くにある「プズマリ」です。島で最も高い場所にあり、琉球王府時代に海上を行く貢船や異国の船を監視するために使われていたそうです。

また島内には御嶽(沖縄本島では「うたき」と読みますが、黒島では「わん」と呼ぶようです)が点在しています。島民にとっての信仰の場であり聖地です。むやみに立ち入らないように、とのことです。

八重山を代表するシュノーケリングスポット「仲本海岸」

宮里海岸

「プズマリ」から浜に出ると「宮里海岸」です。施設がないのであまり知られていない、手つかずの自然が残るビーチです。シュノーケリングはできるようですが、監視員はいないので注意が必要です。ただ景色を眺めているだけでも気持ちの良い場所です。

仲本海岸

その先には、八重山屈指のシュノーケリングスポット「仲本海岸」があります。島の周辺に広がる「石西礁湖」は、国内最大のサンゴ礁海域です。海は透明度抜群で、魚の種類も豊富だそう。

シャワーやトイレ、更衣室、自動販売機があるので、海で遊ぶのならこちらがおすすめです。筆者が訪れた3月中旬には泳いでいる人もいましたが、まだ少し早かったです。港から直接来れば、自転車で15分。

その後、南端の「黒島灯台」まで行きましたが、灯台に上ることはできませんでした。時期によるのかもしれません。灯台まで港から直接来れば30分。

牧草地にはたくさんの牛たちが!

黒島 牧場

集落までは牧草地が広がります。これぞ黒島を代表する景色でしょう。島のほとんどが牧場といっていいほど牧畜が盛んです。この小さな島では、人よりも牛の方が多いといわれるのが一目瞭然。あらゆる場所で牛を見かけました。毎年2月には「牛まつり」が行われるそうです。

黒島 牧場

のんびりとくつろぐ牛たちが、のどかで素朴な島の雰囲気を醸し出しているといえるでしょう。島時間がゆったりと流れていきます。

黒島 集落

灯台から北上すると集落があります。昔ながらの石垣や赤瓦屋根の美しい景観が残っています。港までの道は「日本の道100選」に選ばれているそうです。

黒島 集落

集落も美しいまま残されています。黒島は八重山諸島の中でもまだ開発を免れている島です。開発されずにこの昔ながらの集落や手つかずの自然を残してほしいと願います。

黒島展望台

集落から少し行った島のほぼ中央に建つ、現代美術をも思わせる建築物が「黒島展望台」です。突然表れてちょっと驚きます。

黒島展望台からの眺め

島内を360度見渡すことができ、晴れた日には石垣島、竹富島、西表島が見えます。

黒島 ヤギ

山羊も時々見かけました。沖縄ではヤギ汁があるくらいですから、身近な生き物なのですね。

蝶々が飛び交い、熱帯魚が泳ぐユートピア

黒島 蝶々がいる道

「伊古(いこ)桟橋」までの道は、たくさんの蝶々がいることで知られているそうです。確かに異なる種類のつがいの蝶を見かけました。ほかの道でも度々見かけましたが、この通りが一番多かったです。

黒島 蝶

蝶々が飛び交う中をサイクリングしていると、なんともいえず平和な気分になります。違う世界に紛れ込んだかのよう・・・。

伊古桟橋

「伊古」という集落の北には、2005年に国の登録有形文化財に登録された「伊古桟橋」があります。かつては石垣島から船が行き来していたそうですが、今は船着き場としては使用されていません。満潮時には海の上を歩いているような気分を味わえ、朝焼けもおすすめだそうです。

伊古桟橋から眺める海

周囲には遠浅の海が広がります。

伊古桟橋から眺める海

真っ青な小魚がいました。シュノーケリングをしなくても熱帯魚を見つけられるほどの透明度!ここまで来て、俗世の垢はほぼ浄化されたような・・・。

おばあの優しさに感動!

黒島 シーサー

港の売店で黒島ならではのものはないかな、と物色してみました。牛をモチーフにした手作りポーチやTシャツなどがあり、家族へのプレゼントに購入。

売店にいたまさしく沖縄の“おばあ”が、Tシャツを割引してくれました。というのも、好みのデザインに欲しいサイズがなく、筆者が迷いに迷って決めるのを見ていたから。とっさのさりげないおばあの優しさに、思わず胸が熱くなりました。最近は都会では滅多にこんなことはありません。

この時、また明日もこの島を訪れようと決めました。素朴でのんびりとした黒島をすっかり気に入ったからでもあります。いつまでも手つかずの自然、人の優しさがそのままでありますよう。

[All photos by Yo Rosinberg]
Do not use images without permission.

ロザンベール葉

ロザンベール葉
主に横浜・東京で育ち、縁あって京都に在住。美術書出版社勤務を経て、フリーランスライター歴20年余り。フランス人のパートナーと共に、フランスとイタリアを中心に気ままな旅をする。海はどこも好きだけど、「地中海」という響きに憧れる。マイペースが好き。


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