西表島
第10位・イラン(26件)
【代表的な世界遺産】イスファハンのイマーム広場
イランを代表する世界遺産といえば、イラン初の世界遺産のひとつである、イスファハンのイマーム広場。イスファハンは16世紀末に最盛期を迎えたサファヴィー朝の都で、政治・経済・宗教の中心として繁栄し、「イスファハンは世界の半分」とも呼ばれたほどでした。
イマーム広場はそんなイスファハンの中心であり、象徴。緻密なアラベスク模様の装飾が美しいモスクや宮殿、バザールに囲まれた広場は地上の楽園のよう…ここに来れば、イランのイスラム芸術の真髄が味わえます。
第9位・ロシア(30件)
【代表的な世界遺産】モスクワのクレムリンと赤の広場
モスクワのクレムリンと赤の広場は、ロシアの激動の歴史を目撃してきた世界遺産。クレムリンはロシア帝国時代からある宮殿で、その正面に「赤の広場」が広がっています。ロシア革命期には、革命軍と反革命勢力の戦闘が繰り広げられたことも・・・。
赤の広場に建つ聖ワシリィ大聖堂は、「ロシアで最も美しい」との呼び声高い教会。色とりどりの玉ねぎ頭が並ぶカラフルなその姿は、さながら童話に出てくるお城。一生に一度は見てみたい、ロシアを代表する風景です。
第8位・イギリス(33件)
【代表的な世界遺産】ウエストミンスター宮殿、ウエストミンスター大寺院および聖マーガレット教会
ウエストミンスター宮殿、ウエストミンスター大寺院および聖マーガレット教会は、イギリスで一番人気の観光スポット。
ロンドンのテムズ河畔に鎮座するウエストミンスター宮殿は、世界で最も有名な国会議事堂で、「ビッグ・ベン」の愛称で知られる時計塔がシンボル。全長約265mの宮殿には1100以上もの部屋があり、時期によっては内部見学もできます。
ウエストミンスター宮殿の背後に建っているのが、国王の戴冠式やロイヤルウェディングの舞台でもあるウエストミンスター寺院。世界でも有数のゴシック教会で、堂々たるファサードや繊細なきらめきを放つステンドグラスは圧巻です。
第7位・メキシコ(35件)
【代表的な世界遺産】古代都市チチェン・イッツァ
メキシコ南東部のユカタン半島に残るチチェン・イッツァは、マヤ文明最大の都市。「チチェン・イッツァ」とは「聖なる泉のほとりの魔術師」を意味し、高度な数学や天文学の知識を備えていたという、在りし日のマヤ文明を今に伝えています。
中でも見ごたえがあるのが、中央にそびえるピラミッド「エル・カスティージョ」。最上部の神殿を合わせて全部で365の階段があり、これ自体がマヤ暦で1年を表しています。まだまだすべてが解明されていないチチェン・イッツァ。謎があるからこそ、よけいにロマンを感じませんか?
第6位・インド(40件)
【代表的な世界遺産】タージ・マハル
インドで最も有名な建造物が、北インドの都市アーグラにあるタージ・マハル。一見イスラム教のモスクか宮殿かのようですが、タージ・マハルはムガール帝国の皇帝シャー・ジャハーンが、亡くなった愛妻のために造らせた「お墓」なんです。
完璧なまでに左右対称に造られた造形美や、「象嵌(ぞうがん)細工」と呼ばれる繊細な装飾は見事。有名な世界遺産だけに映像や写真で見る機会も多いですが、実際に目にしたときの感動は格別です。
第4位・スペイン(49件)
【代表的な世界遺産】コルドバ歴史地区
イスラム文化の薫りが残るアンダルシア地方でも、特にエキゾチックなムードが漂う町のひとつが古都コルドバ。歴史的な町並み全体が、「コルドバ歴史地区」として世界遺産に登録されています。
そんなコルドバ観光のハイライトが、「メスキータ」。イスラム王朝がこの地を治めていた時代にイスラム教のモスクとして建てられ、のちにキリスト教の教会に転用されるという、波乱万丈の歴史を経てきました。
現在は教会として使われていますが、アーチやミフラーブなど、イスラム芸術の特徴を示す要素が数多く残されており、異世界に迷い込んだかのような幻想的な雰囲気を漂わせています。
第4位・フランス(49件)
【代表的な世界遺産】リヴィエラ観光の都ニース
南仏コート・ダジュールの中心都市ニースは、2021年に登録されたばかりの新しい世界遺産。18世紀以降、ニースはヨーロッパの貴族や上流階級が冬を過ごす避寒地として発展。独自の歴史や観光都市としての成り立ちが評価され、世界遺産に登録されました。
「リヴィエラの女王」の異名をとるニースの町を一望できるスポットが、高台にある城跡公園。紺碧の海と全長3.5kmの海岸通り「プロムナード・デ・ザングレ」、旧市街のオレンジ屋根が織り成す風景は、まぎれもない絶景です。
第3位・ドイツ(51件)
【代表的な世界遺産】アーヘン大聖堂
アーヘン大聖堂は、ドイツ西部の町アーヘンのシンボル。1978年に登録されたドイツ初の世界遺産で、世界で最初の世界遺産のひとつでもあるんです。
790年~800年ごろにかけて建てられたのち、約600年間にわたって神聖ローマ皇帝の戴冠の場となったことから、「皇帝の大聖堂」の異名をとってきました。さまざまな建築様式が混在しているアーヘン大聖堂は、ビザンティン様式の影響を受けているために、どこかエキゾチックなオリエンタルな香りが漂います。
天井や壁面を覆う黄金色のモザイクや、高さ25mの巨大なステンドグラスがはめこまれた「ガラスの家」など、内部には息を呑むほどの幻想風景が広がっています。
第2位・中国(56件)
【代表的な世界遺産】莫高窟(ばっこうくつ)
シルクロードのオアシス都市として栄えた敦煌近郊にある莫高窟は、中国三大石窟のひとつ。その歴史は、366年に楽僔(らくそん)という僧侶がこの地を訪れた際、金色に輝く光を見て開削を始めたといわれています。
鳴沙山(めいさざん)東麓の断崖に南北1.6kmにわたって700以上の石窟が掘られ、内部は極彩色の壁画や2000体以上の仏像で飾られています。外観からは想像もつかないほど鮮やかな色彩に満ちた石窟内は、この世の極楽浄土のよう。
断崖絶壁に、アリの巣のように石窟が並ぶ光景は壮観。途方もないスケール感は、「さすが広大な国土と悠久の歴史を持つ中国」と思われせられます。
第1位・イタリア(58件)
【代表的な世界遺産】フィレンツェ歴史地区
栄えある第1位は、「世界遺産登録数首位」の座を維持し続けているイタリア。世界的に有名な世界遺産を有するイタリアでも、特に人気・知名度ともに高い遺産のひとつがフィレンツェです。
メディチ家の統治のもと、15〜16世紀に最盛期を迎えたフィレンツェは、まさに天井のない美術館。サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂やウッフィツィ美術館、ピッティ宮殿といった壮麗な建造物の数々が残る町並みがまるごと「フィレンツェ歴史地区」として世界遺産になっています。
ルネッサンスの舞台となったフィレンツェは、数百年ものあいだ時が止まっているかのような芸術の都。世界に名だたるウッフィツィ美術館で名画にふれたり、大聖堂のクーポラ(ドーム)にのぼって絶景を眺めたりと、楽しみは尽きません。
ちなみに、日本はというと・・・世界遺産登録数は25件で第11位。このまま日本が順調に世界遺産登録件数を伸ばせば、トップ10入りする日もやってくるかもしれません。
今後の世界的な傾向としては、新興国からの世界遺産や近現代の世界遺産が増えていきそうです。
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