ミシュランガイド三ツ星名料亭による山房風サロン
(C)無碍山房 Salon de Muge
京都の祇園から徒歩圏内、八坂神社や枝垂れ桜で知られる円山公園から東山方面に向かうと「無碍山房 Salon de Muge」が、まさしく山房のような趣でたたずんでいます。お店の周りや庭に配された木々の緑に囲まれています。
さらに東に行くと、ミシュランガイドで三ツ星を獲得し続けている本店の名料亭「菊乃井 本店」があります。そして2022年版では「無碍山房 Salon de Muge」もビブグルマンに選ばれました。
モダンな数寄屋造りの贅沢な空間
(C)無碍山房 Salon de Muge
扉の先には、青紅葉や桜など、四季折々の植物があしらわれた美しい苔の庭を望めるカウンター席があります。特に目を惹くのが、主人の村田吉弘氏と付き合いのある織部焼の陶芸家が一枚一枚手がけたという、微妙な色合いのブルーやグリーンのタイル。緑をイメージカラーにしているというモダンな数寄屋造りの空間に、シックな華やかさを添えています。
奥には、カウンター席とはまた異なる雰囲気のテーブル席があります。壁には画家・熊谷守一の作品が飾られ、また彫刻家・名和晃平の作品も置かれています。山房に現代アートとは面白い組み合わせです。
こちらの建築を手がけたのは、京都の名数寄屋大工として知られる中村外二工務店。茶道裏千家御用達であり、伊勢神宮の茶室や京都の瑠璃光院などもこちらによるものです。空間にモダンな趣が出るよう天井を斜めにするなど、細部に至るまでこだわりが感じられる上質な空間です。
テーブル席からも、全面のガラス窓から緑あふれるお庭を眺めることができます。BGMにはクラシックが流れ、しっとりと落ち着いた大人がくつろげる雰囲気です。
季節のパフェ(モンブラン)、濃い抹茶パフェを実食!
ちょうど始まったところだという「季節のパフェ(モンブラン)」1,600円(税込)。漆器のお皿に盛りつけられているのが、料亭の山房であるこちらならでは。
丹波栗と天津甘栗を合わせ、牛乳とブランデーを加えたマロンペーストは大人向けの味わい。ペーストの下には、なめらかな口どけが印象的で、栗の風味がしっかりと感じられるマロンアイス、フルーティーなアマゾンカカオを使用した濃厚なカカオアイスが半分ずつあしらわれています。
中に隠されたオレンジピールの酸味が全体の甘味を引き締めています。そしてマロンペーストの中にも上にも、軽く焼いた栗の甘露煮と渋皮煮がゴロゴロと盛り込まれ、ほっくりとした秋の味覚を存分に堪能できます。
季節限定のスイーツには「まろんすいーとぽてと」1,300円(税込)もあります。
(C)無碍山房 Salon de Muge
常時いただける「無碍山房濃い抹茶パフェ」1,600円(税込)。抹茶の風味がかなり濃厚です。まるで抹茶を食べているかのような、お濃茶パフェと呼びたいようなイメージ。実際に通常のお抹茶に使う4倍の抹茶粉、最高級の宇治抹茶のみを使用しているそうです。
中には自家製のカステラ、小豆、白玉、抹茶ゼリーが入っています。甘さ控えめでできる限り余計なものは使わず、抹茶を食べるようなイメージのパフェなのだそう。本当にお濃茶をいただいているかのような味わいでした。
素敵なカップで香り高いコーヒーもいただけます。四季折々に表情を変えるお庭を眺めながら、ゆったりとしたひとときを過ごせます。
もちろんお昼の「時雨弁当」5,000円(税込)もおすすめです。
そして、さすがは名料亭による山房。洗練されながらも温かみのあるおもてなしに感心しました。
お土産も購入できる!
こちらに寄ったついでに、「菊乃井」のお土産を購入することもできます。お湯をかけるだけと簡単さが人気の各種「にゅうめん」。
昨年発売されたという「カレー」や、料理や甘味全てに使用しているお水を、持ち帰りができるようさらに精製し瓶に詰めた「菊乃井 水」などもあります。
本店は敷居が高くてなかなか伺えなくても、サロンのような山房で和スイーツやコーヒーと共に気軽に喫茶を楽しめます。京都で非日常を感じるひと時を過ごしてみませんか。
住所:京都市東山区下河原通高台寺北門前鷲尾町524
電話:075-561-0015(予約) 075-744-6260(問い合わせ)
営業時間:昼食11:30~13:00入店まで(予約可)、喫茶11:30~18:00(L.O.17:00)
定休日:第1、第3火曜日
※年末・年始休みあり。
※月により変更となる場合があります。
URL:https://kikunoi.jp/kikunoiweb/Muge/
[Photos by Yo Rosinberg]
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