コロナ禍ピンチに一発逆転! 薬剤師が作る「おにみみコーラ」物語
なにやら昭和レトロな雑貨店? と思ったら、明治38年から風邪薬「おにみみ」を製造・販売して116年という立派な老舗製薬会社「端壮(たんそう)薬品工業株式会社」でした。写真は中村康之也(やすのり)社長。
2020年春にコロナ禍になって以降、全国民が感染対策を熱心にやり始めたら風邪にかかる人が少なくなって風邪薬もパタッと売れなくなった……。半年経って売り上げも8割減、創業以来の大ピンチ!
中村社長が追い詰められてあれこれ打開策を考えていた時、ふと娘と一緒に見ていた子供新聞の中で目に留まったのが「クラフトコーラ」。
クラフトビールが人気なら、手づくりコーラのブームも来ていた! 中村社長がコーラの起源を調べてみると、なんと実は140年前に薬剤師が頭痛薬として作った「クスリ」であることが判明。
ええええ~~~~! コーラって「薬」だったの! って皆さんも驚きますよね。ペプシコーラも「ペプシン」という消化不良の治療薬がルーツだそう。
そこで閃いた薬剤師の中村社長。自家製クラフトコーラの試作品を作り、家族で試飲。「季節ごとに味を変えれば?」と娘の意見あり。そして完成品を世に出してみると、これが思わぬ大ヒット! という物語です。この内容を、お客さんに社長自らが手作り紙芝居でプレゼンしてくださいますが、めっちゃワラえます。この「ステージ」を見るためだけに、今井町に来る価値は絶対にあります(笑)。
「おにみみコーラ」は濃厚なコーラのシロップ。基本的にシロップ1、炭酸やお湯を10~13の割合で割っていただきます。お湯で割ってレモンを添えればレモンティー風、牛乳で割ればコーラチャイ。カクテルやハーブティーなど、自分なりにいろいろアレンジできるのが大きな魅力です。頂いてみると少しスパイシーさもあって美味! 筆者も自宅に持ち帰り、さまざまなヘルシードリンクを楽しんでいる最中です。中村社長によるとポッカレモンを加えてもおいしいそうです。
材料はこちらの香辛料13種。10種をベースにして、3種類は季節ごとにスパイスやハーブの配合を変えているそう。
1本90ml、税込1058円(6杯分)。ちなみに116年続く風邪薬「おにみみ」は1包3袋入350円、頭痛薬「マルコサラリン」は1包3袋入300円。
住所:奈良県橿原市今井町4-5-10
営業:9:00~17:00 無休(店舗のみ)
電話:0744‐23‐7700
HP:https://onimimicola.jimdofree.com/
今井町初の古民家カフェ、ハックベリー
今井町古民家カフェの先駆者である成田弘樹さんが、東洋と西洋のアンティークを融合させて、ニューノスタルジーなハックベリーワールドをつくり上げています。
フランス、オランダ、ドイツ、デンマークなど、いろいろな国の素材や壁紙などが、東洋の空間に散りばめられていて、外国人が来ても、自分の国の懐かしいものが一つはあるというお店。
ランチメニューだけではなく、スイーツやディナーメニューも豊富です。写真は、左上は栗カボチャを使ったシャンパンオムライス、右上はビーツのシャンパンオムライス、右下はご飯をローストビーフで巻いたハックベリーライス(黒カレー)、左下は女性に大人気の特製アボカド丼。
オープン当初からの人気スイーツ、ダッチベイビー(ドイツ風パンケーキ)。2022年10月には紅茶専門店をオープン予定。
住所:奈良県橿原市今井町1‐3‐3
電話:0744-29-0080
営業:11:00~21:00 (ラストオーダー20:30)/火曜日11:00~18:00(ラストオーダー17:30)
無休
HP:https://cafe-hackberry.net/
ザ・昭和アンティークと休憩のお茶ならここ
一歩お店に入った途端、昭和一色! 昔、家に置いてあったような懐かしいテイストの食器類がズラリ。一つひとつ手に取ってみていると、子どもの頃の思い出が蘇ってきます。
「古道具を売りながら、町家の空間をいろんな人に楽しいでほしいと思いカフェも始めました」と、店主の寺田栄子さん。
仕入れるのは昭和時代の古道具で、できる限りデットストックで新品ものを選んでいるそうです。
季節の果物を使うおやつは、米粉を使ったスイーツがメイン。米粉は天の香具山の麓でとれる無農薬の米を使用。米粉クレープやシフォンケーキなどが人気で、写真はシフォンケーキをサイコロ状にカットしてジョッキグラスにつめこんだパフェ風です。
こんなちゃぶ台に座って、旅の疲れを癒せます。
住所:奈良県橿原市今井町4-5-15 電話なし
営業:12:30~17:00(ラストオーダー16:00)/日曜日11:00~17:00(ラストオーダー16:00)
休日:土曜日・他不定休
インスタグラム https://www.instagram.com/_._em.sky_._/
農家オーベルジュで橿原(かしはら)名物「飛鳥鍋」を!
今井町で夕飯をいただくなら、奈良県産の旬の無農薬野菜をつかった「飛鳥鍋」をぜひ!
飛鳥鍋とは、鶏肉、野菜を牛乳とだし汁で煮込んだ奈良県の郷土料理です。牛乳鍋のルーツといわれていて、孝徳天皇(645~654年)の時代に中国から牛乳が伝わり、神社の修行僧が牛乳を沸かして鶏を食べたのが始まりとか。こちらでは、冬はオーナーが狩りをして仕留めたイノシシの肉が出ることもあるそう。
こちらは前菜。「うちは農家をやっているので、新鮮な旬のものを召し上がってほしい」とオーナーの恵良(いら)容子さん。ランチも流行っているそうで、小さい子どもも来られるようにお座敷も用意。
古い蔵を利用したゲストハウスも併設。
一見の価値あり。1日1組限定で予約を受けています。
住所:奈良県橿原市今井町4-10-6
電話:0774-48-0458
営業:ランチ11:00~15:00 (ラストオーダー14:00)/ディナー18:00~21:00(金、土、日曜日のみ要予約)
休日:月曜日(月曜日が祝日の場合は営業、火曜日が休み)
HP:https://www.instagram.com/komorebi_nara/
[All photos by SACHIKO SUZUKI]