老舗温泉宿ならではの「おもてなし」と「安心感」
山梨きっての温泉地「石和温泉」。大自然に溢れ、おいしい土地のワインと料理を存分に味わえて、とにかくおもてなし力の大変高い宿が、天然温泉源泉100%の「ホテル八田」です。写真は、女将の八田知子さんと総支配人の菅野晴一さん。
1961年、石和町のぶどう畑から突然温泉が湧き、以降、町は湯治場として発展しますが、その初期の1968年(昭和43年)に創業し町の歴史を見守り続けてきたホテル八田。
山梨の発展に貢献した名家「八田家」の経営ということもあり、常に地域と親密なつながりを保ってきたこのホテルで、お客は居ながらにして土地の文化に触れることができます。これこそが他にはない大きな魅力でしょう。写真は上階客室から眺める景色。遠くに富士山が!
純和風の客室に、熟睡を目指した究極のお布団
もっとも感動したのは食事の質の高さと、布団へのこだわりです。こちらは筆者が宿泊した本館の客室。7階建てで全55室あります。1部屋、2部屋、3部屋と3タイプの客室があり、清潔感に溢れています。
夕食後ゆっくり温泉に入って客室に戻ると、すでに就寝の用意が。これぞ至福のひととき。敷布団に横になってみると、適度な固さながらクッション性もよいマットレス。気になってシーツを取って見てみると、凹凸の独自のカットが施されていました。寝心地も最高で、久しぶりに一度も目覚めず爆睡できました。早速、翌朝女将さんにこの敷布団のことを尋ねると「爽快布団」を使用しているそう。この布団を買いたくて特別に説明書をいただいたほどです。
バリスタのコーヒーメーカーがあるのはうれしいサービスです。
客室にも浴槽付きのお風呂が付いていますが、ボディソープやシャンプーが大浴場のものとは違うのも感動でした。もちろん、大変良い香りです。
1階の露天風呂付き大温泉と、7階の展望ワイン風呂
お風呂は、まずは天然温泉源泉(アルカリ性単純温泉)100%の露天風呂。こちらは殿方用のお風呂。お庭も美しく、さまざまな趣向が凝らされていて楽しめます。
そして、20年前から話題を集める「展望ワイン風呂」がこちら。源泉にアルコール分を抜いたワインエキスが混ぜられていて、ブドウのポリフェノール効果でお肌もしっとり。発汗作用にも優れ、とにかくワインの甘い香りに包まれて、よい気分に!
ワイン風呂はほかでも何度か入ったことがありますが、こちらのお湯はやわらかな肌触りで入った後ポカポカと体が芯から温まりました。子どもも入れるそうです。
料理長がこだわり抜いた夕食!
温泉宿のいちばんのお楽しみの時間、夕ご飯に最大級の力が注がれています! こちらがお品書き。
まずは白ワインに合う、和食の前菜やお造り、焼き魚。ほとんどは地元の食材、たとえば、あみ茸や甲斐サーモン、キングサーモンとニジマスを交配した山梨県のブランド魚、富士の介など。お料理に合わせるワインは、国内外で数々の受賞歴をもつ地元の本坊酒造の白と赤。すぐ近くにワイナリーがあります。
こちらが、赤ワインに合わせるお肉の料理。
お肉は信玄豚のしゃぶしゃぶ!
甲州ワインビーフのステーキもちょうど良い量です。
訪れたのがちょうど秋口(2021年)だったので、瑞々しい巨峰と上品な手づくりチーズケーキ、メロンもいただきました。
食事する際も、個室を選べたり、または他の客が気にならない衝立での仕切りのある部屋を使うなど、ソーシャルディスタンスが保たれていて安心です。
ワンコインで幾種類もの山梨ワイン試飲ができる日も!
不定期となりますが、ロビーエリアではピアノの生演奏、そして、山梨産ワインが約10種は味わえる、500円ワンコイン試飲会も開かれます。
「和音(ワイン)と温楽(おんがく)の夕べ」の開催日は下記の公式Webサイトでご確認を。
こちらは、ホテル八田オリジナルのワイン。お料理に合わせるワインも、総支配人・菅野さんのこだわりが感じられます。
温泉の気持ち良さ、最高レベルの食事、館内の清潔感、高級アメニティを使い、布団にもこだわるホテル八田。ゲストを心から歓迎する気持ちが伝わってきます。泊ってみて初めて、長年愛される理由がわかりました。
新型コロナウィルス感染予防対策も山梨県独自のグリーンゾーン認証を取り入れ、県のお墨付き。石和温泉駅から車で約5分。駅からの送迎(行きは要予約)シャトルバスが出ています。ちなみに、石和温泉駅の1階「石和温泉駅ワインサーバー」では、笛吹市でつくられるワインの試飲ができます。
(笛吹市石和温泉駅観光案内所内)
住所:山梨県笛吹市石和町市部822
電話:055-262‐3645
温泉帰りには、人気スイーツスポット「ヤツドキテラス石和」へ
ホテル八田から車で約10分、笛吹川の堤防沿いに地元でも人気のスイーツスポット「ヤツドキテラス石和」があります。天気の良い日は、2階のテラス席へ。気持ちの良いおやつ時間が過ごせます。
人気はやはり「バームクーヘン」。
季節の果物を使ったお菓子が地元でも好評で、こちらではランチメニューも用意しています。
ヤツドキテラスの経営にあたるのは、全国展開する人気のスイーツ店「シャトレーゼ」。山梨県甲府市発のお菓子メーカーで、元は今川焼風のお菓子を売る「甘太郎」からスタートしていたこと、ご存知でしょうか? 創業は昭和29年。その10年後には「大和アイス株式会社」を設立。昭和42年にその両社が合併して「株式会社シャトレーゼ」となりました。驚くことに、令和3年、東京の亀屋万年堂もシャトレーゼグループの傘下となっています。
とにかくは、関東方面からの温泉ドライブの帰りにぜひ立ち寄ってみてください!
[All Photos BY SACHIKO SUZUKI]