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伝統美と現代の感性が美しく響き合う「ホテルインターゲート金沢」【宿泊ルポ】

Posted by: Nao
掲載日: May 3rd, 2022.

ふと思い立ち金沢を旅することに。一人だから宿はコスパを重視したいけれど、普通のビジネスホテルではつまらない……。そんなとき目にとまったのが、2019年にオープンしたという「ホテルインターゲート金沢」。洗練された美空間ながら料金はお値打ちで、夜食バイキングなどラウンジサービスが充実している模様! さらに立地も申し分なし。これは行かねばと早速予約したのでした。

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2019年3月オープン。どこもかしこもピカピカ

金沢屈指の繁華街、香林坊と武蔵ヶ辻の間あいだに位置する「ホテルインターゲート金沢」。近江町市場からは徒歩5分ほどで、21世紀美術館や兼六園などの名所も徒歩圏内と、観光やビジネスの拠点にぴったりなロケーションです。

デザインのコンセプトは金沢に古くより根づく伝統や文化。たとえば外壁は金沢城跡の石垣がモチーフとなっていて、さまざまな石で構成される風合いを多彩なパネルで表現しています。

金沢に息づく伝統美がそこかしこに

​エントランスを抜けると、まず目に飛び込んでくるのがフロントの鮮やかなタイル。これは加賀友禅や九谷焼に使われる「加賀五彩」という伝統的な色の組み合わせ。見ているだけで気分も華やぎます。

フロントの向かいにある「インターゲートラウンジ」は同ホテルの中核ともいえる場所。朝食やアフタヌーンサービス、夜食など1日を通して多彩なサービスを提供しています。

コーヒーカウンターは金沢の茶の湯文化を意識し、茶筅(ちゃせん)に見立てたデザインに。しなやかなフォルムは実に優美。コーヒーは地元で70年以上にわたり親しまれてきた「ダートコーヒー」の豆を使用しており、滞在中は何度でも無料で飲めるのもうれしいところ。ラウンジには電源を備えたテーブルもあるので、コーヒーを飲みながら仕事という使い方もありですよ。

国や県に指定される伝統工芸品は36品目と、全国有数の「工芸王国」とも称される石川県。これは江戸時代、加賀藩前田家が百万石の財力を工芸や芸能、茶の湯などの文化政策に注いだことが深く影響しています。京都の公家文化と江戸の武家文化が融合した、独特の文化が花開いたのがここ金沢なのです。

そんな金沢に息づく伝統美をモチーフにしたモダンアートが館内の随所に点在。エレベーターホールにはフロントと同じ「加賀五彩」を用いたパネルアートが施されています。その横のライブラリーには歴史や伝統、食文化を伝える書籍、さらにはアーティストの作品集などを用意。感性を刺激されたり、旅の情報収集をしたり。思い思いに活用したいところ。

宿泊者専用の大浴場は深夜1時まで利用可能。おいしいものの宝庫、金沢で飲んで、食べた後でもゆったり湯浴みできるのも魅力です。カラフルな壁画は石川県観光PRマスコットキャラクターの「ひゃくまんさん」をデザインした田中サトミさんによるもの。同じフロアにコインランドリーも完備されていて、長期滞在やワーケーション時に重宝すること間違いなし。

伝統工芸を身近に親しめるワークショップ

さて、インターゲートホテルズでは全国すべての施設で、各地域の伝統工芸にまつわるワークショップを開催していますが、ここ金沢ではこれまでに「こけし絵付け体験」「手描き加賀友禅手法 和紙彩色体験」「蒔絵体験」といったプログラムを実施。今回は、石川県の伝統工芸36種の一つ「加賀八幡起上り(かがはちまんおきあがり)絵付け体験/1,100円」にトライしました。

ワークショップはインターゲートラウンジにて。白地の人形ほか、絵付けに必要なキット一式が用意されます。絵の具といい、パレットといい思わず童心に帰った気持ちに!

ちなみに絵付けデザインに決まりはないそう。筆者の場合この丸いフォルムを見たとたん、あの国民的キャラクターが脳裏に浮かんでしまったので、伝統は気にせず自由に描くことに。

そして完成した加賀八幡起上りド○えもんバージョン。まあこんな感じで、心ゆくまで自由に絵付けできるわけです。ちなみに加賀八幡起上りは「起き上がる」という言葉から新年や節句、お見舞いなどに用いられ、さらにタンスに入れておくと衣服に不自由しないという言い伝えがあるとか。

和と洋が美しく調和する客室

伝統工芸に親しんだ後はいよいよチェックイン。今回はスーペリアツインルームをシングルユースで利用しました。22平米とややコンパクトながら天井が高く、ソファ2つとテーブルが備わり落ち着いて寛げる空間です。

ソファには加賀五彩の張地が使用されるなど、客室にも伝統工芸の華やかな趣が。シモンズ社と共同開発したというオリジナルのマットレスは110cmとゆとりある大きさ。ふんわり包み込まれるような寝心地で、翌朝の目覚めは快適そのものでした。

バストイレは完全独立型。洗面台はバスルームではなく、ドアとベッドルームのあいだに。2名での滞在では何かと重宝しそうな間取りです。

バスタブはゆったり足を伸ばせる大きさ。清掃も行き届いていて清潔感もバッチリ。

無料でアルコールが楽しめるハッピーアワー

17時〜19時に行われるハッピーアワーを満喫すべく、一旦ラウンジに戻ります。ワイン(赤・白)やオリジナルカクテルが無料でいただけるうえ、クラッカーやお菓子のサービスも。

老舗料亭のお弁当に舌鼓

夕食は飲み歩き!といきたいところですが、こんな時節なので2食付き宿泊プランにして、客室でお弁当とビールを楽しむことに。こちらは天保元年(1830年)の創業という老舗料亭「大友楼」の「玉姫御前」。北陸の郷土料理「治部煮」や、ハレの日に欠かせない「押し寿司」など、土地の美味がひしめきます。

地ビール「金沢百万石BEER」のダークエールは、ほのかな苦みとキリッとした風味が印象的。お寿司や海鮮丼も金沢旅にハズせませんが、伝統料理をお弁当で嗜むのもまた新鮮な食体験ですよ。

ほうじ茶の香りがたまらないお茶漬け

お弁当でお腹はいっぱいですが、夜食サービスが気になって再びラウンジへ。インターゲートホテルズでは各施設でご当地感あるお茶漬けバイキングのサービスがあり、ここ金沢では「加賀棒茶出汁」が用意されています。ほうじ茶の芳ばしい香りはお漬物と驚くほどマッチ。身体にじんわり染み渡る素朴な味わいです。

朝時間を格上げしてくれるラウンジ

翌朝、いつもより早く目覚めたのでラウンジで6時〜7時に提供されるスムージーをいただきました。作り立てのスムージーは心地よい爽快感。朝食スタート前の早朝に出発する人にはなんともうれしいサービスと言えるでしょう。

朝食ブッフェは7時〜10時半。焼きたてのクロワッサンやオムレツなどの定番から、加賀蓮根や五郎島金時をはじめご当地食材を用いた料理が勢ぞろい。50種以上のメニューは彩り豊かで、思わず食欲が刺激されます。

特に気に入ったのが「赤い味噌のミソストローネ」。たっぷりの野菜と辛味噌で仕立てたスープは甘みと辛味のハーモニーが絶妙。どのお惣菜も野菜がふんだんに使われていて、たっぷり食べても罪悪感ゼロ。ゴキゲンな1日のスタートとなること間違いなしの内容ですよ。

筆者が今回利用した、2食付きプランは1泊1名9,130円~(スーペリアツイン2名1室利用時・税込)。どこへ行くにも便利なロケーションなうえ、和の趣に包まれる美空間、多彩なラウンジサービスなど泊まる価値大と言えるはず。次の金沢旅の選択肢に加えてみてはいかがでしょう?

ホテルインターゲート金沢
住所 石川県金沢市高岡町2番5号
TEL 076-260-7200
https://www.intergatehotels.jp/kanazawa/

 

Nao

Nao ライター
メーカー、ITベンチャー勤務を経てフリーランスに。
学生時代から旅を続け、渡航国は現在50カ国。
特技は陸路国境越え。グルメレポート翌日に大学の最先端研究を取材したり、ロシア州知事にインタビューしたり。幅広い対応力とフットワークの軽さが自慢。日本ソムリエ協会認定資格ワインエキスパート保有。



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