
由緒ある老舗和菓子店「有職菓子御調進所 老松」

※写真は秋のイメージです
平安時代の名残を留める、京都の代表的な観光地・嵐山。渡月橋から土産店や料理屋などが軒を連ねるメインストリートを歩き、世界遺産・天龍寺を過ぎた所に「老松 嵐山店」が佇んでいます。
「有職菓子御調進所(ゆうそくがしごちょうしんしょ) 老松」は、明治41年(1908年)に歴史ある花街・上七軒で創業した和菓子店です。古来より朝廷に伝わる有職故実に基づいた儀礼や典礼、また茶道に用いる菓子を手がけてきた由緒ある老舗。嵐山店では、奥の茶房「玄以庵(げんいあん)」でそのこだわりの和菓子を味わうことができます。
緑あふれる庭を望める上質な空間

多彩なお菓子が並ぶ店頭の先には、茶房「玄以庵」があります。すっきりと洗練された店内では、緑がみずみずしい庭を眺めながら憩いのひと時を過ごせます。

配されたインテリアからは、しっかりとしたこだわりが感じられます。テーブルには、栂(ツガ)、一位(イチイ)、欅(ケヤキ)など、各席異なる天然木を使用。本物の持つ心地よい手触りを体感できます。
また、椅子はデンマークの家具デザイナー、ボーエ・モーエンセンのもの。上質なシンプル空間にモダンさを添えています。
もちもちツルン!名物「本わらび餅」を実食
何度も同店を訪れているのですが、実は「本わらび餅」1,320円(税込)をいただくのは初めて。「当店のいちおしメニュー」と紹介されています。「一度は!」とこちらを選びました。ほかのお客さんも「わー、おいしそう」と注文していましたよ。

黒い塗りの重箱がうやうやしく運ばれてきました。さすがは老舗。背筋がピンと伸びる思いです。ほうじ茶が付いています。

ふたを開けてみると、本わらび餅ときな粉が別々の器に入っています。

氷水に浮かぶわらび餅が涼しげ。初夏にぴったりのひんやりスイーツですね。

箸で持ち上げてみると、ふるふるでやわらかい! 注文を受けてから練り上げた作りたてというのがよくわかります。本わらび餅は出来立てを味わうのがベストです。
上質な秋採りわらび粉を100%使用。本物のわらび粉は、わらびの根からごく少量しか採れないのでとても貴重なのです。一般的に「わらび餅」と呼ばれているものの原料は、わらび粉100%ではないのだそう。希少価値のある「本わらび餅」にありがたみを感じずにはいられません。

(C)老松
本わらび粉本来のもちもちとした少し弾力のある口当たり。つるんとしたのど越しがたまりません! こちらを国産大豆のきな粉と風味豊かな黒蜜、好みの味で楽しめます。両方付けてもおいしいですよ。暑い夏にまた味わいたい!
お抹茶も味わえます。単品770円(税込)、生菓子とのセットで1,155円(税込)。季節を感じる「本日の生菓子」もおすすめです。

(C)老松
またこちらでは、春から初夏にかけていただける「夏柑糖」1,620円(税込)もよく知られています。夏みかんの中身をくり抜き、しぼった果汁と寒天をあわせ、再び皮に注いで固めた水菓子です。
■「夏柑糖」オンラインショップ

(C)老松
素敵な空間で本わらび餅を満喫した後は、店頭でお土産を購入できますよ。ショーケースには、粒餡をやわらかい落雁で包んだ代表銘菓「御所車」、日持ちのする「本わらびもち」、水羊羹など季節の和菓子が並びます。
嵐山散策の途中にゆったりとくつろげる空間で、本物のわらび餅を味わってみませんか。
老松嵐山店
住所:京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町20
TEL:075-881-9033
営業時間:9:00~17:00
茶房:9:30~17:00(L.O.16:30)
定休日:不定休
URL:
https://oimatu.co.jp
[Photos by Yo Rosinberg]
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ロザンベール葉
主に横浜・東京で育ち、縁あって京都に在住。美術書出版社勤務を経て、フリーランスライター歴20年余り。フランス人のパートナーと共に、フランスとイタリアを中心に気ままな旅をする。海はどこも好きだけど、「地中海」という響きに憧れる。マイペースが好き。
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