【実はこれが日本一】定期便復活が期待される「礼文島の最北端施設」とは?

Posted by: 坂本正敬

掲載日: May 24th, 2022

意外な日本一を紹介するTABIZINEの連載。今回は、旅行にも大きく関係する日本最北端の空港の話です。

北海道・稚内空港の滑走路
(C) Shutterstock.com

 

拠点空港の稚内空港

稚内空港
稚内空港 (C) Terence Toh Chin Eng / Shutterstock.com

日本でもっとも北にある空港といえば、どこを思い浮かべますか? まずは、北海道の空港だろうと予想が付きます。北海道の空港と聞かれて、いくつ名前を言えますか? 「新千歳空港」以外にはどうでしょうか。

筆者の場合は、帯広の北にある士幌町に住んでいたことがあるので、「とかち帯広空港」も思い浮かびます。取材で訪れたことがある「旭川空港」も挙げることができます。

皆さんは、いかがでしょう。

日本でもっとも北にある空港といえば、解釈によっていくつかの候補が出てきますが、現状で稼働している空港としては「稚内空港」があります。

稚内は、北海道の北端、宗谷湾を挟んで納沙布岬と宗谷岬がある場所。市の人口は3万1,890人(2022年4月時点)です。宗谷湾に面して、市街地から約12km離れた場所に、国管理空港の稚内空港があります。定期就航している航路は、稚内⇔東京(羽田)が各1便(1日)と、稚内⇔札幌(新千歳)が各2便(1日)です。航空会社は全日本空輸。

冬期は悪天候による欠航や代替着陸が相次ぎ、2009年(平成21年)には2,200mの滑走路の供用が始まりました。特定地方管理空港である「山形空港」(2,000m)よりも長い滑走路ですね。

滑走路800mの日本最北端の空港

礼文空港ターミナル photo by ブルーノ in Wikipedia

この稚内空港よりも日本の北に空港が存在します。稚内の西側、利尻水道を渡った先に浮かぶ礼文島の空港です。礼文町の人口は2,354人(2022年4月時点)。礼文島の岬には、日本最北端の礼文空港の滑走路とエプロン、ターミナルビルが存在しています。

島の北端、スコトン岬のほうではなく、東側の金田ノ岬にある幌泊漁港に隣接する形で位置しているのです。ちなみに、スコトン岬も金田ノ岬も、アザラシを観察できる場所としても知られています。


礼文空港付近の空中写真。 2014年9月3日撮影。三方を海に囲まれた立地にある Photo by 地図・空中写真閲覧サービス 国土地理院 in Wikipedia

残念ながら、現在こちらの空港は休止中。さらに、ジェット化対応でないため、東京の調布飛行場や新島空港、沖縄の波照間空港などと同じく滑走路が800mと短いです。定期便復活のために、小型ジェット機よりも短い距離で離着陸できる飛行機の運行が期待されています。

礼文島に暮らす人たちは、ハートランドフェリーで稚内と往復しているので、移動には片道2時間かかります。自衛隊も共用する札幌飛行場(丘珠空港・滑走路は1,500m)との定期便が就航すれば、札幌まで1時間で行けるようになるのだとか。

なかなか厳しい自然環境にあり、離着陸などで心配な部分もあるようですが、地元住人の礼文空港への期待は、今もなお続いているのですね。

北海道・礼文島
北海道礼文島、船泊村、久秀湖 (C) Shutterstock.com

[参考]
稚内空港 – 日本記録

稚内空港 – 北海道開発局

空港のジェット化が地域社会に及ぼす影響について-帯広・秋田空港の事例-

日本最北の礼文空港は今どうなっているのか? – 北海道ファンマガジン

「日本最北の空港」路線復活なるか? カギ握るATRの新型旅客機 – 乗りものニュース

北方領土の択捉空港を軍民共用に 露政令、空軍本格駐留への布石か – 産経新聞

フライトスケジュール – 稚内空港

札幌飛行場(丘珠空港)  – 北海道開発局

利尻礼文サロベツ国立公園 – 環境省

稚内市の人口 – 稚内市

礼文町の人口推移 – 礼文町

空港一覧 – 国土交通省

金田ノ岬(かねだのみさき)

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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