2020年から実施の「フラワーエールプロジェクト」
SDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)達成のための取り組みの一環として、日本国内21カ所にある「ザ セレスティンホテルズ」と「三井ガーデンホテルズ」にて実施されているのが、「第一園芸」とコラボレーションした「フラワーエールプロジェクト」です。
コロナ禍の影響もあり多くの結婚式や宴会が中止されていますが、それによって廃棄される花も増加。それを機に、花農家さんを支援するために2020年から始まったのが同プロジェクトです。2022年も4月から各ホテルで花による新たな美が訪れる人を癒やしています。
コラボレーションする「第一園芸」は、創業124年を迎える花と緑のプロフェッショナルで、花の販売をはじめ、婚礼装花を手がたり、商業施設などを季節のお花で飾ったりするとともに、練馬区の「四季の香ローズガーデン」の管理運営も行っています。筆者も5月に春バラ散歩で訪れました。バラと季節の花で喜びに満ちた、ガーデナーさんの花への愛に満ちた庭です。
HP:https://www.daiichi-engei.jp/
フラワーエールプロジェクトでは、第一園芸から週替わりで届いた「季節の花」をホテルで装飾。毎週異なるウエルカムフワラーがお迎えしています(※花の状態や花材の調達状況等により、予告なく中止となる場合あり)。
実施ホテルは、「ホテル ザ セレスティン銀座」や「三井ガーデンホテル銀座プレミア」などの東京都内のホテルを中心に、千葉県「三井ガーデンホテルプラナ東京ベイ」、宮城県「三井ガーデンホテル仙台」、石川県「三井ガーデンホテル金沢」、大阪府「三井ガーデンホテル大阪プレミア」、京都府「三井ガーデンホテル京都駅前」などの、計21施設。今回はその中から、東京と京都のホテルを訪ねてみました。
三井ガーデンホテル日本橋プレミア
2018年に開業した「三井ガーデンホテル日本橋プレミア」。複合施設「OVOL(オヴォール)日本橋ビル」の1階と9〜15階に入っています。
江戸時代から人やものなど多くのものがつながり、伝統と革新が融合し発展し続ける日本橋のように、「つなぐ」がホテルコンセプト。江戸切子をモチーフにした照明や伝統的な素材を使ったアート作品に囲まれて、オリジナルアロマ「江戸薔薇(Japanese Roses)」の優雅な香りや、オリジナル選曲のBGMなど、1階のエントランスから客室まで、日本橋の価値や魅力を五感で愉しめるようにデザインされています。
フラワーエールプロジェクトのアートは、9階のフロントロビーから宿泊者のみが入れるエレベーターホールに装飾されています。エレベーターを乗り降りするたび華やかな安らぎを届けているようです。
約1週間ほどで新しい切花が届くそうで、筆者が訪問した際は、バラやカスミ草など、ピンクと白を基調にした可愛らしい花たちで彩られていました。
丸いガラスの器にぷか〜と花たちが浮かび、横から見るとファンタジーな不思議な光景に。
廃棄されるはずだった花が華々しいアートに生まれ変わって、宿泊者の非日常を一層潤していました。
ちなみに、9階ロビーラウンジも植物いっぱい。広々としたワンフロアで黒を基調に高級感ある空間に。テラスと中庭を両サイドに眺めることができてリッチで開放的。
昔から日本橋では鉢植えの文化が発達していたそうで、ラウンジの中央の花台を大きな鉢に見立てて、季節の植栽をディスプレイ。訪れた2022年5月下旬は「カポック(シェフレラ)」。圧巻の大きさに生命力を感じます。
ラウンジから見える中庭にも出ることができます。季節ごとに花が植えられていて、待ち時間にちょっと息抜きできる空間に。ロスフラワーとラウンジの植物に癒やされて東京であることを忘れつつ、伝統的で革新的なアートを鑑賞し東京であることを感じて、植物と芸術の美の共演を楽しみましょう。
●住所:東京都中央区日本橋室町3−4-4
●問い合わせ:03-3270-1131
●交通:東京メトロ銀座線・半蔵門線「三越前駅」地下直結、JR「新日本橋駅」地下直結
●HP:https://www.gardenhotels.co.jp/nihonbashi-premier/
三井ガーデンホテル京都新町 別邸
京都では、「三井ガーデンホテル京都駅前」と「三井ガーデンホテル京都新町 別邸」の2カ所で展開されています。今回は、烏丸御池駅から近い「三井ガーデンホテル京都新町 別邸」を訪問してみました。
江戸時代から呉服問屋が軒を連ねた地で、旧松坂屋京都仕入店を移築・再生したホテル。エントランスの大梁や大黒柱が重厚な佇まいを演出しています。
エントランスに入ると、すぐ右側でウェルカムフラワーを生かした“京の庭”がお出迎え。石の鉢に花を浮かべ、石灯籠もあり、京都旅行気分が一気に高まりますね。
5月上旬のこの日は、中央から外側に向かって淡くなる色合いで、京の庭に大輪の花が咲いているようでした。
外からの光もやわらかく差し、花の色も映え、近代建築が和心で満たされています。
扉の向こうロビーフロントにも行ってみましょう。一歩入ると、雅な香りに包まれて心身が浄化されるような心地に。
フロントの傍の壁には、一輪挿しのウェルカムフラワーも。シンプルで主張せず、さり気なく奥ゆかしい花の美を感じます。
ロビーラウンジは、仕入店で使われていた古材と伝統小袖の意匠を飾り、ソファ席には西陣織のクッションが。京の伝統と四季の風情にあふれています。
翠鮮やかな中庭を背景に、凛と活けられた四季の花。
フラワーエールと同じく、建物も再生し継承。花と文化の美に、旅人は時間が止まっているような不思議な感覚に誘われることでしょう。
ちなみに、1階にあるのは和食レストラン「居様/IZAMA」。漆喰壁を現代風にアレンジした和モダンな空間で、京都ならではのおばんざいや日本料理を、宿泊せずとも味わえます。
●住所:京都府京都市中京区新町通六角下る六角町361番
●問い合わせ:075-257-1131
●HP:https://www.gardenhotels.co.jp/kyoto-shinmachi/
各所で華やかな花を鑑賞
各ホテルでコンセプトが異なるように、雰囲気も千差万別。日本の伝統が継承され現代に再生するように、その地で、新たな美を魅せてくれる花たち。ホテル宿泊の際は、廃棄される予定だった花とは思えない美しさにスポットライトを当て、しばし愛でてみませんか?
●実施期間:2022年4月〜
●実施施設:計21施設
(東京都)ホテル ザ セレスティン銀座、ホテル ザ セレスティン東京芝ミレニアム、三井ガーデンホテル 東京、三井ガーデンホテル銀座プレミア、三井ガーデンホテル日本橋プレミア、三井ガーデンホテル六本木プレミア、三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア、三井ガーデンホテル大手町、三井ガーデンホテル京橋、三井ガーデンホテル銀座五丁目、三井ガーデンホテル汐留イタリア街、三井ガーデンホテル上野、三井ガーデンホテル豊洲ベイサイドクロス、三井ガーデンホテル五反田
(千葉県)三井ガーデンホテルプラナ東京ベイ
(宮城県)三井ガーデンホテル仙台
(石川県)三井ガーデンホテル金沢
(大阪府)三井ガーデンホテル大阪プレミア、三井ガーデンホテル大阪淀屋橋
(京都府)三井ガーデンホテル京都新町 別邸、三井ガーデンホテル京都駅前
[all photos by kurisencho]