高層マンションが並ぶ、東京から約50分のニュータウン
東京の上野駅から京成本線の下り電車に乗り約50分。ベッドタウンとしても知られる、千葉県佐倉市にある「ユーカリが丘」に向けて出発します(写真の西馬込行きは品川方面行きの上り電車)。
京成本線の「ユーカリが丘駅」に到着。写真は同駅の改札口。平日午後3時頃なので人は少ないですが、平日の朝夕は通勤・通学客などで溢れます。
2018年3月末時点で、ユーカリが丘には住宅7,600戸に1万8,000人程度が生活。開発を進める不動産会社の山万は、最終的に8,400戸、人口3万人を目指しています。
ユーカリが丘という名称は、殺菌作用や空気の清浄作用があり環境に優しい「ユーカリ」にちなんで名付けられたもの。駅前ロータリーや公園などには、約20本のユーカリの木を植樹。駅構内や周辺には、ユーカリの木に登る可愛いコアラの親子の銅像も各所に設置されています。
駅北口には、部屋数約200室を備える「ウィシュトン ホテル・ユーカリ」があります。写真左はアート作品『水のきらめき』、写真右は巨大なユーカリの木。芸術と自然が共存した、心地の良い街並みが特徴です。
こちらは駅の向かい側にある、ショッピングや食事が楽しめる「YOU!PRA(ユーカリ プラザ)」。5階には映画館「シネマサンシャイン」もあります。
所在地:千葉県佐倉市ユーカリが丘4丁目1−4
営業時間:10時~20時
https://town.yukarigaoka.jp/townguide_mall/yukariplaza/
ユーカリが丘は高層マンションが並ぶ、豪奢で美しい街並みも特徴です。写真手前は、ユーカリが丘線の線路(単線)。
少し歩いてみましょう。天然温泉やサウナ、エステやグルメが楽しめる「アクア・ユーカリ」、30レーンを設けたボーリング場「VEGA ユーカリ ボウル」に到着。
駅から北に10分ほど歩くと、ハンバーグレストランの「びっくりドンキー」や、ハンバーガーチェーン「バーガーキング」など、街道沿いならではの、のどかな風景が見られます。
びっくりドンキーから西へ歩くと、大型の駐車スペースを備えた巨大ショッピングモール「イオンタウン」に到着。
イオンタウン前から見た、ユーカリが丘の高層マンション群。その風景は圧巻!
ユーカリが丘駅前からイオンタウン方面は基本的に徒歩圏内ですが、山万が運営する路線バスも運行しているので利便性も良好。写真上は「こあら5号」。
全国でも珍しい、不動産会社運営の「山万ユーカリが丘線」
イオンタウンから徒歩で駅前に戻ってきました(徒歩10分ほど)。ユーカリが丘駅からは、北側エリアに向かう新交通システム「山万ユーカリが丘線」が、3両編成で走っています。
山万ユーカリが丘線は、日本初の不動産会社が運営する鉄道として、1982年(昭和57年)9月に開業。不動産会社の山万が、自社の開発する住宅地内の利便性を高めるために自らが交通事業者となり、運行を続けている全国でも珍しい路線です。
パンがおいしいカフェ「Bakery&Cafe つむぎ(TSUMUGI)」の横を抜け、山万ユーカリが丘線の改札に向かいます。散歩の休憩がてら、立ち寄ってみるのもおすすめです。
間もなく山万ユーカリが丘線・ユーカリが丘駅の自動改札に到着。
山万ユーカリが丘線は一方通行の単線。公園駅からは、女子大駅~中学校駅~井野駅~公園駅へとグルリと回って帰ってくる、“ラケット型”のルートです。総距離は約4.1km。
乗車料金は、大人の場合200円均一。スイカやパスモなどの交通系電子マネーは使用不可です。
山万ユーカリが丘線の時刻表。平日の通勤・通学の時間帯の本数は多めです。
山万ユーカリが丘線・ユーカリが丘駅のホーム。車両は3両編成です。
山万ユーカリが丘線の車内。椅子や床、内装はきれいなので、とても気持ち良く乗車できました。ユーカリが丘へ来る時に乗った京成本線に比べ、車内はかなりコンパクト。この時は平日の午後2時頃だったためか、3両編成の各車両の乗客数は10人程と空いた状態でした。
日除けはレトロな雰囲気が漂うカーテン式。窓は上部をスライドさせて開閉する構造。なお、山万ユーカリが丘線は、開業当時の車両が2022年6月現在も採用されているので、冷房が装備されていません。そのため夏は窓全開で走行します。
山万ユーカリが丘線は近年、暑い夏の時期には冷たい「おしぼり」や「うちわ」を無料で配布したり等、ユニークでうれしいサービスを展開。またグッズ販売など、旅行者をターゲットにした各種サービスも展開中です。
山万ユーカリが丘線は、軌道上中央に設置されているガイドレールに沿って、ゴムタイヤの小型車両が列車として走行。モノレールのような乗り心地が特徴です。
車窓は高層マンション群~住宅街~大自然~電飾でデコレーションされたユニークなトンネルなど、目まぐるしく変わります。ユーカリが丘駅を出発し、再びユーカリが丘に戻って来るまでの時間は約15分。
山万ユーカリが丘線
https://town.yukarigaoka.jp/yukariline/
さまざまなショッピング、グルメ、レジャー施設がそろう街・ユーカリが丘。電車で行くのにも、車で行くのにも非常に便利な、楽しくてのんびりできる街です。近隣の人は一度訪れてみては?
[All Photos by Kita Hideaki]