ご当地グルメの隠れた主役!?「味噌」の常識とは【日本東西・食文化対決】

Posted by: 内野 チエ

掲載日: Jul 22nd, 2022

東西南北に国土が広がる日本では、西日本と東日本とでその「食文化に違いがある」こともよく注目されますよね。それぞれの地域で違う常識を味わうのも、旅の醍醐味と感じている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、「味噌」について研究してみました。

味噌汁

 

味噌の起源は中国にあり?

味噌
白いご飯と味噌汁の組み合わせは、どんな手の込んだ料理にもかなわない滋味あふれる味わいです。あたたかい味噌汁を一口すすれば、不思議とほっと心が休まります。味噌汁は日本人の食卓になくてはならない、まさにソウルフードといえるでしょう。

味噌の起源は中国にあるとされ、日本では平安時代に贅沢品として扱われていました。そして鎌倉時代に入り、僧侶が味噌をすりつぶして汁物として食したことが味噌汁の始まりといわれています。

その後、味噌は保存食として庶民の間に浸透。栄養価の高さに目をつけた戦国武将たちが各地域で味噌づくりを進め、「米味噌」「豆味噌」「麦味噌」など、さまざまなバリエーションの味噌が各地でつくられるようになりました。

全国的にはどんな味噌がある?

石狩鍋
石狩鍋

日本全国の味噌の分布を大分類すると、北海道・本州・四国では「米味噌」、東海地方(愛知、三重、岐阜)では「豆味噌」、九州では「麦味噌」が主流となっています。

日本でもっとも分布が広い米味噌ですが、細かく見ると実に個性豊か。赤色・中辛口の「北海道味噌」、淡色・辛口の「信州味噌」、赤色・甘口の「江戸甘味噌」、白色・甘口の「関西白味噌」など、色も味わいも異なりますが、これらはすべて「米味噌」の仲間です。

西京漬け
西京漬け

地域で発展した味噌は郷土料理の味のベースにもなっており、北海道なら「石狩鍋」「ちゃんちゃん焼き」「味噌ラーメン」、信州なら「五平餅」「おやき」、関西なら「白味噌雑煮」「西京漬け」などがあります。

味噌煮込みうどん
味噌煮込みうどん

そして、全国的にも珍しいのが、東海地方で製造されている豆味噌。特に愛知県岡崎市の八帖町(旧八丁村)で作られているものは「八丁味噌」と呼ばれ、濃厚な旨味と渋みが特徴です。名古屋を代表するご当地グルメ「味噌煮込みうどん」に欠かせない調味料です。

冷や汁
冷や汁

また、九州で食される麦味噌は、強い甘味と麦独特の香りが魅力。麦味噌を使った郷土料理では、福岡の「味噌もつ鍋」、大分の「だご(団子)汁」、宮崎の「冷や汁」が代表的です。

味噌汁のおいしい作り方

味噌汁のある食卓
醤油と比較しても、味噌ほど、地域で味の違いが大きく異なる調味料はほかにないでしょう。

旅先でスーパーに行くと、その地域で食されている味噌がメインで並べられているので、お土産に購入してみるのもおすすめです。全国の味噌を集めて、日替わりでご当地味噌汁を楽しむというのも乙なものですね。

ちなみに味噌汁は、沸騰させないように気を付け、出汁に味噌を入れたら煮立ち始めるかどうかの“煮えばな”で火を止めるようにすると、風味豊かにおいしく作れますよ!

参考:マルコメ

PROFILE

内野 チエ

内野 チエ ライター

Webコンテンツ制作会社を経て、フリーに。20歳で第1子を出産後、母・妻・会社員・学生の4役をこなしながら大学を卒業、子どもが好きすぎて保育士と幼稚園教諭の資格を取得、など、いろいろ同時進行するのが得意。教育、子育て、ライフスタイル、ビジネス、旅行など、ジャンルを問わず執筆中。特技はワラビ料理と燻製作り。

Webコンテンツ制作会社を経て、フリーに。20歳で第1子を出産後、母・妻・会社員・学生の4役をこなしながら大学を卒業、子どもが好きすぎて保育士と幼稚園教諭の資格を取得、など、いろいろ同時進行するのが得意。教育、子育て、ライフスタイル、ビジネス、旅行など、ジャンルを問わず執筆中。特技はワラビ料理と燻製作り。

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