発酵食品が美容や健康に効果的なことは広く知られています。キムチも例外ではありません。お野菜たっぷりのキムチは低カロリーで食物繊維が豊富なので、腸の働きを良くしてくれます。また、唐辛子に含まれるカプサイシンには脂肪を燃焼させる効果があります。代謝がよくなることで、体の老廃物を外に流してくれるから美肌効果も期待できるというわけ。
キムチを漬ける「キムジャン」と呼ばれる一連の作業は、無形文化遺産遺産に登録されています。キムチは韓国が世界に誇るパワーフードであり、素晴らしき伝統文化なのです。今回は「キムジャン」について見ていきましょう。
各家庭の秘伝レシピ
白菜やネギなどの野菜に塩、ニンニク、唐辛子、魚介の塩辛などを漬け込んで作るキムチ。 寒さの厳しい冬に備えるための保存食として、何百・何千年も前から作られてきました。地域により特色があるだけでなく、それぞれの家庭により味が微妙に異なります。このため、キムチ作りを通じて、各家庭のレシピが母から娘(義母から嫁)へと伝えられていくのです。
©2012 by Cultural Heritage Administration
キムチ作りの年間プラン
韓国では春になるとキムチ作りの計画を立てます。春先には海老やイワシなどを塩漬けに、夏場は塩の買い出しと唐辛子の下ごしらえ、そして秋には家族や近所の女性たちと一緒に漬ける、という年間行事なのです。女性たちが力を合わせることで、家族が長い冬を乗り切るだけのキムチを用意できるのですね。
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気象予報ならぬ、キムチ予報!?
韓国の主婦は、秋のシーズンになると「キムチ予報」に耳を傾けるようになります。天気予報と共に発表されるキムチ予報では、いつ頃がキムチ作りに適しているのかを知るバロメーターになるそう。野菜やスパイスの値段などキムチに関する情報を知ることができるのです。
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こうして手間ひまをかけて作られたキムチは、日々の食事に欠かせません。実に国民の94パーセントが1日一回は口にするほど。食卓にはもちろん、レストランや食堂でも必ず供される漬物です。
キムチはダイエットにも効果的?
ある調査によれば、1日のカロリー摂取量は韓国人の方が日本人よりも多いとされています。しかし、体脂肪率は韓国人の方が低かったという報告も。確かに韓国のお料理は和食よりも油や肉が使われる割合が多いかもしれません。キムチパワー、あなどれませんね!
体に良いとはいえ、キムチは保存食なので塩分は多めです。漬物をいただくような感覚で摂取するのがよさそう。