現在公開中の映画、「ポンペイ」の舞台ともなった、西暦79年に噴火したヴェスヴィオ火山の火山灰によって地中に埋もれてしまったイタリアの世界遺産、ポンペイ遺跡。この遺跡を歩くと、当時の生活をリアルに想像することができます。
驚くべきポンペイ 古代ローマの文明の高さを知る
約2000年前といえば、日本では弥生時代ですね。その当時、ポンペイではすでに区画整理された住宅街、商店街や劇場、公衆浴場、運動場、酒場、墓地などがあったことが、1748年に行われた発掘調査によって発覚しています。
このような高度な都市機能を持つ町が、2000年前からすでに当たり前のように存在していたというのは驚くばかりです。
しかし、そんな栄華も、ウェスヴィオ火山の噴火で、一瞬のうちに終止符を打つことになります。
死者から型抜きされた石膏像を観る
祈りを捧げているようにも見える ©didon / Shutterstock.com
噴火時間は19時間にもおよび、町全体が火山からの噴出物によって覆われたと伝えられています。そして、1748年に発掘されるまですべて地中に埋もれたままでした。このときに亡くなったのは、約2000人~1万人ほどだといわれています。
灰に埋もれたまま亡くなっていった人たちのいた空洞に石膏を流し込んでつくられた像が、ポンペイ遺跡で展示されています。子どもに寄り添う母親や、抱き合う恋人たちの像は衝撃的。突如起こった悲劇になすすべもなかった人々の様子をより深く知ることができます。
場所はイタリアのナポリ近郊。1997年に世界遺産の文化遺産に登録され、今もなおその遺跡は、時が止まったまま、大きな存在感を放っています。イタリアに訪れた際には、立ち寄っておきたい場所です。
【Youtube 映画「ポンペイ」予告編】
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