身近になったカリブに浮かぶ赤い島
「キューバの雪解け」と言われたアメリカとの国交回復から2年、そしてフロリダからほんの160㎞に位置するキューバは、今急激に人気を集めている旅行先です。
首都ハバナは植民地時代からの建物や、20世紀中ごろのレトロモダンなビルが立ち並ぶ美しい街。走り回る古いアメリカの車が目を引きます。「ブエナビスタ・ソシアルクラブ」の映画に登場したようなサルサのライブ演奏で踊れるクラブや、カリブ海の新鮮なシーフードに、世界に誇る葉巻。
そして、若き革命家チェ・ゲバラと、昨年亡くなったフィデル・カストロは、共に国民が尊敬する、現在のキューバを立ち上げた英雄です。また社会主義国であるために、「カリブの赤い島」とも呼ばれているそうですよ。
国内に2つの通貨「兌換ペソ」
ここにきて、日本人にも人気が高まってきたキューバ。その通貨に、ちょっと慣れない仕組みがあるのでご注意ください。「兌換ペソ」です。
キューバには、キューバの国民が使用する通貨であるキューバ・ペソ(店頭などでの記号はCUP)と、外貨と連動している通貨兌換ペソPesos Convertibles(店頭などでの記号はCUC)の2つの通貨があります。旅行客が外貨から両替できるのはCUCです。
兌換ペソCUCから、地元のキューバ・ペソへの両替することは旅行客でも可能で、その比率は1:25です。1CUCが25CUP になります。
次はキューバでの両替事情について。
ATMもないし、両替にもちょっと手間がかかります。
(c) Atsushi Ishiguro
キューバ国内は、キャッシュカードやクレジットカードを使えるATMはないんです。そして、日本で兌換ペソに両替することもできません。ですから、必要なお金は全て現金で持ち込んで、両替する必要があります。最近は日本円でも両替可能な場所が増えているようです。
そして、首都ハバナで両替したのですが、街にある両替所には長蛇の列で待つこと30分ほど。両替自体はすぐに終わります。後日銀行でも両替しましたが、こちらも30分ほど待ちました(上の画像)。大きなホテルでも両替可能なので、急にCUPが必要になった夜には便利でした。手数料は様々ですから、確認してくださいね。
2つの通貨で価値が25倍違います!
上の画像は、チェ:ゲバラの肖像が印刷された3CUP。これはお土産用に両替して持ち帰りました。旅行客を相手にする店に行けば、料金はCUCで記載されていることがほとんど。地元の人も訪れるお店なら、CUPとCUCの両方が、たとえば、25CUPか1CUCというように並んで表示されています。ほとんど旅行客が行かないような場所ならCUPだけです。CUCからCUPに両替してCUPで支払うことも可能ですが、お札の量が25倍になるので要注意。
そして、CUCよりもCUPのほうが、つまり観光客より地元の人たちへの値段のほうが割安になっているお店もあって、CUPを使って安く買い物ができる場合もあります。一方、観光地や街中では一般の旅行客がCUPを使おうとすると、CUCに25倍した金額を要求されることもありました。
というわけで、ちょっと特別な仕組みになっているキューバのお金事情。事前にキャッシュを持ち込めば問題ありません。それにクレジットカードを使えるお店も多いので、意外に便利。問題はATMでお金をおろせないことと、両替に手間がかかることです。
また、キューバの状況は変化が早いと思いますので、常に最新の情報を確認することをおすすめします。