(C) Haruna Akamatsu
ドイツの中央よりもやや北に位置するハルツ地方。魔女伝説が残る、どこか神秘的なこの地方には、中世の面影を残す可愛らしい街が点在しています。
そのひとつが、ヴェルニゲローデ。カラフルな木組みの建物がどこまでも連なる風景はメルヘンそのもの。ラプンツェルが過ごしたともいわれる古城を擁する小さな街、ヴェルニゲローデを訪ねてみましょう。
絵本から飛び出してきたかのような市庁舎
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ヴェルニゲローデのアイコン的存在が、街の中心・マルクト広場に建つ市庁舎。現在のような木組みの建物になったのは1492~97年のことで、1543年の火災の後に再建されています。
オレンジ色の木組みの建物に、とんがり屋根がのっかったヴェルニゲローデの市庁舎は、一度見ると忘れられません。「絵本に出てくるような建物を現実に造ってしまったなんて!」と興奮せずにはいられない、あまりにも可愛らしい市庁舎は街の人々の誇りです。
おとぎの国そのままの街並み
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ヴェルニゲローデは、ハルツ地方のなかでも屈指の保存状態を誇る古い街並みが自慢。カラフルで多彩な表情の木組みの建物が続く風景は、おとぎの国そのものです。
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特に注目したいのが、色とりどりの木組みの建物が連なるコッホ通り。ここには、18世紀半ばに建てられたヴェルニゲローデで最も小さい家「クラインステ・ハウス」があり、内部は民俗博物館として公開されています。
ただ歩くだけでも楽しいヴェルニゲローデの路地は、フォトジェニックな風景が満載です。
次は、ディズニー映画「塔の上のラプンツェル」を思い起こすともいわれるヴェルニゲローデ城へ。
ラプンツェルが過ごした!?ヴェルニゲローデ城
標高350メートルの丘の上にそびえるのが、12世紀に建てられたヴェルニゲローデ城。ドイツには大小さまざまなお城がありますが、ここはまさに日本人が思い描く「ヨーロッパの城」そのものの、重厚かつ壮麗な古城。
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その美しさや独特の雰囲気から、ディズニー映画「塔の上のラプンツェル」で一躍有名になった、ラプンツェルが過ごした城を思い起こすともいわれています。
もともとはヴェルニゲローデの伯爵が建てた城で、その後城主の交代や、三十年戦争による荒廃などを経て、バロック様式とネオゴシック様式が混在した現在の姿となりました。
華麗をきわめる「祝宴の間」
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城内は博物館として公開されていて、ルネッサンス期から19世紀にいたる絵画や工芸品、家具などの豪華な品々が展示されています。
50ほどの部屋があるヴェルニゲローデ城で、特に圧巻なのが「祝宴の間」。絵画や優美な壁紙で埋められた壁、まばゆく輝くシャンデリア、豪奢な調度品・・・かつての貴族の優雅な暮らしぶりが目に浮かんでくるかのようです。
城のテラスからヴェルニゲローデを一望
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城のテラスからは、山麓に広がるヴェルニゲローデの街並みを一望することができます。豊かな緑と調和した歴史的な街並みは、心に染みる美しさ。
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ヴェルニゲローデ城へは、歩くと街のはずれから徒歩で30~40分ほど山道をのぼる必要があるため、街の中心部から出ている「ビンメルバーン」や「シュロスバーン」と呼ばれるミニ観光列車を利用するのがおすすめです。
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古城と木組みの建物が描き出すヴェルニゲローデの街並みは、ドイツのメルヘンを凝縮したかのような可愛さ満点の風景。ひと目見れば、きっとあなたも好きになるはずです。
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