あなたは「村上海賊」を知っていますか?
彼らの故郷は、瀬戸内海に浮かぶ芸予諸島の島々。現在は「瀬戸内しまなみ海道」で結ばれています。
夏に人気の高い「瀬戸内しまなみ海道」は、全長70Kmのサイクリングコース。CNNの「世界7大サイクリングコース」の1つに選ばれ、サイクリストの聖地と呼ばれています。広島県尾道市から、瀬戸内海に浮かぶ向島、因島、生口島、大三島、伯方島、大島の芸予諸島を経由して、愛媛県の今治市まで自転車で横断できます。
「船に乗るより潮に乗れ」瀬戸内海最大の難所
今でこそ日本で初めての海峡を横断可能な自転車道ができましたが、歴史を紐解けば交通手段は水路のみ。穏やかに見える海は船を進めると、潮の干満による激しい潮流が襲いかかり、船乗りを悩ませる「海の難所」でした。
なかでも、能島の周囲は最大10ノット(時速約18km)にもなる潮流が渦巻き、時には船を呑み込んでしまうほど。この地の漁師たちは「船に乗るより潮に乗れ」と語り継ぎました。
瀬戸内海の覇者「村上海賊」
“日本最大の海賊”村上海賊 3分ver/ Murakami KAIZOKU
航路の安全を守るには、海を知り、潮を読み、複雑な地形を知り尽くす知恵が必要でした。南北朝時代(1336年から約60年間)に姿を現したのが、戦国時代に「海の大名」と呼ばれ、海原を自在に駆けめぐった村上海賊。
マルチな才能の村上海賊
「海賊」というと、略奪行為をする海の悪者というイメージがありますが、村上海賊は海の安全保障者としての名声を得ました。その他にもこんな才能があったのです。海賊のイメージとはまったく違いますね。
1.島々を物流の基地として、国内外を産地とする高級な陶磁器などの流通に携わる商人の顔。
2.名だたる大名たちも顔負けの優雅さで、香や茶や連歌をたしなむ文化人の顔。
3.瀬戸内海で獲れる新鮮な魚介類を扱う漁業者。
因島、能島、来島で同じ村上姓を名乗った三家はそれぞれ海城を築き、因島村上氏は本州側の航路、能島村上氏は中央の最短航路、来島村上氏は四国側の航路を押さえ、海の関所として瀬戸内海の東西交通を支配。「過所船旗(かしょせんき)」と呼ばれる通行許可証と水先案内によって他の海賊や航路の難所から船を守り、対価として通行料を徴収していたそうです。
日本遺産に認定された村上海賊
能島城跡 (C)一般社団法人 愛媛県観光物産協会
(「祝!日本遺産認定」村上水軍博物館|今治市役所より引用)
村上海賊のコラボイベント
日産自動車株式会社をはじめ8社の共同プロジェクト“日本まるごと家族で遊ぼう“がコンセプトの「ASOBO JAPAN」が、愛媛県今治市にて家族で海賊体験ができる1泊2日の「SEA CASTLE」を8月26日から1泊2日で開催。日本最大の海賊「村上海賊」が住んだ城跡で、親子で遊びながら歴史を学び、無人島探検する海賊体験ができるのです。
8月26日 (1日目)
09:00 福山駅集合
10:00 高速道路を新型日産SERENAで試乗体験
11:00 村上水軍博物館到着
11:15 CANON一眼カメラの撮影レッスン
11:30 しまなみ潮流体験
12:00 能島城に上陸し島内散策
12:15 GAKKENの自由研究ワークシートでメモ
13:00 能島城頂上付近で海賊弁当を食べるランチタイム
13:30 村上海賊体験 海賊サバゲ―で弓矢体験
14:30 村上海賊体験 炮烙玉で爆弾射的
15:30 村上水軍博物館で歴史を学ぶ
17:00 宿泊地へ移動
18:00 戦勝の祝いに食べていたと伝わる「法楽焼き」を楽しむ
19:30 GAKKEN監修にて夏休み自由研究メモ
8月27日 (2日目)
09:00 村上海賊体験 海賊船を再現した小早船にて家族対抗レース
10:30 優勝“海賊”家族の表彰式
11:30 しまなみ海道を親子でサイクリング
12:00 ゴールの伯方島でドライブ風景を撮影
12:30 解散
※内容は変更になる可能性があります
残念ながら、このイベントの応募期間は終了してしまっていますが、なんと6万件もの応募があったそうです!
興味を持たれたあなたは、和田竜氏の歴史小説「村上海賊の娘」を読んでみても良いかもしれませんね。第35回 吉川英治文学新人賞および第11回 本屋大賞を受賞した200万部のミリオンセラーです。
また、村上海賊の縁の地である愛媛県今治市の約5人に1人は、「村上」という苗字だそうです。
[村上海賊 公式サイト http://murakami-kaizoku.com/]
[今治市役所「祝!日本遺産認定」 http://www.city.imabari.ehime.jp/bunka/suigun/topics/075/]
[Photos by shutterstock.com]