筆者が前回通っていたイギリスの語学学校は、21時間の授業で1週間あたり£275(約40,425円)。これはクオリティイングリッシュという審査機関が認めた質の高い学校とされているところです。
今回の語学留学では、週15時間で£60(約8,820円!)の格安語学学校です。なぜ安いのか、いったいどんな違いがあるのか、実際に通って観察してみました。
※レートは2017年10月8日現在(£1=約147円)で計算しています。
安さの秘訣1:教室を1日数回転させてフル活用
前回の語学学校の一般コース(総合コース)は、9時30分から15時15分まで、休憩を挟みながら1日3コマの授業があるもの。金曜は昼前の授業のみで終了します。
現在の格安語学学校の一般コースは朝・昼・夕の時間帯から選択でき、教室は夜用のコースにも使われています。つまり4回転です。
いくつか格安語学学校のホームページを見た限り、どこも一般コースは2~3の時間帯から選べるようになっていて、回転のよいつくりです。
安さの秘訣2:学校の規模がコンパクト
以前の語学学校には、リスニングの練習に使うコンピュータールーム、図書館、学食、グラウンド、レクレーションルームなどがありました。
現在の格安語学学校は、シンプルに教室のみです。
安さの秘訣3:クラスの人数が多い
以前の語学学校は最大12名、現在の語学学校は最大22名の生徒を受け入れています。
安さの秘訣4:先生の休みが少なめ
どちらの学校でも、先生たちの持ちネタは、お給料が少ないこと。
しかし、以前の語学学校は、クリスマス期間の固定の3週間の他、自由に取れる休みが多いのがその学校で働くメリットの一つだと言っていました。
現在の語学学校の先生にきいてみると、年間で最大3週間休みが取れればいい方だとのこと。そんな先生の福利厚生も、学費に影響が出ているのかもしれません。
授業の質に違いはない?!
実際に授業を受けてみて、意外とその質は大きく変わらないように思いました。どちらの語学学校の先生も、自作のテキストを用意したりすることもあり、熱心です。
文法やリスニングは人数が関係ないですし、スピーキングもペアを組んでやるので、大人数によるデメリットは先生の目が届きにくいことくらいかもしれません。
生徒の国籍等タイプは違う
以前の語学学校は、ヨーロッパの特に北部や中部からの生徒が多く、中東、アジア、アフリカ、南米からの生徒もバランスよく在籍していました。大学入学前の試験対策で来ている学生の他、社会人は、法律関係、エンジニア、銀行員などが多かったです。女性が多めです。
現在の語学学校の、筆者がいるクラスはラテン系が多いです。コロンビア、ベネズエラ、エクアドル、ブラジルといった南米からの生徒、アジア系、ヨーロッパも南部からの生徒など。大学入学前の学生の他、ワーホリ等でカフェやレストランで働いている社会人もいます。男性が多めで、授業中のヤジが多めです。
最初のレベル分けなど事務的なことが雑
以前の語学学校は入学日にクラス分けのテストを数時間行い、その結果振り分けられたクラスでやっていけているのか、他の先生が観察しにきていました。
現在の格安語学学校では、事前にネットで選択式の文法のテストをして最初のクラスを決めます。結果、実際のレベルに合わないことも多々あるように見受けられます。
人間関係がドライ
現在の格安語学学校は90分の授業の合間は10分休憩のみ。携帯をみてやり過ごせる時間だったりするので、仲よくなるまでちょっと時間がかかります。
以前の語学学校は休憩時間が30分とお昼休憩がありました。ご飯を一緒に食べ、放課後に遊び、卒業後も続く人間関係が築きやすいです。学校のイベントは盛り上がり、先生とも親密になりました。
授業だけでいえば、そこまで大きな差があるようには感じられませんが、留学に友情やスクールライフを求めている場合は、格安語学学校でない方がよさそうです。
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