(C) Sara Aoyama
あなたがニューヨーク旅行で、通りがかりのレストランに入ろうかなと考えた時、不案内ゆえどんな様子かわからず悩むことでしょう。
実はレストランのレベルは、中に入らなくても分かるのです。入り口のドアや窓に貼ってある「アルファベットの表示」を見れば。
表示してあるアルファベットの意味は?
(C) Sara Aoyama
ニューヨークのレストラン、デリなどの飲食関係に貼ってある、” A”や“B”の表示。目に留まり、気がついている方はいるでしょうか。
気づいていたあなたは、かなり観察力が鋭いと言えるでしょう。この表示は、ニューヨークシティの保健局(NYC Health Department)が店内を検査して、評価したもの。
レストランの清潔度(キッチン、店内、 顧客に対して安全かどうかの階段などを含める設備の衛生度) を表すものなのです。
ランクはAが最高
(C) Sara Aoyama
“A”,”B”,”C”は、ニューヨークシティの保健局がつけた、いわば成績表。画像はこちらで、ご覧になれます。
検査のチェックポイントが落第の場合、マイナスポイントが加算。
結果、Aが一番良く、B、Cと成績が下がります。
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>保健局による飲食業の成績
Aは合格 0-マイナス13ポイント
Bは改善の余地あり マイナス14-マイナス27ポイント
Cは閉店の可能性も マイナス28ポイント以上
調査は抜き打ちで行われ、検査員は下記をチェックします。
ニューヨーク保健局の飲食業に関する検査項目
●スタッフの衛生管理(手洗い、調理時プラスチック手袋の着用、髪の毛を覆う帽子やスカーフの着用、エプロンなど)
●食品の管理状態(品質が落ちないよう管理されているか、洗浄して使っているか)
●食品の温度(温かいもの・冷たいものが、鮮度が落ちない温度で保たれているか)
●調理器具の衛生状態(清潔なものをしようしているか、キッチンシンクに水が溜めてあるか)
●店内の衛生状態(ハエ、ゴキブリ、ねずみ。ハエは1匹ずつ数え、罰金対象)
●店内設備が買い物客にとって安全か(危ない階段、明るさなど)
調査内容と採点の仕方。 >>>NYC Health How We Score and Grade
飲食業界にとっては恐怖のインスペクション(検査)
Bランクの中華系ベーカリー
(C) Sara Aoyama
抜き打ちでいきなりドカドカやってきて、検査するニューヨーク保健局。完璧な人間がいないように、完璧な飲食店などありませんから、飲食業界にとってインスペクションは恐怖のイベント。しかも店内設備については、ニューヨークのビルディング自体が100年〜150年以上経っている古いものが多いので、直しようがない場合も多いのです。店側は「保健局はいつやってくるのか」と常にヒヤヒヤ。そして忘れた頃に、インスペクションはやってきます(苦笑)。
評価がA以下になると、当然客足は落ちます。
成績が悪いと営業停止になる場合も
(C) Hideyuki Tatebayashi
※無断で画像を転載・使用することを固くお断りします。
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ニューヨーク保健局の検査でマイナスポイントがついた場合、罰金を支払わなければなりません。成績は店の入り口など、「分かるように、目立つ場所に必ず貼ること」と決まっています。引っかかったポイントがある場合は、再検査で改善するまで「ペンディング(上記写真)」の紙を貼られます。再検査で再び悪い点を取ると、営業停止になる場合があります。実際に閉店してしまうと、「ああ、あの店インスペクションでひっかかったのね」と皆思うのです。
店に行く前にもチェックできる
旅行客はほとんど気がつかないかと思いますが、ニューヨーク在住者は入り口のABCをチェックしています。基本的には、“A” の張り紙でのところで食べたほうが安全。マイナス13ポイントまでAなので、合格と言っても完璧ではありません。最近Cはほとんど見かけませんが、Bは時折見かけます。旅先でお腹を壊したり、食中毒にはなりたくないもの。入り口でABCの評価を確認しましょう。お店の清潔度が入り口で分かるなんて、安心ですね。
また個人的な意見で付加しますと、ニューヨークのたまごは日本のたまごのように生食には向いていません(たまごの生食をする習慣がないため)。日本人観光客は「エッグ・ベネディクト」を朝食に召し上がるのがお好きですが、中がとろっとした黄身のたまごで、筆者はお腹を下した経験があります。たまごはオムレツや目玉焼きで良く焼いてもらったほうが安心だと思います。
保健局の評価は、店先まで行かなくても、下記のサイトで確認出来ます。予約したいレストランなど、確認しておくと良いかもしれませんね。
PROFILE
青山 沙羅
sara-aoyama ライター
はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。
はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。