花の島マイナウに中世の可愛い町々、欧州の人気リゾート「ボーデン湖」の魅力【ドイツ・スイス】

Posted by: 春奈

掲載日: Jan 28th, 2018

日本ではまだあまり知られていないボーデン湖は、ヨーロッパではよく知られた人気のリゾート地。花の島や世界遺産の島、中世の面影を色濃く残す可愛らしい町々など、絵本から抜け出したかのような、日本人が知らないボーデン湖の魅力をご紹介します。

【ドイツ・スイス】花の島マイナウに中世の可愛い町々、ヨーロッパの人気リゾート・ボーデン湖の魅力

日本ではまだあまり知られていないボーデン湖は、ヨーロッパではよく知られた人気のリゾート地。

花の島や世界遺産の島、中世の面影を色濃く残す可愛らしい町々など、日本人が知らないボーデン湖の魅力をご紹介します。

ボーデン湖って?

【ドイツ・スイス】花の島マイナウに中世の可愛い町々、ヨーロッパの人気リゾート・ボーデン湖の魅力

日本ではあまりなじみがありませんが、ボーデン湖はヨーロッパでも有数の温暖なリゾート地として知られています。ドイツとスイス、オーストリアの3か国の国境をなす536平方キロメートルの湖で、その風景は一見湖というよりも海のよう。

花の島マイナウ島や世界遺産の島ライヒェナウ島、さらにはメーアスブルクやシュタイン・アム・ラインといった中世の面影を残す美しい町々まで、その魅力は実に多彩です。

コンスタンツ(ドイツ)

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ボーデン湖の西端に位置する古都コンスタンツは、ボーデン湖畔最大の町。4世紀半ばにローマ皇帝コンスタンス・クローレによって築かれたといわれ、1414年から1418年にかけては、教会大分裂を終結させた「コンスタンツの公会議」の舞台となりました。

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湖畔の町だけあって、開放的な空気とのんびりとした雰囲気をあわせもつ優雅な町並みが自慢。コンスタンツのシンボルが、港の突堤で回転する妖艶なインぺリア像です。

一方の手に裸の教皇、もう一方の手には裸の皇帝を乗せたインペリア像は、男性の性欲を利用して権力者をもてあそんだ女性の姿を表しているというだけあって、1993年の制作当時には物議をかもしたといいます。

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旧市街のランドマークが、力強い尖塔が印象的な大聖堂。7世紀後半に建てられたもので、高さ76メートルの塔からはボーデン湖の見事な眺望が待っています。

カラフルでエレガントな歴史的建造物が並ぶコンスタンスは、ただ歩くだけでも心地よいところ。カフェやショップをめぐりながら、気ままな町歩きを楽しんでみては。

マイナウ島(ドイツ)

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年間100万人が訪れる、ボーデン湖に浮かぶ「花の島」として知られるのがマイナウ島。中世から長らくドイツ騎士団の所有となっていましたが、19世紀にバーデン公フリードリヒ1世がこの島を購入し、熱帯植物の島へと変身させました。

ドイツにありながら、バナナやサボテンといった熱帯植物のほか、春はクロッカスやチューリップ、夏から秋にかけてはダリアやバラが咲き乱れ、秋には紅葉と、季節に応じて異なる楽園のような風景が楽しめます。

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1200株ものランのコレクションがあるパームハウス、1000羽もの超が舞うドイツ最大の放蝶温室も見ものです。さらには13世紀建造の美しいバロック宮殿もあり、自然と人工物が織り成す風景はおとぎの世界のよう。花が好きな人なら、一日中いても飽きることはないでしょう。

ライヒェナウ島(ドイツ)

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ボーデン湖に浮かぶ最大の島、ライヒェナウ島は世界遺産の修道院の島。9世紀に修道院が置かれて以来、ベネディクト修道会の中心地として発展し、一時は「黄金の島」とも呼ばれたほどの繁栄を謳歌しました。

【ドイツ・スイス】花の島マイナウに中世の可愛い町々、ヨーロッパの人気リゾート・ボーデン湖の魅力

「オーバーツェル(Oberzell)」と呼ばれる集落に建つ聖ゲオルク教会は、9世紀の創建以来ほとんどその姿を変えていないという貴重な教会。内部に足を踏み入れると、1000年も前に描かれたフレスコ画が壁が一面に広がり、その鮮やかさに息を呑みます。

自然豊かでのどかな風情のライヒェナウ島では、サイクリングやピクニックをしながらのんびりと過ごすのがおすすめ。ときにはドイツ流のスローな休日を楽しんでみてはいかがでしょうか。

メーアスブルク(ドイツ)

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ボーデン湖に面した斜面に張り付くようにして、カラフルな建物が並ぶロマンティックな町がメーアスブルクです。ドイツのボーデン湖畔の町のなかでもひときわ可愛らしい町並みで知られ、「絵本から抜け出したかのよう」と称されることもあるほど。

【ドイツ・スイス】花の島マイナウに中世の可愛い町々、ヨーロッパの人気リゾート・ボーデン湖の魅力

小さな町ながら見どころの多いメーアスブルクのシンボル的存在が、旧城です。その歴史は7世紀にまでさかのぼることができ、現在も人が暮らす城としてはドイツ最古。居住エリア以外は博物館として公開されていて、中世の騎士物語を彷彿とさせるロマンあふれる空間を見学できます。

【ドイツ・スイス】花の島マイナウに中世の可愛い町々、ヨーロッパの人気リゾート・ボーデン湖の魅力

近くにあるピンク色の新城は、18世紀にバロック様式で建てられたもの。内部は絵画ギャラリーとして公開されています。

もうひとつ、メーアスブルクのお楽しみといえば名産のワイン。新城の奥には州立ワイナリーがあり、ほかではなかなか手に入らない地元のワインが安く手に入ります。

シャフハウゼン(スイス)

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ライン川沿いの町シャフハウゼンは、水運交易で栄えた古都。壁画や彫刻が美しさを競い合う豪華な館が建ち並ぶ旧市街は、中世の空気を今に伝えています。旧市街の中心部に建つ大聖堂は、スイスを代表するロマネスク建築。

高台にそびえる円形の城塞、ムノート城からは赤茶屋根が連なるシャフハウゼンの町並みと、周囲に広がるブドウ畑、ライン川が一体となったすばらしい風景が楽しめます。

【ドイツ・スイス】花の島マイナウに中世の可愛い町々、ヨーロッパの人気リゾート・ボーデン湖の魅力

そして、シャフハウゼンを有名にしているのが近郊にあるラインの滝。落差は23メートルしかありませんが、幅はなんと150メートルにものぼる、ヨーロッパ一の水量を誇る大迫力の滝です。特に雪解け時期の5~6月にはひときわスケールアップ。ごうごうと音を立てて流れ落ちる滝の迫力に、圧倒されずにはいられません。

シュタイン・アム・ライン(スイス)

【ドイツ・スイス】花の島マイナウに中世の可愛い町々、ヨーロッパの人気リゾート・ボーデン湖の魅力

シュタイン・アム・ラインは、スイスで最もよく中世の景観を残す町のひとつ。伝統的な町並みと景観を残すスイスの町や村に与えられる「ワッカー賞」を史上初めて受賞しました。

「シュタイン・アム・ライン」という名はドイツ語で「ライン沿いの石」の意味。しかし「シュタイン」には「宝石」という意味もあり、シュタイン・アム・ラインは「ラインの宝石」とも称されるほど美しい景観を誇っています。

【ドイツ・スイス】花の島マイナウに中世の可愛い町々、ヨーロッパの人気リゾート・ボーデン湖の魅力

シュタイン・アム・ラインの風景を格別なものにしているのが、16~18世紀に家々の外壁に描かれた見事なフレスコ画。

かつての繁栄ぶりを物語る壮麗な建造物群を前にすれば、別世界に迷い込んだかのような気分になります。こぢんまりとした町ですが、聖ゲオルグ修道院の郷土博物館やリントヴルム博物館では、中世や19世紀の暮らしぶりに触れることができます。

現在はレストランとして営業している高台のホーエンクリンゲン城からの絶景を堪能するのも忘れずに。晴れた日にここで楽しむランチは最高ですよ。

ザンクト・ガレン(スイス)

【ドイツ・スイス】花の島マイナウに中世の可愛い町々、ヨーロッパの人気リゾート・ボーデン湖の魅力

ボーデン湖から少し内陸に入ったところにあるザンクト・ガレンは、ザンクト・ガレン州の州都。この町の見どころは、なんといっても世界遺産に登録されているザンクト・ガレン修道院です。

その起源を7世紀はじめにさかのぼるこの修道院は、中世ヨーロッパの学問と文化の中心地として大いに栄えました。現在は宗教的な意味での修道院としての機能はなくなりましたが、その遺産は往時の繁栄ぶりを十分すぎるほどに物語っています。

なかでも、修道院図書館は世界最大級の中世の図書館として有名。壮麗な天井画で彩られたロココ様式のホールには、10万冊を超える蔵書がびっしりと収められており、そのほとんどが今でも読むことができる状態だといいます。空間としての美的価値はもちろん、蔵書には8~12世紀の写本など貴重なものが多く、その歴史的・学術的価値は計り知れません。

【ドイツ・スイス】花の島マイナウに中世の可愛い町々、ヨーロッパの人気リゾート・ボーデン湖の魅力

美しい天井画や精緻な彫刻で覆われた、スイスを代表する後期バロック様式の大聖堂も必見です。

【ドイツ・スイス】花の島マイナウに中世の可愛い町々、ヨーロッパの人気リゾート・ボーデン湖の魅力

自然と歴史、文化が随所に散りばめられたボーデン湖。その魅力に触れれば、きっと心洗われるような時間が過ごせることでしょう。

[All Photos by shutterstock.com]

PROFILE

春奈

Haruna ライター

和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。

和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。

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