みなさんは、沖縄本島の南東に浮かぶ神の島があるのをご存知ですか? 沖縄の人々にとって特別な意味を持つこの島では、今でも多くの祭祀が行われています。聖域であるがゆえに、不思議な話もあるのです。
久高島(くだかじま)とは?
沖縄本島の南部から5kmほどのところに位置する、周囲約8キロほどの小さな島が「久高島(くだかじま)」です。
神話では、この久高島にアマミキヨという神が舞い降りて国をつくったと言われています。琉球王国時代は最高の聖域とされ、国王は必ず参詣していました。沖縄本島の聖地である斎場御嶽からも仰ぎみることができます。
(c)Shio Narumi
この島の中で最も大切な拝所であるクボー御嶽など、立ち入りや写真撮影が禁止とされている場所もある、本物の聖域です。
40年間、該当者がいないということで行われていないものの、巫女としての霊力を授かるイザイホーという儀礼が知られています。知人にすすめられて見た写真集では、モノクロ写真で、女性たちが白い着物、ハチマキを身に着けていて、この世でないようなインパクトがありました。
また土地は神様からお借りしているものであり、今も私有という概念がないという点にも衝撃を受け、ぜひ訪れたいと思いました。
久高島の不思議なこと
(c)Shio Narumi
そんな久高島ですから、呼ばれた人だけが訪れることができると言われ、そうでないとフェリーが欠航して訪問できないという噂があります。
(c)Shio Narumi
(c)Shio Narumi
また、島の石、貝殻など何か持ち帰ると悪いことが起こるという噂もあります。神のものだからでしょうか。体調不良になったとか、事故にあったとか。返却するとよくなるという。同様の噂はオーストラリアのウルル(エアーズロック)にもありますね。
(c)Shio Narumi
(c)Shio Narumi
逆に島を訪れると結婚など人生に幸運が訪れるという話もあり、筆者に島をすすめてくれた先輩の知人は子宝に恵まれたと言うことでした。
(c)Shio Narumi
(c)Shio Narumi
(c)Shio Narumi
そんな聖なる島で、筆者はサイクリング中に蛇を轢いてしまったことがあります。蛇は生きていましたが、島で農作業中のおばあさんにアドバイスを求めました。そんなこと全く問題でも何でもないといった反応で拍子抜けしました。
クボー御嶽でアゲハチョウに出会ったことになんとなく神秘を感じたくらいで、不思議なことは起きませんでした。ちなみに斎場御嶽でカメラのシャッターがどうしてもおりなくなった、ということはありました。
(c)Shio Narumi
(c)Shio Narumi
久高島の魅力
(c)Shio Narumi
霊感のない筆者ですが、久高島は3回訪れています。魅力は、何にもないところ。商業施設にあたるのは、お土産の販売がある小さな船の待合所、食事処、レンタル自転車屋さん、宿泊施設くらいでしょうか。
(c)Shio Narumi
おばあさんのやっている民宿では、夜おじいさんがやってきて三線をひいてくれたのがあたたかい出来事でした。
島で燻されたうみへびのイラブー汁も元気になるとのこと。意外とあっさり食べられます。
日帰りでも、自転車で島をめぐるのがなんとも気持ちよい時間です。夏休みの子供のような気分で過ごす、心から洗われるような特別な時間が待っています。
(c)Shio Narumi
[A Photo by shutterstock.com]