呼ばれた人だけが訪れることができる神の島、沖縄「久高島」

Posted by: 鳴海汐

掲載日: May 29th, 2018

沖縄本島の南東に浮かぶ神の島があるのをご存知ですか? 沖縄の人々にとって特別な意味を持つ久高島(くだかじま)では、今でも多くの祭祀が行われています。聖域であるがゆえに、不思議な話も。島の人でも特別なときに特別な人しか入れない場所や、男性立ち入り禁止のところもある、久高島の魅力を現地ルポ。

呼ばれた人だけが訪れることができる、神の島「久高島」

みなさんは、沖縄本島の南東に浮かぶ神の島があるのをご存知ですか? 沖縄の人々にとって特別な意味を持つこの島では、今でも多くの祭祀が行われています。聖域であるがゆえに、不思議な話もあるのです。

久高島(くだかじま)とは?

沖縄本島の南部から5kmほどのところに位置する、周囲約8キロほどの小さな島が「久高島(くだかじま)」です。

神話では、この久高島にアマミキヨという神が舞い降りて国をつくったと言われています。琉球王国時代は最高の聖域とされ、国王は必ず参詣していました。沖縄本島の聖地である斎場御嶽からも仰ぎみることができます。

呼ばれた人だけが訪れることができる、神の島「久高島」
(c)Shio Narumi

この島の中で最も大切な拝所であるクボー御嶽など、立ち入りや写真撮影が禁止とされている場所もある、本物の聖域です。

40年間、該当者がいないということで行われていないものの、巫女としての霊力を授かるイザイホーという儀礼が知られています。知人にすすめられて見た写真集では、モノクロ写真で、女性たちが白い着物、ハチマキを身に着けていて、この世でないようなインパクトがありました。

また土地は神様からお借りしているものであり、今も私有という概念がないという点にも衝撃を受け、ぜひ訪れたいと思いました。

久高島の不思議なこと

呼ばれた人だけが訪れることができる、神の島「久高島」
(c)Shio Narumi

そんな久高島ですから、呼ばれた人だけが訪れることができると言われ、そうでないとフェリーが欠航して訪問できないという噂があります。

呼ばれた人だけが訪れることができる、神の島「久高島」
(c)Shio Narumi

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また、島の石、貝殻など何か持ち帰ると悪いことが起こるという噂もあります。神のものだからでしょうか。体調不良になったとか、事故にあったとか。返却するとよくなるという。同様の噂はオーストラリアのウルル(エアーズロック)にもありますね。

呼ばれた人だけが訪れることができる、神の島「久高島」
(c)Shio Narumi

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逆に島を訪れると結婚など人生に幸運が訪れるという話もあり、筆者に島をすすめてくれた先輩の知人は子宝に恵まれたと言うことでした。

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(c)Shio Narumi

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(c)Shio Narumi

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(c)Shio Narumi

そんな聖なる島で、筆者はサイクリング中に蛇を轢いてしまったことがあります。蛇は生きていましたが、島で農作業中のおばあさんにアドバイスを求めました。そんなこと全く問題でも何でもないといった反応で拍子抜けしました。

クボー御嶽でアゲハチョウに出会ったことになんとなく神秘を感じたくらいで、不思議なことは起きませんでした。ちなみに斎場御嶽でカメラのシャッターがどうしてもおりなくなった、ということはありました。

呼ばれた人だけが訪れることができる、神の島「久高島」
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(c)Shio Narumi

久高島の魅力

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(c)Shio Narumi

霊感のない筆者ですが、久高島は3回訪れています。魅力は、何にもないところ。商業施設にあたるのは、お土産の販売がある小さな船の待合所、食事処、レンタル自転車屋さん、宿泊施設くらいでしょうか。

呼ばれた人だけが訪れることができる、神の島「久高島」
(c)Shio Narumi

おばあさんのやっている民宿では、夜おじいさんがやってきて三線をひいてくれたのがあたたかい出来事でした。

島で燻されたうみへびのイラブー汁も元気になるとのこと。意外とあっさり食べられます。

日帰りでも、自転車で島をめぐるのがなんとも気持ちよい時間です。夏休みの子供のような気分で過ごす、心から洗われるような特別な時間が待っています。

呼ばれた人だけが訪れることができる、神の島「久高島」
(c)Shio Narumi

[A Photo by shutterstock.com]

PROFILE

鳴海汐

Shio Narumi ライター

イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。

イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。

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