国内の某空港でグランドスタッフとして働いていた経験のある蒼井空(あおい そら:仮名)さんに聞いた、「今だから話せる驚きの実話」。さまざまな国の人々が行き交う空港では、文化ギャップを感じる興味深い出来事が日々繰り広げられているのです。第4回目は、すぐに嘘をつくインド人のお話。
空港使用料を自動券売機で購入していた頃
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現在は航空券に含まれる形で徴収されるようになった空港使用料ですが、以前は自動券売機で購入していた時代がありました。この、自主的に個人が購入しなければならない空港使用料が、グランドスタッフにとっては悩みのタネでした。
自動券売機での購入を失念する人、お金がないと言い張る人続出
事前に空港での手続きの流れをしっかり調べている人は問題ないと思いますが、当時この空港使用料を券売機で買うことを忘れる人は多くいたそう。特に外国人はその傾向が強かったと言います。
「空港使用料を支払っていない場合、もちろん自動券売機で買っていただくことになるのですが、中には『お金を持っていない』と言い張る人も・・・。インドの方は特に、『ない』の一点張りで強く主張する方が多かったですね。中には『お金がないからあなたが買って』と言う人もいらっしゃいました」(蒼井さん談)
たしかに、空港使用料は安くはありません。空港により金額は違いますが、2000円以上する場合もあります。出国する際、日本円はもう持っていないということもあるかもしれません。
『嘘つき!』と言いたくなったあの瞬間
「日本円をもう持っていない、という方には、ドルでも本国の通貨でも、クレジットカードでもいいから、と説明します。それでも『ない』と言い張る方も実際いるんです。帰国してからのことを考えれば、無一文ということは絶対にないと思うんですが(笑)。
あるとき、あるインドの方が『お金は持っていない。ドルもカードもない』と言って、いつものように押し問答になったんですが、出発便の時間ギリギリになってしまい、仕方なく航空会社で立て替えたことがありました。そういう場合は、到着空港で徴収するよう、社内システムで申し送りをしておきます。
それが、その人が搭乗口のゲートでポケットの中をガサゴソしていたとき、ポケットからドル紙幣がたくさん出てきたんです。『やっぱり持ってるじゃない!嘘つき!』と言いたくなりましたね」(蒼井さん談)
グランドスタッフのみなさま、日々おつかれさまです!
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