南国に降る雪のような「雪どけのおさとう」|たったひとつを叶える旅<22>

Posted by: 青山 沙羅

掲載日: Oct 17th, 2018

旅の目的は「たったひとつ」が潔いと思いませんか。今回の「たったひとつ」は、天然の甘み。厳しく優しく育てられた宮古島産「こくとうみつ」と「雪どけのおさとう」。空回りで虚しい気持ちも、悔し涙を飲み込んだことも、気まずい別れを迎えた時も、砂糖の甘さが心を宥めてくれる。

南国に降る雪のような「雪どけのおさとう」|たったひとつを叶える旅<22>

旅の目的は「たったひとつ」で良い

旅の目的は「たったひとつ」が潔いと思いませんか。
あれもこれもと盛りだくさんは、大人には野暮というもの。情報が氾濫している現代だからこそ、余計なものは削ぎ落として、自分の「たったひとつ」を選び取るのが粋。旅の荷物はシンプルに、期待だけを詰めて。

私たちがまだ訪れたことのない、未知の場所や絶景。
笑顔で迎えてくれる、あたたかい地元のひと。
生産地ならではの、新鮮で美味しいもの。

珠玉のように散らばる日本各地の魅力を発信する「ONESTORY(ワンストーリー)」。「ONE=1ヵ所」を求めて日本を旅するメディアから、私たちの「たったひとつ」が見つかりそうです。

人生には甘味が必要だ

人生は時にほろ苦い。
人生は時に涙の味がする。

だから、私たちは甘味を求める。

空回りで虚しい気持ちも、
悔し涙を飲み込んだことも、
気まずい別れを迎えた時も、
砂糖の甘さが心を宥めてくれる。

やさしい甘さが恋しい

多くの製造工程を経てショ糖だけを精製した上白糖やグラニュー糖などは、尖った甘さを感じませんか。原料であるサトウキビに一番近い黒糖は、カルシウム・リン・鉄分・ナトリウム・カリウム・マグネシウムなどのミネラルが残っています。黒糖の甘さに優しさと懐かしさを感じるのは、天然に近い甘さゆえなのかもしれません。

南国沖縄宮古島産の「雪どけのおさとう」

南国に降る雪のような「雪どけのおさとう」|たったひとつを叶える旅<22>

無肥料自然栽培のサトウキビを搾汁し、丁寧に灰汁を取り除きながら焚き詰めた搾汁液を、最終工程で遠心分離器にかけます。取り出された液体成分が黒糖蜜(美味し~いこくとうみつ)、砥ぎ上げた固体成分がキビ砂糖(雪どけのおさとう)。この2つは豆乳とおからのような関係性で、これらを集めて固めると黒糖になります。サラサラとしたきび砂糖「宮古島産の雪どけのおさとう」は、宮古島の砂のような手触り。繊細な口どけとやさしい甘さ。南国沖縄で作られるお砂糖が、「雪どけのおさとう」というネーミングも素敵。

和製のシロップ こくとうみつ(黒蜜)

南国に降る雪のような「雪どけのおさとう」|たったひとつを叶える旅<22>

香りの良い「こくとうみつ」(黒蜜)は、洋風ならアイスクリーム、ヨーグルト、パンケーキ、フレンチトースト、和風ならくずもちや白玉だんごにかけて食べましょう。やさしい甘さに、気持ちが充たされてきますよ。

無農薬・化学肥料不使用の宮古島産サトウキビ

南国に降る雪のような「雪どけのおさとう」|たったひとつを叶える旅<22>

沖縄と奄美群島を中心に栽培されている「サトウキビ」。『オルタナティブファーム宮古』では、サトウキビを「生き物」と考え、農薬・化学肥料を使わず、厳しく、優しく、丁寧に自然栽培。ケミカルな味がしない、自然な甘さこそ、現代の私たちが求める味なのだと気付かされます。

今回のたったひとつは、天然の甘み。厳しく優しく育てられた宮古島産「こくとうみつ」と「雪どけのおさとう」。私たちが旅へ向かわずにいられないのは、日常で求められない「たったひとつ」に出逢うためなのです。

■もっと知りたくなったら
ONESTORY(ワンストーリー)
サトウキビの常識を超え、市場に切り込んだ男。[オルタナティブファーム宮古/沖縄県宮古島市]

オルタナティブファーム宮古
〒906-0305
住所:沖縄県宮古島市下地字与那覇53 
料金:宮古島産の美味し~いこくとうみつ1,296円 、ベビーマンゴージュース378円など
http://alternative-farm.com/

PROFILE

青山 沙羅

sara-aoyama ライター

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

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