世界では、137か国で365万1,715人が日本語を勉強しています。この人数には独学は含まれていなくて、学校の授業や語学学校、語学講座、登録制のインターネット教育などの人数だけがカウントされているので、実際はもっと多くいることになります。
日本語を学ぶ人が多い国は、ビジネスや文化的な関わりの強さを示しているはず。3年毎に調査のある国際交流基金の「海外日本語教育機関調査」をみてみました。
第10位 マレーシア /3万3,224人
マレーシアには日本や韓国を手本とする東方(ルック・イースト)政策があり、日本への関心が強い国と言えます。ただ近頃は、勢いのある中国や韓国の人気が高まり、学校教育以外の学習者人口が減少気味です。
第9位 フィリピン /5万0,038人
就労目的以外にも、若者がアニメの影響などで日本に興味を持つようになりました。語学学校などでの学習者が約56%と多いのですが、2009年から公立高校でも日本語が選択科目として扱われるようになり、学習者が増えています。
第8位 ベトナム /6万4,863人
語学学校などの学習者が約53%です。日系企業で働きたい、昇給したいという大人の学習者が特に北部で増えています。2016年時点では、日本への留学生は約5万9千人と世界2位となっています。
第7位 アメリカ合衆国(米国) /17万0,998人
アメリカでは、学校教育で日本語を勉強している人が日本語学習者の約94%を占めています。アメリカ人の学びたい外国語ランキング5位という調査結果もあります。スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリアに次ぐ人気だとか(全米外国語教育協会(ACTFL)調査)。
第6位 タイ /17万3,817人
近頃では日本のポップカルチャー好きが高じて日本語の勉強を始める人が多いタイ。また日系企業の進出が続いている影響もあって、学校教育以外の生徒が2012年から2015年の間に70%増えたというデータも。
第5位 台湾 /22万0,045人
ここ数年親日の度合いが増して、最も好きな国に日本を挙げる人が56%に達しています(2016年日本台湾交流協会調べ)。日本語能力試験を受ける学習人口比が世界一高く、この結果は、就職、昇進のほか、学校での評価にも使われています。
第4位 オーストラリア /35万7,348人
日本語学習者の約97%が、小学校から高校の生徒です。日本語は外国語の中で一番人気だそう。大学受験で外国語を選択する人は多くないそうですが、日本語は大学入学認定科目になっています。
それではベスト3をみてみましょう。
第3位 大韓民国(韓国) /55万6,237人
第3位はお隣り韓国。中学、高校の学習者が全体の81%と大多数の中、少子化と2009年に第二外国語が必修でなくなった影響で大幅減少。ただ、2012年の時点では、第二外国語の7つの言語のなかで一番人気で、60%の生徒が日本語を選んだそう。また「学院」という民間の教育機関や、文化センターなどの生徒も増加中です。
第2位 インドネシア /74万5,125人
第2位は意外にも日本から少し離れたインドネシアです。就職のために勉強する人、日本のポップカルチャー好きな人が学んでいます。2003年から日本語学習者が大幅に増えていましたが、学習者の約95%が中学・高校での学習者だったせいで、2013年に高校で第二外国語が必修でなくなったことで減少しています。
第1位 中華人民共和国(中国) /95万3,283人
第1位はやはり中国。中級上級レベルになる、モノになる人が多くいます。日本語学習者の約66%が大学生で、日系企業への就職目的、日本のカルチャーや観光目的で勉強を始めているそうです。ただ、ここ数年は英語人気に押されて減少傾向。また大学では、「一帯一路」で関係する20か国以上の言語が外国語の選択肢に追加され、日本語学習者はさらに減りそうな状況です。
近頃は、ユーチューブなどインターネットでも勉強できるということで、独学が増えているという報告があります。語学学校に行かずアプリで勉強して話せるようになった人を筆者も知っています。やろうと思えばいくらでも語学は勉強できる世の中になりました。
参考
[国際交流基金 2015年度「海外日本語教育機関調査」結果(速報)]
[国際交流基金 日本語教育 国・地域別情報 2017年度]
[台湾で高まる日本語学習熱 日本語能力試験の応募者数世界3位|excite ニュース]