「ハッジ」という言葉を聞いたことがありますか?簡単に言えば、イスラム教徒により毎年行われるメッカへの大巡礼を指します。毎年300万人ものムスリムが大巡礼をするその様子は、まさに圧巻の一言。今日は、知っているようで知らないイスラム教のメッカの様子をお伝えしたいと思います。
メッカの様子を覗く
メッカは、サウジアラビアはマッカ州のマッカ市にあります。マッカ市の中心20kmには、イスラム教徒以外が立ち入ることはできません。
メッカへの巡礼と聞いて、すぐに思いつくのがこちらのイメージではないでしょうか。左下に見える黒い立方体の建物は、「カアバ神殿」と呼ばれるイスラム教最高の聖地です。
世界中のムスリムは、カアバ神殿のある方角に向かって礼拝を行います。扉がついていますが、中は空っぽなんだそう。黒の布に施された金の刺繍が美しいですね。
カアバ神殿があるのが、マスジド・ハラーム。マスジド・ハラームは、カアバ神殿に礼拝するための唯一のモスクです。エアコン完備で、快適に巡礼できます。
ちなみに、メッカ巡礼の様子はインターネットで毎日ストリーミング放送されており、日本から見ることもできます。中東諸国では、テレビ放送もされていますよ。
ハッジあれこれ
ハッジ(大巡礼)は毎年イスラム暦12月に行われ、今年は10月2日~7日の間であると予想されます。イスラム暦は、月の運行に基づき1か月を約29.5日と数えるため、私たちの使うグレゴリオ暦とは異なり、毎年日付にズレが生じます。ハッジを行うのは、健康で資金に余裕のあるムスリムです。
©AHMAD FAIZAL YAHYA/Shutterstock.com
メッカへの玄関口の都市ジッダにあるキング・アブドゥルアズィーズ国際空港には、ハッジの時期にだけ、メッカへの巡礼客のみが使用できる空港ターミナルがあります。
男性は、イフラームと呼ばれる縫い目のない巡礼着を身に着けます。女性は、特別な巡礼着はなく、普段通りに顔と手先以外を覆った服装で良いそうです。
マスジド・ハラームは一度に100万人を収容することが可能だとか。ちょっと想像を超えた規模ですね。
©AHMAD FAIZAL YAHYA/Shutterstock.com
マスジド・ハラームすぐ外の時計塔が印象的な建物は、ホテルなどが入る超高層ビル群。アブラージュ・アル・ベイト・タワーズと名付けられ、4階建てのショッピングモールや、10万人が宿泊できるホテルがあるそうです。
マスジド・ハラームにある「ザムザムの泉」の水は、聖水として扱われ、サウジアラビアの法律により販売が禁止されています。ただ、実際には需要が高く、今でもお土産として売られているとか。
世界に約15億人いると言われるイスラム教徒。日本でも、マレーシアなどからの観光客数の増加に伴い、ハラールという言葉が浸透してきました。これからは、日本でイスラム教徒と知り合う機会も増えるかも知れませんね。
[イスラミックセンタージャパン]
[All Photo by Shutterstock.com]