沖縄の北谷(ちゃたん)・アメリカンビレッジ内に、革命的なビーントゥーバーのチョコレート専門店があるのをご存知でしょうか。沖縄でとっておきのお土産を探すなら知っておきたい、「タイムレスチョコレート」を現地ルポ!
イートインもできる、スタイリッシュな店内
こだわりのチョコレートやスイーツ、ドリンクが楽しめる「タイムレスチョコレート」。2014年8月、沖縄初の“ビーントゥーバー”チョコレート専門店として誕生しました。
センスがキラリと光る店内にはイートインスペースもあり、チョコレートを作っている工房をガラス越しに眺めることもできます。
試食が充実しているのもうれしいポイント。チョコレートやカカオニブ、カカオスプリンプル(特製カカオふりかけ)はもちろん、チョコレートに使われている一番搾りの純黒糖や、島ザラメの試食もできるんです! 材料へのこだわりは、こんなところからも伝わってきます。
器も味わいも個性的!お店で人気のメニューはこちら
お店で一番人気のあるドリンクは定番の「自家製チョコレートドリンク(ホット・アイス共に600円)」。時期によってカカオ豆の産地の異なるドリンクが登場します。筆者が訪れたときは、カカオの濃厚な風味を楽しめる「ガーナ70%(写真左:ホット)」と驚くほどフルーティーな「ベトナム70%(写真右:アイス)」がいただけました。
ドリンクの器も個性的だと思いませんか? 沖縄の陶芸作家・今村能章(いまむらよしあき)さんの作品だそうですよ。
「チョコレートテリーヌプレート(400円)」はイートインのみの特権。こちらのチョコレートテリーヌは、お店のチョコレート菓子の中でも特に人気なのだとか。材料はカカオ豆、サトウキビ、県産卵、純粋バターの4つのみで、小麦粉などは使われていません。純度の高い味わいを堪能できます。
プレートには冬瓜の砂糖漬けも添えられています。カカオニブと冬瓜の砂糖漬けの組み合わせは斬新!
また、ストレート、純ソーダ割り、季節のフラッペと3種を展開している「カカオ果肉」のドリンクも人気だそう。カカオ果肉はライチやマンゴスチンのような高貴な味わいで、日本では非常に珍しいフルーツだといいます。
ASORTED BOX(アソートボックス)
そしてこちらが、筆者がとっておきのお土産としておすすめしたい「ASORTED BOX(アソートボックス)8p入り 1380円」。なんと、カカオ豆の4つの産地の食べ比べが楽しめるんです。お店のチョコレート商品の中で一番人気というのも納得のお得感。
こちらは「GHANA 78%」。ガーナ産の粗挽きカカオ豆と、喜界島産の島ザラメが原料です。粗挽きカカオがまるでナッツのような風味を醸し出して面白い!
「VIETNAM 70%」は粗挽きのベトナム産カカオ豆と、島ザラメだけでできていると信じられないほど、ベリーの風味を感じます。香り豊かで、弾けるような食感も個性的。編集部の試食大会でも一番感動の声があがったチョコレートでした。
「CUBA 72%」の原料は、石臼挽きのキューバ産カカオ豆と、多良間島産の純黒糖。石臼挽きなのでぐっとなめらか、ラム酒のような香りも楽しめて大人の味わいです。
「COLOMBIA 82%」は、コロンビア産カカオと純黒糖。カカオの風味をストレートに堪能でき、ダークチョコレート好きにはたまらないと思います。
生黒糖ボンボン
生黒糖ボンボン(1p 350円)は通好みの味。生黒糖は濃厚で、こし餡のようななめらかさです。黒糖ってもっとくせのある田舎らしい風味がすると思っていたのですが、驚くほど洗練された深い甘みです。筆者にとっては気付け薬にも近いインパクトでした。
ココナッツチョコクッキー
ココナッツチョコクッキー(3枚入り 380円)は、ザクザクした食感とココナッツ&カカオの組み合わせがくせになる味。あまりのおいしさに、一気に完食してしまい、もっと買っておけばよかったと後悔しました。チョコキャラメルクッキーやチャイビスコッティも次回はぜひ試してみたいと思います。
オーナーの林さんにインタビュー!
(C)TIMELESS CHOCOLATE
というわけで、チョコレートやスイーツのあまりのおいしさに感動した筆者は、後日改めてオーナーの林さんにメールインタビュー。革命的とも言えるタイムレスチョコレートの想いをお伺いしてみました。
(C)TIMELESS CHOCOLATE
TIMELESSで提供しているスイーツはすべて手作りなので、季節によって作品が入れ替わります。亜熱帯の沖縄のため、やっと冬本番(本土では秋のような気候ですが・・・)を迎えた12月〜3月は様々なスパイスと合わせた展開を心がけています。
また、1月より提供開始予定として自家製甘酒とカカオを合わせた作品のスタートを予定しています。
この組み合わせは那覇にある会員制泡盛BAR「泡盛倉庫」との共同開発になります。冬瓜漬の歴史は300年以上と長く、琉球王朝にも献上されていた歴史があり、原料が冬瓜と砂糖のみのため自社のチョコレート(カカオとサトウキビ)と近い物があります。
300年前ではカカオが出回っていない状態ですが、「現代で琉球王朝に献上するならば・・・」の話から、「現代で実現できる原料を究極に引き算し、新たな角度から提案できれば」との思いから組み合わせが実現しました。
チョコレートを構築する上で必要不可欠な糖分を冬瓜漬で代用することで、ここ沖縄ならではのペアリング→新たなチョコレート菓子としての提案として誕生しました。
沖縄で唯一残っている「謝花きっぱん店」とは毎年冬時期にコラボをしており、今季はTIMELESSのチョコレートテリーヌに冬瓜漬を合わせた作品のリリースを予定しております。
チョコレートは五感<色艶(視覚)、香り(嗅覚)、割れる音(聴覚)、食覚、味覚>を最大限に発揮して楽しむことができるため、視覚の部分で重要な器に関しては最も信頼できる仲間が必要でした。
今村の作品は非常に個性的ではありますが、すべての器が使用する上で理にかなった内容となっており、店舗で使用しているオーバルの器は中が空洞になっているので保冷機能が備わっていたり、器の飲み口の角度や取っ手一つ一つに製作者である今村の意図が組まれています。
今村と自分は同い年になりますが、両者とも今までに誰かの元で弟子入りしたり学んだりしたことがありません。
そのため師匠なども存在せず、誰かの色に染まった世界観での提案は一切なく、純粋に自身が経験したり思っていることを作品に落とし込むことが大切だとお互いで認識しあい、共に成長を続けられ最高に頼りになる好敵手(ライバル)でもあります。
TIMELESSのスタッフについてびっくりする方も多いですが、現在11名程のメンバーがいる中、誰1人チョコレート業界出身の者はいません。自分は元々アパレルや古い車、バイク業界で、アメリカやオーストラリアでコーヒーを学んでいた経験しかありません。
立ち上げ当初からのスタッフはオーストラリアはメルボルンからついてきてくれていますが、元寿司屋や音楽関連の出身であったり、MTVの撮影クルーや同じくアパレル出身、美容師からバリスタ経験豊富なスタッフなど、様々なジャンル出身者にて構成されています。
基本的には皆、自分の人生で出会えた大切な仲間で構築されています。なのでお店自体はまだ4年目ではありますが、ほとんどの仲間が10年近い付き合いをさせてもらっています。
(C)TIMELESS CHOCOLATE
原料の本質を伝えられたときになります。
誰もが知っているチョコレートですが、原料となる「カカオ豆」を見たり食べたりしたことがある人は非常に少ないです。そして、長い歴史の中作りこまれてきた「砂糖」も、純粋な状態の味わいを知っている方は非常に少なくなってきています。
(C)TIMELESS CHOCOLATE
TIMELESSでは「サトウキビ」と表記できる原料のみを使用しており、以前は結核の薬に使用される程珍重されてきた「純黒糖」、以前は薬局で販売されていたり様々な儀式で使用される程の「カカオ豆」の2つのみでチョコレートにて仕上げますが、現地沖縄の人に「TIMELESSのチョコレートは沖縄の言葉で”命薬 ぬちぐすい”だよ」と感想をいただけたことが最大限の喜びでもあります。
(C)TIMELESS CHOCOLATE
歴史を繋ぐことが認められ、自然本来の味わいを最大限に引き出しストレートに伝えられること。そしてその自然環境を次の世代に繋ぐため、沖縄や世界に点在する自社/提携農園での活動を通し「水と土」を残すこと。その本質を繋ぐことに日々やりがいを感じています。
旅の目的にもなり得るチョコレート専門店
(C)TIMELESS CHOCOLATE
次の旅先を決めるとき、きっとそこには目的となる場所や体験があると思います。「あの美術館でどうしても見たい絵がある」「あの絶景の中をドライブしてみたい!」「あのカフェの絶品パフェを一度でいいから食べてみたい」などなど・・・。
タイムレスチョコレートは、そんな旅の目的地にふさわしい場所だと、今回筆者は感じました。チョコレートの材料はカカオ豆とサトウキビだけ。自然本来の魅力を最大限に活かし表現することを大切にしているというその味わいを、ぜひ一度体験してみてください。
https://timelesschocolate.com
住 所:沖縄県中頭郡北谷町美浜9-46 ディストーションシーサイドビル2F
電 話:098-923-2880
営業時間:11:00〜19:00