さまざまな食の楽しみがある美食の国フランスで、不動の人気を誇るチョコレート。フランス発の有名なチョコレートブランドはたくさんありますが、その中でもリヨンにある「ベルナシオン」は老舗のショコラティエとしてその名が知られ、1953年の創業以来、親子3代に渡ってその味を受け継ぎながら新しいアイデアを生み出しています。
日本とパリのセレクトショップに商品が置いてあるものの、直営店舗はリヨンのみ。その伝統と味から多くのファンを惹きつける存在です。本店のリヨン店舗にはカフェも併設されていて、現地でしか感じられない雰囲気を味わえます。
輸入した乾燥カカオ豆を選別、焙煎から行うこだわりのチョコレート作り
前面ガラス張りで開放的なリヨン本店の店舗は、中に入るとチョコレートの香りがふわっと店内に広がっているのが感じられます。それもそのはず、奥にはチョコレート工房や厨房があり、まさにここで名店の味が誕生しているのです。輸入した乾燥カカオ豆を選別して焙煎する工程から、こちらの工房で作業され、美味しいチョコレートやケーキたちが作り出されています。
ベルナシオンの名を有名にした代表作、プレジダン
ヒラヒラしたチョコレートの飾りが、チョコレートケーキの上に乗っている華やかなケーキ「プレジダン(Président)」。フォークをさすとナッツのザクっとした手ごたえがあり、味わいは濃厚でしっとりしたビター感が印象的です。
このケーキは特別な機会に誕生しました。フランス料理界の巨匠でリヨン出身のポール・ボキューズ(Paul Bocuse)氏が、1975年にレジオン・ドヌール勲章というフランスで歴史のある栄誉な賞を授与された際に考案されたのです。受賞者であるポール・ボキューズと古くからの友人だったベルナシオン創業者のモーリス・ベルナシオン(Maurice Bernachon)が、この栄誉ある機会に授賞パーティーを二人で特別なものにしようと計画しました。その6年前にお互いの子供たちが結婚したことで、家族となっていた友人ポール・ボキューズのため、このプレジダンが誕生したのです。それ以来、今もなおベルナシオンの代表作として人気のケーキです。
金箔がちりばめられたリッチなショコラ、パレドール
もうひとつの看板商品パレドール(Les Palets d’or)は、金箔が散りばめられたラグジュアリー感たっぷりの一品です。クリーミーで甘いショコラが、堅めのチョコでコーティングされています。一口で食べてしまうのがもったいないような繊細でリッチな味わいです。このパレドールは、一口サイズ(6個入り15,80 €)のものと少し大きいサイズ(直径約10cm、重さ約80g、一個6,60 €)の2種類のサイズがあります。
親しみやすい高級感のあるカフェレストランでしか味わえないメニューとは?
リヨン本店のすぐ隣りにあるカフェレストランでは、先程紹介したプレジダンやパレドールのほか、サンドイッチなどの軽食やベルナシオンのチョコで作るホットココアなど豊富なメニューを提供しています。チョコレートやケーキ類は店舗で購入してテイクアウトできますが、このカフェに来ないと味わえないのがパフェ。数種類あるので、数人でシェアできたらより楽しみが広がります。
パフェメニュー(料金は2018年12月現在)
・カフェ・リエジョワ(Café Liégeois) 10.10€
- コーヒー、バニラアイス、コーヒーアイス、ホイップクリーム
・ショコラ・リエジョワ(Chocolat Liégeois)10.10€
– チョコクリーム、バニラアイス、チョコレートアイス、ホイップクリーム
・フレーズ・リエジョワ(Fraise Liégeois) 10.10€
- ベリーソース、バニラアイス、イチゴシャーベット、ホイップクリーム
・キリマンジャロ(Kilimandjaro)10.50€
– マロンクリーム、メレンゲ、バニラアイス、ホイップクリーム、マロングラッセのフレーク
・ハーモニー(Harmonie) 10.50€
- チョコクリーム、メレンゲ、バニラアイス、トリュフのフレーク、ホイップクリーム
[all photos by minacono]
minacono ライター
日本とカナダで観光業界に勤務。旅行会社、現地ツアーオペレーター、航空会社、観光局、いろんな分野で旅と関わってきました。現在はフランス在住。美味しい食べ物とお酒がうまく出会った時すぐ感動する。犬好き。でも猫みたいな性格に憧れる。
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