【ランキング】「美食の国」の顔ぶれに異変?「世界のBest5レストラン」

Posted by: 倉田直子

掲載日: Jul 12th, 2019

「世界のベスト・レストラン」アカデミー(The World’s 50 Best Restaurants Academy)が今年6月に発表したランキングでは、意外な結果が明らかに!日本人にとって美食イメージがあまりない国のレストランが、続々とランクインしているのです。その結果を見ていきましょう。

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皆さまは、「美食の国」と聞いて、どこを思い浮かべるでしょうか? フランスやイタリアは鉄板ですよね! けれど近年は、その顔ぶれにニューフェイスが登場してきています。先日発表された「世界のレストランBest50」では、日本人にとって美食イメージがほとんどない国のレストラン、が続々とランクインしているのです。どんなレストランが上位にきているのか、注目していきましょう。

「世界のベスト・レストラン」アカデミーとは

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6月に「世界のベスト・レストラン」を発表したのは、1,000人以上の料理専門家からなる「世界のベスト・レストラン」アカデミー(The World’s 50 Best Restaurants Academy)。2002年から毎年、アカデミー会員たちが過去18か月以内に経験した中で、優れていると感じたレストランを推薦するというスタイルで、ランキングを作成しているのです。今年度の上位5レストランは、次のような顔ぶれになっています。

【世界のベスト・レストラン第5位】Geranium

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※画像はイメージです

第五位にランクインしたのは、2007年にオープンした「Geranium」。モダン・スカンジナビア料理を提供するレストランで、2016年にはミシュランガイドの三つ星も獲得しています。なんとこれは、デンマーク初の快挙だったのだとか。Rasmus Kofoedシェフの生み出す料理は、「食べられる芸術」とも言われているのです。この「世界のベスト・レストラン」では2012年の49位から始まり、今年は第5位まで上昇しました。

Geranium
Per Henrik Lings Allé 4, 8. DK-2100 Copenhagen
+45 6996 0020
http://www.geranium.dk

【世界のベスト・レストラン第4位】Gaggan

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※画像はイメージです

第4位に輝いたのは、タイのバンコクにある「Gaggan」。TOP5のみならず、TOP10でもアジアから唯一ランクインしたレストランです。実はシェフのGaggan Anand氏はインドのカルカッタ出身で、このレストランもインド料理と他国のメニューをフュージョンさせた「プログレッシブ・インド料理」を提供しているのです。
残念ながらAnand氏は、オープンから10年になる2020年にはこのレストランを閉じる予定なのだそう。けれど、がっかりするのは早いです!なんと、その後は日本の福岡に新レストランをオープンする計画があるのだとか! 2021年以降は、その福岡のレストランがランクインするかもしれないですね。

Gaggan
68/1 Soi Langsuan, Ploenchit Road, Lumpini, Bangkok 10330
+66 2 652 1700
http://eatatgaggan.com/

【世界のベスト・レストラン第3位】Asador Etxebarri

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※画像はイメージです

第3位は、スペインのバスク地方アクスペという街にある「Asador Etxebarri」。Victor Arguinzonizシェフが提供するのは、最高のバスクの食材を使用した、シンプルで正確で芸術的なグリル料理。シェフは独学で、オリジナルの調節可能な熱グリルを設計して作り上げたのだとか。
そんな彼は、近郊の街から車で1時間かかる、山に囲まれた絵のように美しいAxpeの農村で生まれ育ちました。アクセスが決していいとは言えない立地のレストランが世界のレストランの中でBest3入りするなんて、すばらしいですね。

Asador Etxebarri
Plaza de San Juan 1, 48291 Atxondo, Bizkaia
+34 946 58 30 42
http://asadoretxebarri.com

【世界のベスト・レストラン第2位】Noma

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※画像はイメージです

世界のベスト・レストラン第2位の「Noma」は、シェフのRené Redzepi氏ともども、とても有名なレストランでした。けれどシェフは2017年に一度お店を閉めてしまいます。そして元の立地であるコペンハーゲンの繁華街から、より広いスペースが確保できるRefshalevej島(コペンハーゲン中心地から自転車で15分ほど)に2018年に移転。このリニューアルを機に、「1月から6月はシーフードのシーズン」、「6月下旬から9月は野菜」「10月から12月はジビエと森の恵み」というように時期でメニューを3分割し始めたのだとか。旬の食材を「ニュー・ノルディック・スタイル」と称される料理スタイルで提供する彼のチャレンジは、世界中から注目されています。

Noma
Refshalevej 96, 1432 Copenhagen
+45 32 96 32 97
https://noma.dk/

【世界のベスト・レストラン第1位】Mirazur

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※画像はイメージです

栄えある第1位に輝いたのは、Mauro Colagrecoシェフ率いる「Mirazur」。MENTONという南仏の街に店を構えているという地の利を活かした、地中海料理を提供しています。当ランキングへの初登場は2009年で、当時は第35位でのデビューでした。それ以来着実にランキングを上げ、今回はついにトップの座を獲得したのです。実はシェフのMauro Colagreco氏はアルゼンチン生まれ。20代のうちにフランスに移住し、パリの「アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ」など、様々な名店での経験を経て、「Mirazur」をオープンしたのだとか。ぜひ今後も、素晴らしい料理を創り上げていってほしいですね。

Mirazur
30 Avenue Aristide Briand, 06500 Menton
+33 4 92 41 86 86
http://www.mirazur.fr

TOP10入りしたレストランの国と傾向

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ここまで紹介したBest5のレストランの中に、デンマークのレストランが2店ランクインしていました。デンマークは世間一般に「美食の国」というイメージがないので、意外な結果でしたね。ちなみにBest10のレストランのある国の内訳は、スペイン3店(3位、7位、9位)、デンマーク2店(1位、5位)、ペルー2店(6位、10位)、フランス2店(1位、8位)、タイ1店(4位)。ペルーの2店も意外でしたが、スペインが一番多いんですね。スペインはBest50の中に7店ランクインしていて、ここでも堂々の最多国を誇っています(2位はアメリカ6店、3位がフランス5店)。もしかして、いま一番美味しいレストランに出合えるのはスペインなのかもしれません。

そして日本からは、11位にと22位にNARISAWAがランクインしていました。日本勢の今後の活躍も、期待したいですね。

[All Photos by Shutterstock.com]
[The World’s 50 Best Restaurants]

PROFILE

倉田直子

Naoko Kurata ライター

オランダ在住ライター。元バックパッカーの旅行愛好家。2004年に映画ライターとしてデビュー。2008年、北アフリカのリビアへ移住後に海外在住ライターとして活動スタート。2011年から4年間のUKスコットランド生活を経て、2015年夏にオランダへ再移住。著書「日本人家族が体験した、オランダの小学校での2年間」
https://www.amazon.co.jp/dp/B0758JCDTM/

オランダ在住ライター。元バックパッカーの旅行愛好家。2004年に映画ライターとしてデビュー。2008年、北アフリカのリビアへ移住後に海外在住ライターとして活動スタート。2011年から4年間のUKスコットランド生活を経て、2015年夏にオランダへ再移住。著書「日本人家族が体験した、オランダの小学校での2年間」
https://www.amazon.co.jp/dp/B0758JCDTM/

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