ピカソが過ごしたお城が美術館に!芸術の街「アンティーブ」を現地ルポ

Posted by: minacono

掲載日: Jul 21st, 2019

地中海に面した南仏の町「アンティーブ」。ピカソがアトリエとして使っていた場所「ピカソ美術館」があることでも知られています。また、日本でも人気のあるイラストレーター「ペイネ」の美術館もあり、ゆったりとした時間の中で、さまざまなアートに触れられますよ。

アンティーブ「ピカソ美術館」
(c) minacono

地中海の穏やかな気候の中、のんびりとした時間が流れる港町アンティーブ。海沿いにあるピカソ美術館は、かつて「パブロ・ピカソ」がアトリエとして使っていた場所で、現在では彼の作品のほか、さまざまなアーティストの作品が美術館の内外に展示されています。アンティーブは、日本でも人気のフランス人イラストレーター「レイモン・ペイネ」が住んでいた地としても知られ、街の中心地には彼の作品を展示する美術館も。ピカソ美術館やペイネ美術館、海岸線の散歩の見所など、アンティーブの町のおすすめスポットを紹介します。

海岸線の散歩・・・目的地は海沿いの大きなモニュメント

アンティーブ「ノマッド」
(c) minacono

地中海に面するアンティーブには、たくさんの船が停泊するハーバーや小さなビーチなど海外沿いをゆっくり散歩するのが楽しい場所です。海沿いには町を守るために昔使われていた城壁が残っている場所もあり、一部は上を歩いたり、高いところからの景色を楽しむ事ができます。海に突き出た堤防の先には、印象的な人型の真っ白いモニュメントが。

アンティーブ「ノマッド」
(c) minacono

アンティーブ「ノマッド」
(c) minacono

このモニュメントは近くにあるピカソ美術館所有のもので、スペインのカタルーニャ出身の芸術家ジャウメ・プレンサ(Jaume Plensa)氏の作品「ノマッド(Nomade)」。高さ8メートルもの巨大なステンレス製のモニュメントは、近くに寄るとアルファベットが一文字ずつ繋がってできています。コードダジュールの青い海や青い空に真っ白のアーティスティックなオブジェが映えるフォトジェニックなスポットです。

ノマッド(Le Nomade)
住所: 32 Quai Henri Rambaud, 06600 Antibes

アトリエとして使っていた部屋が残る「ピカソ美術館」

アンティーブ「ピカソ美術館」
(c) tiroIJP

海岸沿いに建つピカソ美術館は、かつてグリマルディ城(Château Grimaldi)という名で知られ、古代ギリシア時代に基礎が気づかれたという歴史の古い建物。1385年にグリマルディ家の所有となった後、18~19世紀には市庁舎や兵舎として使われ、1925年には市所有のグリマルディ美術館としてオープンしました。

アンティーブ「ピカソ美術館」
(c) naococla

アンティーブ「ピカソ美術館」
(c) tiroIJP

ピカソがこの場所をアトリエとして使ったのは、1946年の秋。2か月間の滞在中に作品や絵画を創作し、滞在中に創作した作品をこの場所に多く残しました。1966年12月27日、ピカソの栄誉を称え正式にグルマルディ美術館からピカソ美術館として名前を変更。彼がまさにここで創作活動をしていたという臨場感の中、ピカソの鉛筆画、絵画、オブジェ、絵皿などさまざまな作品を見ることができます。現在のピカソ美術館には、彼の作品以外に他のアーティストたちの作品が屋内外に展示されています。

ピカソ美術館(Le Musée Picasso)
住所: Prom. Amiral de Grasse, 06600 Antibes
営業時間
・6月15日~9月15日: 10:00~18:00
・9月16日~6月14日: 10:00~13:00/14:00~18:00(会計は、各終了時間の30分前に閉まります。)
定休日: 月曜日、1月1日、5月1日、11月1日、12月25日
公式サイト(英語): https://www.antibesjuanlespins.com/en/discover/the-must-sees/picasso-museum

ペイネ美術館

アンティーブ「ペイネ美術館」
(c) tiroIJP

アンティーブの町の中心地、ナショナル広場(Place Nationale)の目の前には、パリ出身のイラストレーター「レイモン・ペイネ(Raymond Peynet)」氏の作品が多く展示されているペイネ美術館(Musée Peynet Et Du Dessin Humoristique)があります。1930年にパリの大手広告代理店でキャリアをスタートさせ、多くの商品パッケージや広告デザインを手掛け、後に独立してポスターのデザインや新聞の雑誌の挿絵を手掛けます。1976年からアンティーブに住み始めたペイネは、1988年アンティーブ市に268ものリトグラフ(平版画)を寄贈。翌年に同美術館がオープンしました。

アンティーブ「ペイネ美術館」
(c) minacono

彼が創作した商品パッケージや、ポスター、新聞や雑誌の挿絵など、さまざまな作品を見ることができます。彼の代表作「ペイネの恋人たち」のデザイン画も多く展示され、メルヘンタッチのロマンチックなイラストから風刺画まで、彼の作風のバリエーションの豊かさに触れることができます。

ペイネ美術館(Musée Peynet Et Du Dessin Humoristique)
住所: Place nationale, 06600 Antibes

参考
アンティーブ観光局(英語)
ジャウメ・プレンサ(Jaume Plensa)公式サイト(英語)
ピカソ美術館(英語)

[photos by minacono, naococla, tiroIJP]
Please do not use the photos without permission.

PROFILE

minacono

minacono ライター

日本とカナダで観光業界に勤務。旅行会社、現地ツアーオペレーター、航空会社、観光局、いろんな分野で旅と関わってきました。現在はフランス在住。美味しい食べ物とお酒がうまく出会った時すぐ感動する。犬好き。でも猫みたいな性格に憧れる。

日本とカナダで観光業界に勤務。旅行会社、現地ツアーオペレーター、航空会社、観光局、いろんな分野で旅と関わってきました。現在はフランス在住。美味しい食べ物とお酒がうまく出会った時すぐ感動する。犬好き。でも猫みたいな性格に憧れる。

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