マンハッタン過去最大の再開発プロジェクト
ハドソンヤードは、2012年12月4日着工、2025年の完成予定のマンハッタン過去最大の再開発プロジェクト。250億ドル(約2兆6,500億円 2019年9月2日現在)を投じた、ロックフェラー・センター以来の大開発。マンハッタンの10番街から12番街の間、30丁目から34丁目にかけて位置する28エーカーという開発敷地は、元々はMTAの地下鉄車両置き場だった場所。
5棟のオフィスビル(地図のブルー)にはコーチ本社やロレアルアメリカ、SAP(ヨーロッパ最大級のソフトウェア会社)、KKR(インヴェストメント企業の大手)、ボストンコンサルティング、タイムワーナー本社などが入居、商業施設(地図の黄色)は高級百貨店ニーマンマーカス(Neiman Marcus)がマンハッタンに初出店ほかラグジュアリーブランドが勢ぞろい、居住用スペース(地図のピンク)は高層分譲の超ゴージャス物件、一泊最低700ドル(税別)のエキノックス・ホテル(Equinox Hotel)、文化施設The Shed(シアター、映画館)、学校が出来、全てが揃った「ハドソンヤード」町が出来てしまいます。また、空中遊歩道ハイライン(The High Line)からのダイレクトアクセスも可能になる予定。
参照
マンハッタン 過去最大の民間開発の一画にて 日系企業による最大級の開発事業「55ハドソンヤード」竣工 三井不動産
”Hudson Yards, A Billionaire’s Fantasy City!”ビリオネアのビリオネアによるビリオネアのためのハドソン・ヤードがニューヨーカーの悪夢になる日!? Cube New York
ハドソンヤードのために出来た地下鉄駅
2015年9月13日に誕生した7番線の地下鉄駅「34st-Hudson Yards」は、MTA(ニューヨーク都市圏の地下鉄・バス公共交通機関)によると、2007年から総工費 $2.4ビリオン(24億ドル)かけて、ハドソンヤードのために作った駅。
今でこそ観光客が集まってきていますが、2015年完成当時ハドソンヤードは工事中で、空中遊歩道のハイラインくらいしかなく、居住者も少ないエリアで「34st-Hudson Yards」駅はガラガラでした。
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ハドソンヤード(Hudson Yards)
複合大型施設ハドソンヤードは、7番線の地下鉄駅「34st-Hudson Yards」のすぐそばに出来ました。
長い間工事していた工事現場が、こんなに綺麗になりました。開発前までは川風にさらされる地下鉄車両置き場や倉庫で、訪れる人も少ないマンハッタンの端っこだったのです。「ハドソンヤード」の名称は、ハドソン川に近い地下鉄車両の操車場(停車場)から来ているものと思われます。
アウトドアスペースも
アウトドアで楽しめるイベントスペースもありました。
一番人気のベッセル(Vessel)とは
多くの観光客が何を目指していくのかといえば、このベッセル(Vessel)が目当て。蜂の巣のような変わった形態で、階段と踊り場のみで構成された昇れるオブジェです。デザインは、英国ロンドン出身のトーマス・ヘザーウィック(Thomas Heatherwick)によるもの。
高さ約45メートル、8階建て2,500段の階段と80の踊り場がある、らせん状のオブジェ。頂上まで上ると、ハドソン川とマンハッタンを一望出来ます。
ベッセルは無料で昇れますが、予約が必要です。どうすれば良いのかご説明しますね。
ベッセル(Vessel)予約の仕方
ベッセルは予約が必要になります。当日現地で予約をすることも可能。携帯電話でバーコードを読み込むと、予約画面に行けます。ここは、無料のWi-Fiスポットでもあります。
現地で予約する場合、平日の夕方4時頃の時点で、直近の可能な予約時間は約2時間後。すぐには昇れないのです。人数を入力、自分の都合の良い時間を選びましょう。
現地以外で携帯やパソコンで予約する場合、4-5日先になるようです(2019年9月4日現在)。
日時を選んだら、カートに入れます。入場料は基本無料。ただし、2時間以上待つのはめになるので、どうしてもすぐ見たい人のために、Fles Pass 10ドルがあります。
希望の予約がカートに入ったら、
氏名、住所、国を入力。ちょっと情報収集されている気がしないでもないですね。
【開催日時】月曜日〜日曜日 10:00am-9:00pm
【予約可能】2週間先まで予約可能。当日予約は現地でのみ。
【入場料】無料。当日すぐ入れるFles Passは10ドル。
安全保護のため、6歳以下は入場不可。
【予約画面】https://tickets.hudsonyardsnewyork.com/webstore/shop/viewItems.aspx?cg=VesselTix&c=VesselAdm
ショッピングモール
当日2時間以上待つ間に、観光客は同じ敷地内にある大型ショッピングモールに流れます。ハドソンヤード側は、ベッセルを無料で見るのなら、ショッピングモールに誘導したい作戦ですね(笑)。
ショッピングモールには、マンハッタンに初出店の高級百貨店ニーマンマーカス(Neiman Marcus)をはじめ、シャネル、コーチ、ディオール、ルイ・ヴィトンなどラグジュアリーブランドや、無印良品のMUjiやユニクロも出店しています。店舗数は約60店舗とも言われます。
観光客向けにお土産になるものも売っていますので、ニューヨーク土産の調達にも良いかもしれませんね。ただし、全体的にお値段は高めです。
旅行者に使いやすい飲食店など
基本的には有名セレブシェフのレストランなど、お高めの店が中心ですが、中には旅行者でも使いやすい店があります。
ワインバー Milos
ギリシャ料理を楽しめるレストランですが、ワインバーもあります。のんびり休憩を取るには良いかもしれません。平日にはランチ($32〜税・チップ別)もあります。
グルメマーケット Citarella
美味しいものが揃うグルメマーケット「シタレラ(Citarella)」。イートインスペースがあるので、お好きなものを買って食べるのも良いでしょう。
インスタ映えスポット?
ショッピングモールの中にある通路には、休憩エリア兼インスタスポットが?
ショッピングエリア内からべッセルを望む
個人的にべッセルが一番綺麗に見えると思うのが、ショッピングモール内から見たベッセル。
上階から見ると、また雰囲気が変わりますよ。
超高級レジデンス 居住者用
ハドソンヤードの敷地内には、住居用のビル(レジデンス)があります。ハドソンリバーを挟んで隣のニュージャージー州とマンハッタンのスカイラインが望めます。
超高級のレジデンスは、一般庶民には手の届かない何十億円の世界。マンハッタンの端っこの川沿いに、高級住宅を作ってしまうことにも驚きです。高層階の値段の高いものから売れて行ったそうですが、ハドソンヤードの物件も他の高層階高級住宅と同じように、中国人やアラブ人のお金持ちが投資用に購入しているのかもしれません。
観光客には人気が高く、ニューヨーカーには「?」のハドソンヤード
観光客には人気が高いスポットですが、地元ニューヨーカーには「雲の上の世界」と現実的でないハドソンヤード。2020年には、100階にある展望台のエッジ(The Edge)もオープン予定です。
注意:掲載内容については、2019年9月2日現在のものですので、価格や内容に変動の可能性がありますので、お出かけの際は各施設にお問い合わせください。
【住所】10 Hudson Yards 24th Floor, 347 10th Ave, New York, NY 10001
【アクセス】34th Street-Hudson Yards Subway Station(7 Line)
【公式サイト】Hudson Yards https://www.hudsonyardsnewyork.com/
[All photos by Hideyuki Tatebayashi]