イギリスビールの主流はエールビール
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日本ではビールと言えばブロンド色をした炭酸が強めのラガービールが一番の主流と言えます。爽快なのど越しとほどよい苦みが好きな人には病みつきのおいしさ!一方、世界有数のビール大国イギリスでは、エールビールと呼ばれるラガービールよりは濃い色で微炭酸のビールが主に飲まれています。
エールビールとラガービールの違いって?
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エールビールとラガービールの一番の違いは製造過程での発酵方法です。2000年以上前から飲まれているエールビールは、常温で上面発酵と呼ばれる発酵方法で作られ、中世以降に普及したラガービールは低温で仮面発酵と呼ばれる方法で作られています。ほとんどのイギリスやベルギーのクラフトビールはこのエールビールに分類され、色、炭酸の有無、アルコール度数の違い、味わいやにおいまで様々なものが数限りなくあります。また、ビール独自の味や香りを楽しむために常温に近い温度で飲むのが好まれています。
イギリスエールビール呑み比べ
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それでは、さっそくイギリスのスーパーマーケットでも手軽に手に入るエールビールを飲み比べてみましょう!
ウィッチウッド蒸留所、ホブゴブリン(5.5%)
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イギリスオックスフォード郊外にあるウィッチウッド蒸留所のエールビール。ルビービールというだけあって色は濃い赤褐色。製造にチョコレートモルトも使用されているため、ローストされているような香ばしい味も楽しめます。泡立ちもよく苦みも少なめですっきりとした味わいが特徴的です。ラベルも、粋な妖精(妖怪)が描かれているのでお土産にもおすすめ。
グリーン・キング社、アボットエール (5.0%)
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イギリス南東部を拠点とするイギリス最王手のビール会社グリーン・キングのペールエールビール。世界にも多く輸出されており、日本のスーパーマーケットなどでも手に入りやすいものの一つです。色は澄んだ琥珀色です。エールビールの特徴でもあるモルト特融のフルーティーさと程よい苦みが特徴的です。バランスのよいエールビールでどんな食事にも合いそうです。
セントオステル蒸留所、プロパージョブ(5.5%)
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イギリス南西部コンウォールを代表する蒸留所のセントオステルから筆者がお勧めするのは、このプロパージョブ(「いい仕事してますね」)という面白い名前のエールビール。色は若干白濁したオレンジがかった黄色。グレープフルーツなどの柑橘系の香りもするためフルーティーな香りや苦みが特徴的。ホップの香りもほどよく夏に飲んでもよし、冬に飲んでもよし。エールビールビギナーにお勧めしたいビールです。
アイルランドのギネスも外せない!
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ラグビーワールドカップの影響もありここ最近は日本でも多くのファンがいるギネス。真っ黒な色とクリーミーな泡が特徴的なギネスはアイルランド人が誇る国民的ビールです。お隣イギリスでも大人気です。ただし、ギネスはパブで飲む生ビールが瓶ビールや缶ビールより断然おいしいためパブで飲む人がほとんど。キャラメルの香ばしい香りのわりに、軽いのど越しですっきり飲めます。実はカロリーも他のビールより少なく鉄分やビタミンも豊富に含まれているため、その昔は妊婦に一日1杯飲むことが推奨されていたほど。カロリーや栄養面でも、女性におすすめのビールです。
まとめ
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イギリスだけでも700種類以上あると言われているエールビール。暖炉の火を囲みながら香り芳醇なエールビールやギネスをゆっくり呑みながら過ごすというのも、寒い冬の休日の午後の楽しみ方の一つ。落ち着いた大人な時間を楽しめます。