ルーマニアには世界一「陽気な墓」がある

Posted by: 山口彩

掲載日: Dec 13th, 2013

ルーマニアの北部、サプンツァ村には「陽気な墓」と呼ばれるカラフルな墓地があります。村の誰もが知っている、一番その人らしい姿を、ユーモアあふれる絵と詩で彫り上げた墓標が並んでいるそうです。

墓を明るいものにしたい、と最初にこの墓標を作ったのが木彫り職人のスタン・イオン・パトラシュという青年でした。

ルーマニアには世界一「陽気な墓」がある
©falk / Shutterstock.com

愛する人を失った悲しみが癒えるようにと、始めたそうです。

描かれているのは、職業や特技、ときには死因も

ルーマニアには世界一「陽気な墓」がある
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墓標はたいてい、一番上から屋根、十字架、故人を描いた絵、詩という構成になっています。

墓標の言葉がわからなくても、絵を見るとその人の生前の姿を想像し、身近に感じることができます。

警察官、農夫など、一目で職業がわかる人たちも。獣医さんもいます。お料理が得意だったような女性もいます。

ルーマニアには世界一「陽気な墓」がある
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止められてもお酒とタバコを愛した人、でしょうか?

でも中には死因が描かれた、陽気と言えない墓標もあります。

まだ幼くして車にはねられてしまった人、敵兵に殺されてしまった人も……。

他にも、落雷、強盗、溺死なども。
なぜわざわざ墓標をこんな絵にするんだろう……と思ったのですが、もしこの絵がなければ、この人たちの無念に共感した世界中からの観光客も、存在しなかったでしょう。

パトラシュ本人の墓標もあります。現在は、弟子の方たちが墓標作りを継いでいるそうです。

時代をこえる作品を残したり、偉業を成し遂げたわけでなくとも、世界中から訪れた人たちが墓標を見て、その故人を感じ、心に留める。それってすごいことだなあと、しみじみ思うのでした。

■Cimitirul Vesel(陽気な墓)
住所 Sapanta 756 Maramures
入場料 5レイ
PROFILE

山口彩

Aya Yamaguchi 統括編集長

インターネットプロバイダ、旅行会社、編集プロダクションなどを経てフリーに。旅と自由をテーマとしたライフスタイルメディア「TABIZINE」編集長を経て、姉妹媒体「イエモネ」を立ち上げる。現在は「TABIZINE(タビジン)」「イエモネ」「novice(ノーヴィス)」「bizSPA!フレッシュ」統括編集長。可愛いものとおいしいものとへんなものが好き。いつか宇宙に行きたい。

インターネットプロバイダ、旅行会社、編集プロダクションなどを経てフリーに。旅と自由をテーマとしたライフスタイルメディア「TABIZINE」編集長を経て、姉妹媒体「イエモネ」を立ち上げる。現在は「TABIZINE(タビジン)」「イエモネ」「novice(ノーヴィス)」「bizSPA!フレッシュ」統括編集長。可愛いものとおいしいものとへんなものが好き。いつか宇宙に行きたい。

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